
新たな分断に直面する韓国 戒厳令から1カ月、大統領官邸前で対峙する二つの民意
2024年12月3日深夜の非常戒厳令は、国会が全会一致で解除を要求し約6時間後に解除された。それから1カ月、韓国世論は尹大統領の退陣を求める反尹派と続投を求める親尹派に二分された。当初は光化門広場などで行われた集会が、クリスマス以降は大統領官邸のある龍山区漢南洞に移動。各国大使館が集まる高級住宅地の8車線道路を参加者が塞ぎ、警察が備える光景が日常となった。同じ場所で正反対の民意が対峙する構図は、韓国社会に走った新たな分断を映していた。

韓国12.3戒厳令が教える直接選挙による大統領制の負の側面
2024年12月7日夜、尹錫悦大統領への弾劾訴追案が国会で採決にかけられたが不成立に終わった。12月3日夜の戒厳令は国会の解除要求により約6時間で解除され、野党は直ちに訴追案を提出していた。当時の議席は与党108・野党192で、与党議員105人が採決を欠席したため投票が成立しなかった。国会前には約15万人のろうそく集会。盧武鉉は憲法裁判所が棄却して復帰、朴槿恵は罷免と過去の例は分かれる。国民の直接投票で選ばれた大統領に権限が集中する制度そのものへの問いが浮上した。

北朝鮮の欧州派兵は第2次朝鮮戦争の前哨戦? 韓国とロシアの最新兵器が砲火を交える日は遠くない
2023年9月の金正恩総書記のウラジオストク訪問以降、北朝鮮とロシアは急接近し、24年6月には有事の相互支援をうたう条約を締結した。これに基づき10月中旬、ロシアへの大規模派兵が報じられた。ウクライナ国防情報局は、北朝鮮軍が輸送機で前線に送られ極東で訓練を受けたとし、7000人以上が国境地帯に送られたと伝える。一方で歩兵主体の北朝鮮軍が車両中心のロシア軍戦術に対応できない実態も指摘された。韓国軍は11月6日にミサイル発射訓練を実施。欧州の戦線が極東の軍事均衡に影響を及ぼしている。

ポストソウルは実現するか? 21世紀初の首都機能移転を目指す世宗市の今
韓国中西部の世宗特別自治市は首都機能移転を目的に計画された都市で、47の中央行政機関など多数が移転を完了、外交・国防・統一部を除く残りも移転する計画だ。構想は1976年にソウルの住宅不足と安全保障を理由に浮上したが進まず、2002年に盧武鉉が公約に掲げて再始動するも憲法裁判所が「遷都は違憲」と判断。首都「機能」の移転に切り替え2012年に発足した。最大の課題はアクセスで、ソウルから120キロ、直結鉄道もなく「陸の孤島」とも言われる。

大型連休控え医療混乱ピークの韓国 病院・研修医・患者が苦境のなか、漁夫の利を得たのは?
医療混乱が続く韓国で、尹錫悦大統領は2024年9月2日、秋夕連休を控えた医療対策を指示した。発端は2月の医学部定員を3058人から5058人に増やす方針で、医師会が反発し研修医が集団辞職。全国221病院の約1万3000人のうち9900人が退職届を出し、7600人余が現場を離れた。ソウルの「ビッグ5」では医師の3割超〜46%を研修医が占め、セブランス病院では600人の99%が退職届を提出。手術補助や入院患者管理が滞り、病院は経営難、患者は診療遅延に直面した。

トランプ銃撃の「奇跡の写真」で注目を集めるソニー製カメラ、韓国市場で首位独走を続ける理由
トランプ前大統領暗殺未遂事件の「奇跡の1枚」がソニー製カメラで撮影されたことが話題となった。デジタルカメラの世界シェアはキヤノン46.5%、ソニー26.1%、ニコン11.7%で、2019年にソニーがニコンを逆転し2位となった。世界ではキヤノンに水をあけられるソニーだが、韓国では首位を独走しフルフレーム市場で4年連続1位。1990年の韓国進出後、2013年にサムスン・LGと競合するテレビ市場から撤退し、カメラ・オーディオ・放送機器に集中した選択が現在の地位につながった。

韓国でLINEユーザーが急増した理由 日本への反発?
2024年5月、韓国のアプリ市場でLINEのダウンロード数が通信アプリ部門1位となり、カカオトークを上回った。韓国は人口の93%がカカオトークを使い、LINEのシェアは20%以下、日常利用は5%未満だ。背景にはLINEヤフーをめぐる日韓の摩擦があり、日本の総務省の行政指導に対し韓国では「LINEを奪おうとしている」との受け止めが広がった。皮肉にもその反発が認知を高めダウンロード増につながったが、生活インフラであるカカオトークに対抗し定着するハードルは依然高い。

韓国観光業界が嘆く「中国人が戻ってこない」理由
中国政府は2023年8月、THAAD配備を理由に制限していた韓国行き団体旅行を解禁したが、9か月経っても訪韓需要は回復していない。制限が始まった2017年3月以降、月50万〜90万人だった訪韓中国人は20万人台まで激減し、回復しかけたところにコロナが重なった。解禁後も戻らない理由は、円安による日本旅行の割安感、中国国内の景気減速、団体から個人旅行への移行など複合的だ。中国人団体客を前提としてきた韓国観光業界は需要構造の変化への対応を迫られている。

「韓国は詐欺大国」の事情とは
韓国特有の不動産賃貸方式「チョンセ」の保証金が返還されない被害が深刻化している。チョンセは月家賃がなく売買価額の50〜80%を保証金として預ける仕組みだが、2年契約で途中退去時は返還が猶予されるため、この資金を元手に別物件を買い増す投機が広がった。国土交通部は2024年3〜4月に1432件を被害認定し、特別法施行以来の累計は1万5433件。認定被害者には優先買取権が与えられ、LHが買収して最長20年の居住を保障する。

韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている
韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている。日本語を学ぶ韓国人が急増し、2023年12月のJLPT韓国受験申込は5万6282人と直近10年で最多。韓国ユニクロは好調、日本産ビールは輸入額で国別1位に返り咲き、日本車も伸びる。数年前の「ノージャパン」から一転した動きの背景を追う。

韓国全土で医療の混乱、政府の医師不足解消策に反発して研修医は大規模ストを強行した
韓国政府が医師不足対策として医学部の定員増を表明すると、反発した研修医が集団で退職届を出して現場を離れ、韓国全土で医療の混乱が起きた。退職届は9900人余り、研修医の4人に1人に相当し、9割超が提出した病院も。定員増に世論の支持は集まるが、政府と医師の対立は深まっている。

「ノージャパン」はどこへ……韓国ソウルの街角に日本語看板が急増! その背景は?
ソウルの街角で日本語の看板を掲げる店が増え、注目を集めている。かつての「ノージャパン」とは対照的な現象だ。ただし韓国の屋外広告物法には言語表記の規制があり、この急増は賛否両論を呼んでいる。日本文化への憧れと歴史的背景が絡み合う、新たな文化的潮流の実像を追う。
