安全不感症

ソウル市内では先週末からマスクをしている人が少なくなったようです。
MERSの感染経路として
(1) 大部分が院内感染
(2) 飛沫感染と接触感染
(3) 発症者から感染
ということで、市中でのマスクは不要という考えがあるようですが、あくまで、感染者がすべて隔離されている前提での話です。
(1) 感染の疑いがある人のなかには、隔離を嫌って歩きまわっている人がいるとか。
また、感染の疑いがある人の隔離期間は感染者が発生した日に病院を訪問してから14日間ですが14日をすぎて発症した例もあるといいます。
(2) 電車やバスなどの車内で、大きな声で電話をしている人をよく見かけます。
また、百貨店などにいくと店員が異常なほど接近してきます。
保菌者に接客したあとだったら、ちょっと怖いです。
(3) 専門家によれば発症者から感染し、発症していない保菌者と接触しても感染する可能性はないといいます。
症状がはっきり現れている人は病院にいったり、隔離されていると思いますが、本人がMERSという自覚がない可能性もあります。
市中感染する可能性は少ないといいますが、可能性が少ないと可能性がないとでは、意味が異なります。
完全にないとは言い切れません。
昨年のセウォル号の沈没事件のとき、日本の海難救助率の高さが話題になりました。
また、日本政府はSARSは完全に阻止し、MERSも阻止する体制を整えています。
韓国のマスコミをはじめ、日本の対応との比較が引き合いになりますが、日本のいまの安全も一朝一夕にできたわけではありません。
海難救助については、
1954年(昭和29年)函館沖で青函連絡船洞爺丸が沈没し、乗員乗客1155名が死亡、他の船舶も合わせ、このとき、函館沖で1430名が犠牲になっています。
この事故を契機に海上の安全が見直されたものです。
実際、洞爺丸以降、青函連絡船の終航まで事故は起きていません。
海難事故以外にも鉄道事故、航空機事故、伝染病またサリン事件など、多くの事故や事件がありますが、その都度、原因調査を行って原因=犯人を特定し、同じ事故を繰り返さないようにしてきました。
事故原因によっては、企業は容赦なく不買などの社会的な制裁を受けるので、徹底して改善をするし、他社も他山の石とします。
韓国は喉元過ぎれば熱さを忘れる。
時間が経つとなかったかのように同じミスを繰り返しかねません。
都度いわないと同じことを繰り返しますことが多々あります。
轍を踏むことが日常化しており、似たような事故が繰り返されます。
安全不感症というより、轍を踏むことが日常化しているのだと思います。
いずれ、まだ暫くはマスクを手放せそうにありません。

kazNewsweek記者

投稿者プロフィール

広告プランナー兼フォトグラファー。広告印刷とWEBプランニングに従事して早20年。日系企業の韓国ビジネスに詳しい。韓国経済や社会文化情報の発信を行い、外国人生活モニターとしてソウル市に改善提案を行っている。
週末には日韓米豪いろんな国の人たちと趣味の音楽を愉しんだり、カメラ片手にソウルや近隣をここかしこ徘徊したりしています。

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