慶州2その2
慶州観光のもうひとつの見どころが、日没後の東宮と月池(アンアプチ)、そして仏国寺・大王岩・慶州国立博物館という郊外エリアだ。日中に大陵苑や瞻星台をまわったなら、夕方以降はこちらのコースを組み合わせるとバランスの良い旅程になる。市街地の史跡が徒歩圏に集まっているのに対し、こちらは車移動が前提のエリアが多い点が特徴だ。
見どころ1:東宮と月池(アンアプチ)の夜景
統一新羅時代、王子が暮らした離宮の跡地で、かつては雁鴨池(アンアプチ)の名で親しまれてきたが、発掘調査の成果を受けて正式名称は「東宮と月池」に改められている。池に張り出すように復元された楼閣がライトアップされ、水面に映り込む姿は慶州を代表する夜景のひとつだ。日没後に訪れるのが定番で、月精橋とあわせて夜のコースに組み込む旅行者が多い。園内は1周20〜30分ほどで歩いてまわれる広さで、夜でも比較的安心して散策できる。


見どころ2:仏国寺(プルグクサ)
慶州を代表する寺院で、1995年にユネスコ世界文化遺産に登録された。石造りの階段や石塔など、新羅時代の高度な石造建築技術を随所で見ることができる。韓国では修学旅行の定番の訪問地でもあり、団体旅行の学生や、思い出の地を再訪する卒業生の姿もよく見かける。紅葉の季節は、境内の石造建築と紅葉のコントラストが特に美しい。


見どころ2.5:石窟庵(ソックラム)
仏国寺と同じくユネスコ世界文化遺産に登録されている石窟寺院で、山の中腹に位置する。花崗岩をくり抜いて造られた本尊仏(釈迦如来坐像)は、新羅の仏教美術を代表する傑作とされる。仏国寺からは車で20分ほど山道を登った場所にあり、あわせて訪れるのが定番のコースだ。ただし行楽シーズンや週末は道路が渋滞しやすく、時間帯によっては断念せざるを得ないこともある。
見どころ3:大王岩(文武大王陵)
慶州市街から車で30分ほど、感恩(カムン)洞の海沿いにある、新羅30代・文武王の海中陵とされる岩礁だ。文武王は、朝鮮半島を統一した新羅の王として知られ、「死してなお国を守る」という遺言に従い、遺骨を海に散骨したという伝説が残る。展望台から見る岩礁は、波が穏やかな時間帯であれば近くまで寄って眺めることができる。周辺は海鮮グルメの店も多い。


あわせて訪れたい:感恩寺址三層石塔
大王岩に向かう途中には「感恩寺址(カムンサジ)」もある。文武王の遺志を継いだ息子・神文王が、父の菩提を弔うために建立した寺の跡地で、現在は2基の三層石塔(国宝)だけが田園風景のなかに立っている。建物は残っていないが、その分、統一新羅初期の石塔建築の姿をそのまま伝える貴重な史跡として知られる。
見どころ4:慶州国立博物館
慶州一帯から出土した新羅時代の遺物を集めた博物館で、入館は無料(一部特別展を除く)。目玉は、古墳から出土した黄金の王冠だ。薄い金板を切り抜いて作られた新羅王冠は、当時の高度な金工技術を伝える代表的な文化財として知られる。石仏庵(ソックラム)とセットで訪れるのが定番だが、道路が混雑する行楽シーズンは博物館だけに絞るのも選択肢のひとつだ。


モデルコース
午前は仏国寺(時間と道路状況が許せば石窟庵も)、昼過ぎに感恩寺址と大王岩で海沿いの景色を楽しみ、夕方に慶州国立博物館、日没後に東宮と月池の夜景というのが、無理のない1日の流れだ。仏国寺・石窟庵・大王岩・感恩寺址はいずれも郊外にあり、公共交通機関だけでまわるのは難しいため、レンタカーかタクシーでの移動が現実的。前日に慶州市街の見どころをまわっているなら、この日は郊外エリアに専念すると効率が良い。
訪れるタイミング
石窟庵・大王岩は郊外にあるため天候の影響を受けやすく、雨の日は視界が悪くなる。晴天の日を選べるなら、午前中に石窟庵、午後に海沿いの大王岩というように、山と海を組み合わせるとメリハリのある旅程になる。
よくある質問
Q. 雁鴨池と東宮と月池は同じ場所?
A. 同じ場所。発掘調査を経て正式名称が「東宮と月池」に改められた。
Q. 仏国寺の見学にはどれくらい時間がかかる?
A. 1時間前後が目安。境内はそれほど広くないが、じっくり見ると1〜2時間かかることもある。
Q. 大王岩へのアクセスは?
A. 慶州市街から車で30分ほど。公共交通機関の便は少ないため、レンタカーかタクシーが現実的。
Q. 博物館の見どころは?
A. 古墳から出土した新羅の金冠が最大の目玉。入館は基本無料。
Q. 東宮と月池のベストな訪問時間帯は?
A. 日没後、ライトアップが始まってからが一番の見どころ。夕暮れどきから訪れて明るさの変化を楽しむ旅行者も多い。
Q. 石窟庵は必ず行くべき?
A. 仏国寺とあわせてユネスコ世界文化遺産に登録された貴重な史跡だが、山道のため渋滞に弱い。時間に余裕がない場合は仏国寺だけに絞るのも一案だ。

