韓国の住居・家探し完全ガイド ― チョンセ(伝貰)とウォルセ(月貰)、契約から保証金を守る方法まで【2026年版】
韓国で部屋を借りるとき、日本と最も違うのが「チョンセ(伝貰/전세)」という独特の賃貸方式です。まとまった保証金を預けて家賃ゼロで住む仕組みですが、近年は「チョンセ詐欺(전세사기)」が社会問題となり、保証金を守るための制度も大きく変わりました。この記事では、住居の種類の選び方から、契約の流れ、そして2026年時点で必ず知っておくべき保証金保護のポイントまで、韓国在住の日本人向けにまとめます。
住居の種類 ― チョンセ・ウォルセ・売買
韓国の住まいは、大きく「チョンセ」「ウォルセ」「購入(売買)」の3つに分かれます。駐在員や留学生など一定期間の滞在であれば、チョンセかウォルセを選ぶのが一般的です。
チョンセ(伝貰・전세)
入居時に高額な保証金(保証金は物件価格の5〜7割程度が目安)を大家に預け、契約期間中は毎月の家賃を払わずに住む方式です。退去時に保証金は全額返還されます。まとまった資金が必要ですが、月々の負担がないのが特徴です。
ウォルセ(月貰・월세)
日本の賃貸に近い方式で、保証金(ウォルセの場合は比較的少額)を預けたうえで、毎月家賃を支払います。初期費用を抑えたい方に向いています。近年はチョンセよりウォルセを選ぶ人が増えています。
住居のタイプ
建物の種類としては、ホテル並みの設備が整うサービスレジデンス、日本の分譲マンションに相当するアパート・オフィステル、家賃が比較的安い共同住宅のヴィラ、大学周辺に多いワンルーム・コシウォンなどがあります。駐在員はアパートが中心で、家賃はサービスレジデンス>アパート>オフィステル>ヴィラの順が目安です。エアコンや冷蔵庫などの大型家電・家具が備わっている物件は多くないため、居住期間が2〜3年以下なら家具レンタルの方が割安なケースもあります。
家探しから契約・入居までの流れ
- 物件探し ― 日本語が通じる不動産会社を使うと安心です。当サイトの日本語対応の不動産会社リストも参考にしてください。
- 内見・条件確認 ― 保証金・家賃・管理費(관리비)・入居可能日を確認します。
- 契約前の権利確認 ★ ― 登記簿謄本(등기부등본)で、先順位の抵当権(근저당권)がないか必ず確認します。ここが保証金を守る最重要ポイントです。
- 契約締結 ― 公認仲介士(공인중개사)立ち会いのもとで契約書を作成します。契約書は3部作成し、賃借人・賃貸人・仲介人が保管します。
- 入居・転入届 ― 入居後すぐに転入届(전입신고)と確定日付(확정일자)を。詳細は次のセクションで解説します。
なお、法律上の賃貸借を仲介できるのは公認仲介士(日本の宅建業に相当)です。日系の「不動産コンサルタント」を利用する場合、法律上の契約は公認仲介士が行い、コンサルタント会社とは別途の契約になりますが、入居後のトラブル対応窓口になってくれるという利点があります。
【最重要・2026年版】保証金を守る ― 転入届・確定日付・保証保険
チョンセ詐欺のニュースで不安に感じる方も多いですが、正しい手順を踏めば保証金は法律で守られます。ここが2018年当時から最も大きく変わった部分です。
基本の2点 ― 転入届と確定日付(変わらない原則)
- 転入届(전입신고)=対抗力:家が競売にかかったり大家が代わっても、住み続けられる権利。
- 確定日付(확정일자)=優先弁済権:家が競売になったとき、他の債権者より先に保証金を返してもらえる権利。
この2つは入居当日にセットで行うのが鉄則です。ウォルセ(月貰)でも保証金がある以上、同じく必要です。
2026年の重要な変更点
- チョンセ・ウォルセ申告制(전월세 신고제):保証金6,000万ウォン超、または家賃30万ウォン超の契約は、契約から30日以内に申告が義務。申告すると確定日付が自動で付与されます。
- 対抗力の発生時点の見直し ★:従来は「転入届の翌日0時」から効力が発生していましたが、これを「申告と同時」に改める方向で制度改正が進んでいます。大家が同じ日に住宅を担保に融資を差し込む手口を防ぐためです。
- 保証金返還保証(전세보증금 반환보증)の事実上の義務化:HUG(住宅都市保証公社)・SGI・HFなどが提供。大家が返還しない場合、保証機関が代わりに支払います。青年・新婚・低所得世帯には保証料の最大50%補助(2025年〜)。
- チョンセ詐欺特別法(전세사기 특별법):2024年9月改正。被害者への仮住居提供や緊急生活資金の支援など。
- アンシムチョンセアプリ(안심전세앱):登記・確定日付・転入・税滞納など57種のデータを連携し、契約前に物件と大家のリスクを確認できる仕組みを整備中。
契約前チェックリスト
- ☐ 登記簿謄本で先順位の抵当権・仮差押えを確認したか
- ☐ 保証金+先順位債権の合計が物件価格に対して高すぎないか(カンコン・チョンセ/깡통전세でないか)
- ☐ 大家本人(名義人)と契約しているか
- ☐ 入居当日に転入届+確定日付を済ませたか
- ☐ 保証金返還保証への加入を検討したか
困ったときは(相談先)
契約や保証金トラブルに不安がある場合は、日本語が通じる不動産会社や専門家に相談するのが安心です。当サイトでは日本語対応の不動産会社をご紹介しています。



