韓国12.3戒厳令が教える直接選挙による大統領制の負の側面
2024年12月7日夜、韓国国会で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追案が採決にかけられたが、不成立に終わった。尹大統領は12月3日夜、何の前触れもなく戒厳令を宣布。国会の解除要求により約6時間で解除されたが、野党は直ちに弾劾訴追案を提出していた。韓国の制度では国会議員の3分の2以上が賛成すると大統領は職務停止となり、憲法裁判所が罷免の可否を審理する。
当時の国会は与党108議席、野党192議席。可決に必要な200票に対し、与党議員105人が採決を欠席したため投票そのものが成立せず、訴追案は廃案となった。国会前では約15万人が集まるろうそく集会が開かれた。過去の例では、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は国会で訴追案が可決されて職務停止となったものの憲法裁判所が棄却して復帰し、朴槿恵(パク・クネ)大統領は弾劾決議後に憲法裁判所が罷免を決定している。
この事態が浮き彫りにしたのは、直接選挙による大統領制が抱える構造的な課題である。国民の直接投票で選ばれた大統領に強大な権限が集中する一方、国会との対立が深まれば統治が機能不全に陥る。5年単任制ゆえに任期後半のレームダック化も避けにくい。制度そのものへの問いは、この後の罷免と大統領選を経ても韓国政治に残り続けることになった。
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韓国12.3戒厳令が教える直接選挙による大統領制の負の側面(外信記者・佐々木和義)



