慶州その1
慶州(キョンジュ)は、新羅千年の都だった古都で、日本でいえば奈良のような位置づけの街だ。紀元前後に建国された新羅は、935年に高麗に滅ぼされるまでこの地を都とし続けた。市内のあちこちに古墳や史跡が点在し、まるで街全体が屋根のない博物館のような趣がある。ソウルからKTXで日帰りも可能だが、見どころが多いので一泊二日でまわるのがおすすめだ。
新羅千年の歴史
新羅は朝鮮半島の三国(高句麗・百済・新羅)のひとつで、7世紀に唐と結んで百済・高句麗を滅ぼし、朝鮮半島の大部分を統一した。統一新羅の都として栄えた慶州には、当時の王宮や寺院、王陵が数多く残り、1979年には市街地一帯がユネスコの世界文化遺産に登録されている。
アクセス
ソウル駅からKTXで新慶州駅まで約2時間。新慶州駅は慶州市街のはずれにあるため、市内へはバスやタクシーでの移動が必要になる。行楽シーズンの週末は混み合うので、時間に余裕を持って動きたい。


見どころ1:校洞村(キョドンマウル)
木造瓦葺きの伝統家屋が保存されている民俗村で、実際に人が暮らす街並みを歩いて見学できる。太鼓体験など、簡単な伝統文化体験ができる施設もある。村内には、朝鮮時代に「ノブレス・オブリージュ」を実践した資産家として知られる慶州崔(チェ)家の旧宅も残っており、当時の両班(貴族階級)の暮らしぶりを伝えている。また、キンパ(韓国海苔巻き)の行列店もあり、散策の合間に立ち寄る人が多い。


見どころ2:大陵苑(テルンウォン)と天馬塚
慶州市内には、土まんじゅうのような形をした新羅時代の古墳が点在しており、その集合地が大陵苑だ。なかでも天馬塚は、韓国で唯一、内部に入って見学できる古墳として知られる。副葬品のレプリカや、古墳の断面構造をそのまま見ることができる、慶州観光の定番スポットだ。


移動のコツ:レンタサイクル
慶州は史跡同士がほどよい距離に点在しているため、レンタサイクルでの移動が定番だ。大陵苑や瞻星台の周辺には貸自転車店が多く、電動アシスト自転車を扱う店もある。歩くには少し遠い距離も、自転車ならスムーズにまわれる。
見どころ3:瞻星台(チョムソンデ)
7世紀、新羅の善徳女王の時代に建てられたとされる、東洋最古の天文台だ。花崗岩を積み上げたシンプルな円筒形の姿ながら、当時の天文観測技術の高さを伝える史跡として、修学旅行の定番コースにもなっている。周辺は芝生の広場になっており、写真撮影スポットとしても人気だ。
瞻星台のすぐ近くには、新羅建国の始祖・朴赫居世(パク・ヒョッコセ)にまつわる伝説が残る「鶏林(ケリム)」という森もある。大陵苑・瞻星台とあわせて徒歩で回れる距離にあり、緑豊かな散策路として地元の人にも親しまれている。

見どころ4:月精橋(ウォルジョンギョ)の夜景
新羅時代の橋を復元した木造橋で、発掘調査をもとに2018年に両端の楼閣まで含めて完成した比較的新しい史跡だ。日没後はライトアップされ、川面に映る姿が美しいことから、慶州随一の夜景スポットとして人気がある。入場・駐車ともに無料で、開放時間は午前9時から午後10時まで。旅程に夜の時間帯を組み込めるなら、ぜひ訪れたい場所だ。
周辺スポット:皇理団길(ファンリダンギル)
大陵苑のすぐ外側に広がる「皇理団길」は、韓屋を改装したカフェや雑貨店が並ぶ、近年人気の通りだ。伝統的な街並みのなかに今どきの店が溶け込んでおり、史跡めぐりの合間に一休みするのにちょうど良い。夕方以降は、ライトアップされた大陵苑の塀沿いを散歩する人でにぎわう。
訪れるタイミング
春は桜、秋は紅葉と、季節ごとに古墳エリアの表情が変わるため、一年を通じて観光客が絶えない。日中は史跡めぐり、日没後は月精橋のライトアップというように、昼と夜で行き先を分けて組み立てるとメリハリのある旅程になる。
グルメ
校洞村周辺にはキンパの人気店のほか、伝統茶やお餅などの軽食を出す店も多い。慶州は観光都市らしく、市内中心部にも食堂やカフェが充実している。
よくある質問
Q. 慶州はソウルから日帰りできる?
A. KTXなら日帰りも可能だが、見どころが多いため一泊二日でまわるのがおすすめだ。
Q. 天馬塚以外に古墳の中に入れる場所は?
A. 韓国で内部見学ができる古墳は天馬塚のみとされている。
Q. 夜も楽しめる場所は?
A. ライトアップされた月精橋が慶州随一の夜景スポットとして人気だ。入場・駐車は無料。
Q. 修学旅行の定番スポットは?
A. 瞻星台や仏国寺(別記事で紹介)が、韓国の修学旅行の定番コースになっている。
Q. 慶州はどんな街?
A. かつての新羅の都で、1979年に市街地一帯がユネスコ世界文化遺産に登録された古都。日本の奈良に近い位置づけの観光都市だ。
Q. 移動手段は?
A. 新慶州駅から市内までバスかタクシーを利用するのが一般的。見どころ同士は徒歩や市内バスでまわれる距離にまとまっている。
