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全羅北道ツアーその2

2014-05-11
全羅北道ツアーの後半は、パンソリ体験から全州韓屋村、そして益山(イクサン)の百済遺跡へと続く。前編(茂朱テコンドー園・馬耳山塔寺)とあわせて1泊2日でまわるコースだ。 パンソリ体験 パンソリは、韓国の伝統的な語り物音楽で、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。体験プログラムでは、まず歌詞を学んでから、講師のあとについて実際に歌ってみる。メロディー自体は難しくないが、楽譜を使わずに口伝で継承されてきた音楽であるため、西洋音楽に慣れた人には独特の難しさがある。 全州韓屋村 全州を代表する観光地で、700棟を超える伝統韓屋が密集して建ち並ぶエリアだ。順天の楽安邑城や安東の河回村のような素朴な民俗村とも、ソウルの北村のような閑静な住宅地とも異なり、格式のある伝統家屋が街並みとしてぎっしり集まっている独特の空間になっている。新しく建てられる建物も伝統様式に合わせて建築されるため、街全体の景観が保たれている。全州名物のビビンバも、この韓屋村周辺で味わえる。 益山・王宮里遺跡 百済の武王(在位600−641年)の時代の王宮跡とされる遺跡だ。従来、聖王が泗沘(現在の扶余)に遷都してから百済滅亡までの間、都はずっと泗沘にあったと考えられていたが、発掘調査により武王の時代にこの益山にも王宮があったことが判明した。百済史の理解を書き換える発見として注目され、現在は復元整備が進められている。 益山は、扶余・公州と並んで古代日本と交流の深かった百済の重要な遺跡群があるエリアだ。2015年には「百済歴史地区」として、公州・扶余の遺跡群とともにユネスコ世界文化遺産に登録されている。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2014-05-11 11:41:372026-07-31 21:57:27全羅北道ツアーその2

全羅北道ツアーその1

2014-05-07
全羅北道(チョルラブクド)には、テコンドーの聖地から神秘的な石塔寺、伝統家屋が並ぶ韓屋村まで、バラエティに富んだ見どころが揃っている。この記事ではツアー1日目の内容を紹介する。 茂朱(ムジュ)テコンドー園 テコンドーの発展・普及を目的に整備された施設で、リゾート地として知られる茂朱に位置する。茂朱と慶州が候補地となり、韓国全土からのアクセスの良さから茂朱に決まった経緯がある。専用競技場のほか、室内公演場、宿泊施設、テコンドー博物館、体験館などを備え、テコンドーの型や実演を見学・体験できる。 鎮安(チナン)馬耳山塔寺 巨岩の山に囲まれた谷間に、石を積み上げて作られた塔が林立する不思議な光景で知られる寺だ。駐車場から巨岩の谷間を抜け、池のほとりを通って歩くハイキングコースの先に塔寺があり、大小合わせて約80基の石塔が立ち並ぶ。上から見下ろす境内の全景も見どころのひとつ。 全州(チョンジュ)のマッコリ文化 全州はマッコリの産地としても有名で、専門店で地元のマッコリを味わいながら旅の疲れを癒すのも定番の楽しみ方だ。 韓紙の団扇づくり 2日目の朝には、韓国の伝統色である赤・黄・青・黒・白の五色を使った韓紙の団扇づくり体験ができる。台紙に色紙を糊付けし、乾燥させてから縁を整える昔ながらの技法で、完成までに手間と時間がかかる伝統工芸だ。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2014-05-07 12:51:112026-07-31 21:57:27全羅北道ツアーその1

