新たな分断に直面する韓国 戒厳令から1カ月、大統領官邸前で対峙する二つの民意
2024年12月3日深夜、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は非常戒厳令を宣布した。韓国憲法上、大統領は戒厳令の宣布を国会に通告する義務があり、在籍議員の過半数が解除を要求すれば解除しなければならない。突然の宣布に対し、最大野党「共に民主党」は議員を招集。全300議員のうち集まった190人が全会一致で解除要求を可決し、戒厳令は宣布から約6時間後の12月4日午前5時過ぎに解除された。同日午後、野党は共同で弾劾訴追案を提出した。
それから1カ月、韓国世論は二つに分かれた。尹大統領の退陣を求める反尹派と、続投を求める親尹派である。当初、退陣を求める「ろうそく集会」は国会議事堂前や光化門広場、全国各地で行われた。光化門広場は2022年まで大統領執務室と官邸があった青瓦台に近く、8年前に朴槿恵大統領の退陣を求めた集会の舞台でもある。しかしクリスマスを過ぎた頃から、両派の集会は大統領官邸のある龍山区漢南洞(ハンナムドン)に移った。
漢南洞は各国大使館が集まり、成功者が居住する高級住宅地として知られる。その街の8車線道路を集会参加者が塞ぎ、警察が不測の事態に備える光景が日常となった。同じ場所で正反対の主張を掲げる二つの民意が対峙する——それは弾劾の可否を超えて、韓国社会に走った新たな分断の断面だった。この分断は、その後の罷免と大統領選挙まで尾を引くことになる。
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新たな分断に直面する韓国 戒厳令から1カ月、大統領官邸前で対峙する二つの民意(外信記者・佐々木和義)


