韓国のビジネス連絡 ── 携帯直通とメッセージ文化、日本式との違い【2026年版】
韓国で働きはじめた日本人が最初に戸惑うことのひとつが、連絡の取り方である。日本なら会社の代表番号にかけて取り次いでもらうところを、韓国では担当者の携帯に直接かけるのが普通だ。メールよりメッセージが速く、電話のほうがもっと速い。ここでは韓国のビジネス連絡の実際と、日本式との違いを整理する。
会社の代表番号より、個人の携帯
韓国では、ビジネスでも日常的に携帯に電話します。とくに日本人同士だと、会社に電話して取り次いでもらうより、直接、携帯に電話することが多いです。
名刺にも携帯番号が併記されているのが一般的で、初対面でも渡された番号にそのままかけてよい、という前提がある。日本では「いきなり携帯にかけるのは失礼では」と考えがちだが、韓国では取り次ぎを待たせるほうがかえって効率が悪いと受け取られやすい。
背景には、担当者が席にいないことが多い働き方がある。外回りや現場対応が入ると内線では捕まらない。結果として「本人に直接」が最短経路になっている。
メッセージが業務連絡に使われる
電話と並んで使われるのがメッセージアプリである。韓国ではカカオトーク(카카오톡)が広く普及しており、業務の連絡にもそのまま使われることが多い。案件ごとにグループを作って進捗を共有する、という進め方も珍しくない。
日本の「まずメールで、記録を残す」という感覚とはかなり違う。メールは正式な文書のやりとり、日常の確認はメッセージ、という住み分けだと考えたほうが実態に近い。
ただしメッセージで決まったことは記録に残りにくい。金額や納期など後で確認が必要になる事項は、あらためてメールで確認を送っておくと安全である。相手も嫌がらない。
電話をかけるときの基本
連絡手段が変わっても、伝え方の基本は日本と大きく変わらない。
- かける前に用件を整理する ── 相手の会社名・名前・用件を確認してからダイヤルする
- いきなり本題に入らない ── 「〜の件でお電話しました」と、何の話かを先に伝える
- 相手の都合を確認する ── 携帯は相手の状況が分からない。「いま、お話してよろしいですか」のひと言を入れる
- 用件が多いときは先に件数を言う ── 「二点、ご相談があります」と伝えると相手が構えられる
とくに三つめは、携帯が主戦場である韓国では日本以上に効く。運転中や現場にいることが普通にあるからだ。
受けるときと、折り返し
受けるときは「もしもし」は不要で、名乗るところから入る。会社名と氏名を続けるのが基本である。
相手の会社名・名前・日時は正確にメモし、用件は復唱して確認する。とくに名前・日付・数字は取り違えると後で響く。聞き取れなかったときは、その場で「失礼ですが」と聞き返しておくほうがよい。韓国語や英語が混じるやりとりでは、遠慮して曖昧なまま進めるほうが危険である。
会議中や来客中に着信があった場合は、面談相手の承諾を得てから出るか、留守番電話に回す。出られなかった相手には折り返す。韓国では折り返しが早いことが信頼につながるため、後回しにしないほうがよい。
日本との違いで戸惑いやすい点
- 時間帯 ── 業務時間外でも連絡が来ることがある。急ぎかどうかは内容で判断し、対応の線引きは早めに共有しておく
- 速度の期待値 ── 返信が遅いと「止まっている」と受け取られやすい。すぐ答えられないときも「確認して連絡します」だけ先に返す
- 記録の残り方 ── メッセージ中心だと、後から経緯を追いにくい。重要な合意はメールで残す
どれも「韓国式が雑」ということではなく、速さを優先する文化だと理解したほうが噛み合う。日本側が記録を、韓国側が速度を担保する形にすると、双方の長所が生きる。
よくある質問
Q. 初対面の相手の携帯に直接かけてもいいですか。
A. 名刺に携帯番号が書かれていれば問題ありません。韓国では担当者の携帯に直接かけるのが一般的で、取り次ぎを待つほうが非効率と受け取られることもあります。
Q. 業務連絡をカカオトークでしてもよいのですか。
A. 韓国では広く行われています。ただし金額・納期など後で確認が必要な事項はメールでも残すことをおすすめします。メッセージは記録として追いにくいためです。
Q. 電話を受けるとき「もしもし」と言いますか。
A. 不要です。「はい」と答えてから会社名・氏名を名乗るのが基本です。
Q. 業務時間外の連絡にも応じるべきですか。
A. 内容によります。対応できる範囲を早めに共有しておくと、お互いに無用な期待をしなくて済みます。
Q. すぐに答えられない用件はどうすればよいですか。
A. 「確認して連絡します」とだけ先に返すのが有効です。韓国では返信の速さが信頼につながるため、沈黙が続くと止まっていると受け取られます。
▶ 名刺交換・席次・会食の作法については韓国で働く日本人のためのビジネスマナー、携帯電話の契約そのものについては韓国の携帯電話・インターネットガイドをご覧ください。