慶州2その2

2013-11-10
慶州観光のもうひとつの見どころが、日没後の東宮と月池(アンアプチ)、そして仏国寺・大王岩・慶州国立博物館という郊外エリアだ。日中に大陵苑や瞻星台をまわったなら、夕方以降はこちらのコースを組み合わせるとバランスの良い旅程になる。市街地の史跡が徒歩圏に集まっているのに対し、こちらは車移動が前提のエリアが多い点が特徴だ。 見どころ1:東宮と月池(アンアプチ)の夜景 統一新羅時代、王子が暮らした離宮の跡地で、かつては雁鴨池(アンアプチ)の名で親しまれてきたが、発掘調査の成果を受けて正式名称は「東宮と月池」に改められている。池に張り出すように復元された楼閣がライトアップされ、水面に映り込む姿は慶州を代表する夜景のひとつだ。日没後に訪れるのが定番で、月精橋とあわせて夜のコースに組み込む旅行者が多い。園内は1周20〜30分ほどで歩いてまわれる広さで、夜でも比較的安心して散策できる。 見どころ2:仏国寺(プルグクサ) 慶州を代表する寺院で、1995年にユネスコ世界文化遺産に登録された。石造りの階段や石塔など、新羅時代の高度な石造建築技術を随所で見ることができる。韓国では修学旅行の定番の訪問地でもあり、団体旅行の学生や、思い出の地を再訪する卒業生の姿もよく見かける。紅葉の季節は、境内の石造建築と紅葉のコントラストが特に美しい。 見どころ2.5:石窟庵(ソックラム) 仏国寺と同じくユネスコ世界文化遺産に登録されている石窟寺院で、山の中腹に位置する。花崗岩をくり抜いて造られた本尊仏(釈迦如来坐像)は、新羅の仏教美術を代表する傑作とされる。仏国寺からは車で20分ほど山道を登った場所にあり、あわせて訪れるのが定番のコースだ。ただし行楽シーズンや週末は道路が渋滞しやすく、時間帯によっては断念せざるを得ないこともある。 見どころ3:大王岩(文武大王陵) 慶州市街から車で30分ほど、感恩(カムン)洞の海沿いにある、新羅30代・文武王の海中陵とされる岩礁だ。文武王は、朝鮮半島を統一した新羅の王として知られ、「死してなお国を守る」という遺言に従い、遺骨を海に散骨したという伝説が残る。展望台から見る岩礁は、波が穏やかな時間帯であれば近くまで寄って眺めることができる。周辺は海鮮グルメの店も多い。 あわせて訪れたい:感恩寺址三層石塔 大王岩に向かう途中には「感恩寺址(カムンサジ)」もある。文武王の遺志を継いだ息子・神文王が、父の菩提を弔うために建立した寺の跡地で、現在は2基の三層石塔(国宝)だけが田園風景のなかに立っている。建物は残っていないが、その分、統一新羅初期の石塔建築の姿をそのまま伝える貴重な史跡として知られる。 見どころ4:慶州国立博物館 慶州一帯から出土した新羅時代の遺物を集めた博物館で、入館は無料(一部特別展を除く)。目玉は、古墳から出土した黄金の王冠だ。薄い金板を切り抜いて作られた新羅王冠は、当時の高度な金工技術を伝える代表的な文化財として知られる。石仏庵(ソックラム)とセットで訪れるのが定番だが、道路が混雑する行楽シーズンは博物館だけに絞るのも選択肢のひとつだ。 モデルコース 午前は仏国寺(時間と道路状況が許せば石窟庵も)、昼過ぎに感恩寺址と大王岩で海沿いの景色を楽しみ、夕方に慶州国立博物館、日没後に東宮と月池の夜景というのが、無理のない1日の流れだ。仏国寺・石窟庵・大王岩・感恩寺址はいずれも郊外にあり、公共交通機関だけでまわるのは難しいため、レンタカーかタクシーでの移動が現実的。前日に慶州市街の見どころをまわっているなら、この日は郊外エリアに専念すると効率が良い。 訪れるタイミング 石窟庵・大王岩は郊外にあるため天候の影響を受けやすく、雨の日は視界が悪くなる。晴天の日を選べるなら、午前中に石窟庵、午後に海沿いの大王岩というように、山と海を組み合わせるとメリハリのある旅程になる。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-11-10 21:29:142026-07-30 23:53:57慶州2その2

慶州その1

2013-11-10
慶州(キョンジュ)は、新羅千年の都だった古都で、日本でいえば奈良のような位置づけの街だ。紀元前後に建国された新羅は、935年に高麗に滅ぼされるまでこの地を都とし続けた。市内のあちこちに古墳や史跡が点在し、まるで街全体が屋根のない博物館のような趣がある。ソウルからKTXで日帰りも可能だが、見どころが多いので一泊二日でまわるのがおすすめだ。 新羅千年の歴史 新羅は朝鮮半島の三国(高句麗・百済・新羅)のひとつで、7世紀に唐と結んで百済・高句麗を滅ぼし、朝鮮半島の大部分を統一した。統一新羅の都として栄えた慶州には、当時の王宮や寺院、王陵が数多く残り、1979年には市街地一帯がユネスコの世界文化遺産に登録されている。 アクセス ソウル駅からKTXで新慶州駅まで約2時間。新慶州駅は慶州市街のはずれにあるため、市内へはバスやタクシーでの移動が必要になる。行楽シーズンの週末は混み合うので、時間に余裕を持って動きたい。 見どころ1:校洞村(キョドンマウル) 木造瓦葺きの伝統家屋が保存されている民俗村で、実際に人が暮らす街並みを歩いて見学できる。太鼓体験など、簡単な伝統文化体験ができる施設もある。村内には、朝鮮時代に「ノブレス・オブリージュ」を実践した資産家として知られる慶州崔(チェ)家の旧宅も残っており、当時の両班(貴族階級)の暮らしぶりを伝えている。また、キンパ(韓国海苔巻き)の行列店もあり、散策の合間に立ち寄る人が多い。 見どころ2:大陵苑(テルンウォン)と天馬塚 慶州市内には、土まんじゅうのような形をした新羅時代の古墳が点在しており、その集合地が大陵苑だ。なかでも天馬塚は、韓国で唯一、内部に入って見学できる古墳として知られる。副葬品のレプリカや、古墳の断面構造をそのまま見ることができる、慶州観光の定番スポットだ。 移動のコツ:レンタサイクル 慶州は史跡同士がほどよい距離に点在しているため、レンタサイクルでの移動が定番だ。大陵苑や瞻星台の周辺には貸自転車店が多く、電動アシスト自転車を扱う店もある。歩くには少し遠い距離も、自転車ならスムーズにまわれる。 見どころ3:瞻星台(チョムソンデ) 7世紀、新羅の善徳女王の時代に建てられたとされる、東洋最古の天文台だ。花崗岩を積み上げたシンプルな円筒形の姿ながら、当時の天文観測技術の高さを伝える史跡として、修学旅行の定番コースにもなっている。周辺は芝生の広場になっており、写真撮影スポットとしても人気だ。 瞻星台のすぐ近くには、新羅建国の始祖・朴赫居世(パク・ヒョッコセ)にまつわる伝説が残る「鶏林(ケリム)」という森もある。大陵苑・瞻星台とあわせて徒歩で回れる距離にあり、緑豊かな散策路として地元の人にも親しまれている。 見どころ4:月精橋(ウォルジョンギョ)の夜景 新羅時代の橋を復元した木造橋で、発掘調査をもとに2018年に両端の楼閣まで含めて完成した比較的新しい史跡だ。日没後はライトアップされ、川面に映る姿が美しいことから、慶州随一の夜景スポットとして人気がある。入場・駐車ともに無料で、開放時間は午前9時から午後10時まで。旅程に夜の時間帯を組み込めるなら、ぜひ訪れたい場所だ。 周辺スポット:皇理団길(ファンリダンギル) 大陵苑のすぐ外側に広がる「皇理団길」は、韓屋を改装したカフェや雑貨店が並ぶ、近年人気の通りだ。伝統的な街並みのなかに今どきの店が溶け込んでおり、史跡めぐりの合間に一休みするのにちょうど良い。夕方以降は、ライトアップされた大陵苑の塀沿いを散歩する人でにぎわう。 訪れるタイミング 春は桜、秋は紅葉と、季節ごとに古墳エリアの表情が変わるため、一年を通じて観光客が絶えない。日中は史跡めぐり、日没後は月精橋のライトアップというように、昼と夜で行き先を分けて組み立てるとメリハリのある旅程になる。 グルメ 校洞村周辺にはキンパの人気店のほか、伝統茶やお餅などの軽食を出す店も多い。慶州は観光都市らしく、市内中心部にも食堂やカフェが充実している。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-11-10 21:06:302026-07-30 23:50:25慶州その1

マッコリソムリエ体験で学ぶ、韓国の伝統酒の奥深さ

2013-10-15
マッコリというと安価な酒というイメージを…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-10-15 11:00:242026-07-28 22:00:07マッコリソムリエ体験で学ぶ、韓国の伝統酒の奥深さ

ひっつみ

2013-09-27
秋になると恋しくなる日本の郷土の味と、それによく似た韓国料理の話。東北地方の秋の味覚「芋の子汁」と「ひっつみ」、そして韓国のB級グルメ「スジェビ(수제비)」を紹介する。 芋の子汁(いものこじる) 「芋の子」は里芋の別称だ。河川敷など屋外で鍋を囲んで芋の子汁を食べる「芋煮会」は、山形県の秋の風物詩として広く知られている。山形のほか、岩手・秋田・宮城・福島・栃木といった地域でも定番の秋の味覚だ。地域によって「芋煮」「芋の子汁」「芋の子喰い」など呼び方が異なる。 材料は里芋、鶏肉か豚肉、ニンジン、ごぼう、大根、ネギなどの野菜。いずれもソウルで手に入る食材ばかりなので、韓国に住んでいても再現できる一品だ。 ひっつみ もうひとつの「ひっつみ」は、南部小麦の産地である旧南部領(現在の岩手県北部から青森県東部)の郷土料理。小麦粉を練って固めたものを手で「ひっつまんで」汁に投げ入れて作ることからこの名がついた。「とってなげ」とも呼ばれる。 韓国のスジェビ(수제비) ひっつみは地域限定の郷土料理のため、韓国で材料を揃えて再現するのは難しい。しかし、そっくりな料理が韓国にある。B級グルメとして親しまれている「スジェビ」だ。 スジェビも、小麦粉を練った生地を手でちぎって汁に入れて作る。出汁も具材もひっつみとはまったく異なるが、生地の食感や作り方の発想はよく似ている。ひっつみの代用として味わうと、どこか懐かしさを感じる一品だ。 韓国では雨の日にスジェビやチヂミを食べる習慣があり、街の食堂や市場の屋台で気軽に味わえる。ソウルなら在来市場の食堂で見かけることが多い。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/hittsumi-sujebi.jpg 213 320 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-09-27 09:48:212026-07-31 23:27:21ひっつみ

仁川チャイナタウン

2013-09-08
仁川チャイナタウンは、仁川駅前に広がる韓国最大級の中華街だ。1883年の仁川開港をきっかけに清国の租界(外国人居留地)が設けられ、移住してきた華僑たちが築いた街で、隣接する旧日本租界の近代建築とあわせて、韓国では珍しい多国籍な街並みが今も残っている。仁川駅から歩いてひと通りまわっても2時間ほどの規模で、ソウルから日帰りでも訪れやすい。 アクセス 最寄りは地下鉄1号線・仁川駅(1号線の終点にあたる駅)。駅を出るとすぐ「韓国鉄道発祥の碑」があり、道路を挟んだ向かい側がチャイナタウンの入口になる。ソウル市内からは1号線で1時間前後。仁川国際空港から向かう場合は、空港鉄道からの乗り継ぎが便利だ。終点駅ということもあり、平日の午前中など時間帯によっては比較的ゆったり見学しやすい。 街の成り立ち 開港当時に移り住んだ華僑の子孫は今も仁川に根を張っており、街には華僑の子どもたちが通う「仁川華僑中山学校」もある。租界制度自体はとうに廃止されているが、100年以上にわたって受け継がれてきた華僑文化が、街並みや食文化にそのまま息づいているのがこの街の特徴だ。中国大陸ではなく台湾系の華僑が多いことも、韓国の中華街ならではの特徴とされる。 見どころ1:韓国式ジャジャン麺発祥の地 韓国式ジャジャン麺(黒い甘辛ソースの焼きそば)は、このチャイナタウンで生まれたというのが定説だ。発祥の店とされる老舗「共和春」は1983年、華僑の財産権を制限する当時の政策の影響で閉店したが、その建物は2012年から「チャジャンミョン博物館」として公開されており、ジャジャンミョン誕生の歴史や当時の帳簿・食器などを見ることができる。なお、現在チャイナタウン内で営業している「共和春」は、この歴史ある店とは別の店舗なので混同しないよう注意したい。 見どころ2:旧日本租界の近代建築群 チャイナタウンのすぐ隣には、開港期に建てられた日本の銀行の旧支店建物が今も残る。 ・旧第一銀行仁川支店…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-09-08 20:40:542026-07-30 23:29:47仁川チャイナタウン

百済王朝の文化を訪ねて その2

2013-08-04
百済(ペクチェ)ゆかりの地をめぐるなら、扶余(プヨ)と公州(コンジュ)の2都市が定番だ。公州はかつて百済の都・熊津(ウンジン)が置かれた地で、475年から538年に扶余(泗沘)へ遷都するまでの間、百済の中心地だった。この記事では、百済文化団地と、公州の公山城・武寧王陵を紹介する。扶余の史跡や百済の歴史については別記事「百済王朝の文化を訪ねてその1」で扱っている。 見どころ1:百済文化団地 17年の歳月と約6900億ウォンを投じて再現された、百済の王宮や寺院を再現したテーマパークだ。当時の文献はほとんど残っていないため、中国・日本の史書や同時代の建造物をもとに、想像を交えて復元されている。厳密な史実の再現というよりは、和・韓・中の様式が入り混じった独特の空間で、一見の価値がある規模の大きさが魅力だ。 園内は、百済後期(泗沘時代)の王宮を再現した「泗沘宮」、寺院エリアの「陵寺」(5層の木塔が見どころ)、身分ごとの住居スタイルを再現した「生活文化村」、そして建国初期の王城を再現した「慰礼城」など、複数のエリアに分かれている。敷地が広いため、主要エリアだけ絞って見学するか、園内シャトルを利用するかを事前に決めておくと効率よくまわれる。 見どころ2:公山城 公州はかつて百済の都・熊津(ウンジン)が置かれた地で、公山城はその王城のひとつだ。朝鮮時代にも山城として使われ続けたため、城内には朝鮮時代の遺構も残っている。城壁沿いに歩くと公州市街を一望でき、四季を通じて眺めの良い散策コースとして親しまれている。 見どころ3:武寧王陵 武寧王陵の発見は、韓国考古学史でも屈指の劇的なエピソードとして知られる。1971年、隣接する古墳の排水工事中に偶然、王陵の入口を示す墓誌石が見つかり、それまで盗掘の被害に遭っていない状態で発掘された。百済25代・武寧王の墓とされ、朝鮮時代の王陵が土まんじゅうが並んでいるだけのことが多いのに対し、武寧王陵は複数の古墳が集まる古墳群のなかにあり、内部を忠実に再現した模型で、当時の墓室の構造や副葬品の配置を見ることができる。出土品の多くは国立公州博物館に収蔵されている。 見どころ4:国立公州博物館 武寧王陵から出土した副葬品の多くが収蔵されている博物館で、入館は無料。金製の冠飾りや耳飾り、中国製の陶磁器など、当時の百済が中国・日本と活発に交流していたことを示す出土品が並ぶ。武寧王陵の見学とあわせて訪れると、古墳の内部だけでは分からない副葬品の細部までじっくり見ることができる。 公州という地名の由来 公州には「熊津(ウンジン)」=「熊(クマ)の渡し場」という古い呼び名があり、これが現在の地名「公州(コンジュ)」の語源になったという説がある。錦江(クムガン)沿いには、この伝説にちなんだ「熊津渡し場公園」もあり、川沿いの散策スポットとして親しまれている。 アクセスとモデルコース 百済文化団地は扶余に、公山城・武寧王陵は公州にあり、両都市はバスや車で1時間弱の距離だ。公共交通機関のみでの移動はやや不便なため、レンタカーか現地発のバスツアーを利用する旅行者が多い。1日目に百済文化団地、2日目に公州の史跡をまわるように、2都市に分けて日程を組むと余裕を持ってまわれる。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-08-04 13:04:142026-07-30 23:59:59百済王朝の文化を訪ねて その2

百済王朝の文化を訪ねて その1

2013-08-04
扶余(プヨ)は、538年から660年の滅亡まで百済の都・泗沘(サビ)が置かれた地だ。日本と縁の深い古代国家・百済の歴史をたどれる史跡が集まっており、公州(コンジュ)とあわせてめぐるのが定番のコースになっている。 百済と日本の縁 百済は、中国東北部から南下した扶余族の兄弟が建てた国とされる。弟の温祚(オンジョ)が興した「十済」が繁栄し、のちに国名を「百済」に改めたと伝えられる。泗沘に遷都してまもなく、百済の聖王から日本に仏教が伝えられ、以後、百済と倭朝廷の交流が続いた。 660年、唐・新羅の連合軍によって百済の義慈王が捕らえられ、百済は滅亡する。このとき日本にいた百済王子・扶余豊璋を擁立して百済を復興しようと、倭朝廷は大軍を派遣したが、663年の白村江(はくすきのえ)の戦いで唐・新羅連合軍に大敗した。この敗北により、多くの百済の王族・貴族・技術者が日本に亡命し、当時の日本の律令制度や仏教文化の発展に大きな影響を与えたとされる。倭朝廷はその後、唐・新羅の脅威に対抗するため急ピッチで国家体制を整えていく。これが大宝律令(701年)へとつながる、日本古代史の大きな転換点でもある。 見どころ1:定林寺跡 百済泗沘時代を代表する寺院の跡地で、建物は残っていないが、当時のまま立つ五層石塔が見どころだ。隣接する定林寺址博物館では、発掘調査の成果や、かつての伽藍の様子を伝える展示を見ることができる。 見どころ2:扶蘇山城 百済最後の王城とされる山城で、山道を登りながら扶余市街を一望できる展望スポットが点在する。城内には、百済滅亡の際に王宮の女官3000人が身を投げたと伝わる「落花岩」もある。この逸話の真偽には諸説あるが、百済滅亡の悲劇を象徴する場所として語り継がれてきた。 見どころ3:宮南池 百済の王宮に付属していた庭園池を復元した史跡で、韓国最古の人工池のひとつとされる。「三国遺事」には、百済30代・武王(幼名:薯童=ソドン)が、この池のほとりで生まれたという伝説が記されている。薯童が新羅の善花公主に恋をし、機知に富んだ童謡を広めて公主を妻に迎えたという「薯童説話」は、韓国で広く知られる古代の恋物語だ。夏には池を埋め尽くすハスの花が咲き、扶余の夏の風物詩として知られる「薯童蓮꽃祝祭」の会場にもなる。四季を通じて散策コースとして親しまれている。 アクセス 扶余へは、ソウルの高速バスターミナルから直行バスで2時間半ほど。市内の見どころは、定林寺跡・扶蘇山城・宮南池のいずれも扶余邑内に集まっており、レンタサイクルや徒歩でまわることもできる。公州とは車で40分ほどの距離で、あわせて1泊2日でまわる旅行者が多い。 年表:百済滅亡前後の日本 百済滅亡から大宝律令制定までの日本史は、この時代の東アジア情勢と深く連動している。 593年 十七条憲法(聖徳太子) 645年 大化の改新(中大兄皇子) 660年 百済滅亡 663年 白村江の戦い(扶余豊璋・中大兄皇子) 681年 律令の制定に着手(天武天皇) 689年 飛鳥浄御原令(持統天皇) 701年 大宝律令 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2022/10/cropped-Benri_favicon-1.png 512 512 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-08-04 11:52:372026-07-31 00:06:03百済王朝の文化を訪ねて その1

江南・三成洞のスポット

2013-07-14
江南(カンナム)・三成洞(サムソンドン)エリアは、COEXモールを中心に、カジノや水族館など、家族連れからカップルまで楽しめる屋内型の観光スポットが集まっている。天候に左右されにくいのも利点で、雨の日の旅程にも組み込みやすい。 見どころ1:セブンラックカジノ江南コエックス店 外国人専用のカジノで、パスポートの提示があれば韓国人以外は誰でも入場できる。3フロアにわたる広いフロアに、テーブルゲームとマシンゲームをあわせて200台以上を備え、COEXという立地から、ホテルや免税店、シネマコンプレックスと合わせて訪れる観光客も多い。VIPルームにはバカラ・ルーレット・ブラックジャックなどのテーブルがあり、マッサージチェアなどの設備も備える。バカラはルールがやや複雑なため、初めての場合はブラックジャックなど分かりやすいゲームから試すのもひとつの方法だ。 見どころ2:COEXアクアリウム COEXモールの地下にある大型水族館で、川魚から世界各地の海の生き物まで、幅広い水槽展示を楽しめる。館内は40近いテーマゾーンに分かれており、アマゾンの熱帯魚エリアから、サメが泳ぐ大水槽、幻想的なライトアップが施されたクラゲ(ジェリーフィッシュ)ゾーンまで、変化に富んだ構成になっている。じっくりまわると1時間半〜2時間ほどかかる規模で、写真映えするエリアも多いことから、雨天時や猛暑・厳寒期の観光先としても人気がある。 周辺エリア:COEXモールと星の広場図書館 アクアリウムとカジノがあるCOEXモールには、ショッピングフロアやシネマコンプレックスも入っており、1日中滞在しても飽きない複合施設になっている。なかでも「星の広場(ピョルマダン)図書館」は、吹き抜けの壁一面に本棚が並ぶ開放的な空間で、2017年のオープン以来、ソウルを代表する写真映えスポットのひとつになっている。入場は無料で、毎日10時30分から22時まで開いている。 アクセス 地下鉄2号線・三成駅、または9号線・奉恩寺駅からCOEXモールへ直結。江南エリアの中心部からも近く、ソウル市内観光の合間に立ち寄りやすい立地だ。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2013/03/IMG_2751.jpg 600 800 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-07-14 16:32:202026-07-31 00:12:17江南・三成洞のスポット

仁寺洞から楽園商街

2013-06-23
仁寺洞(インサドン)をひと通り歩いたら、少し足を延ばして「楽園商街」まで散策するのもおすすめだ。骨董品街とは違う、韓国ならではの専門店街の雰囲気を味わえる。 仁寺洞:韓紙や書道具の店 仁寺洞には骨董品店だけでなく、韓紙(韓国の伝統的な和紙)を扱う店や、筆・墨などの書道具を専門に扱う店も点在する。古くからの伝統と、今どきの雑貨店が混在しているのが仁寺洞らしさで、何度訪れても新しい発見がある街だ。 見どころ:楽園商街の楽器街 仁寺洞を南へ抜け、大きな交差点を過ぎたあたりに立つのが「楽園商街」だ。建物の1階を道路が貫通するピロティ構造が特徴で、2階・3階に楽器専門店が集まっている。2階はギター専門店が中心で、よく見るとバイオリンや音響機器、ドラムを専門に扱う店もある。3階はピアノをはじめ、さまざまな楽器店が集まる。音楽好きにとっては、見て歩くだけでも楽しい一角だ。周辺にはトック(韓国餅)を売る店も点在する。 グルメ:韓定食の路地 楽園商街から仁寺洞方面に戻り、安国駅の方向へ歩く途中、大通りに出る少し手前の路地を入ると、伝統的な建物の韓定食店が並ぶ一角がある。伝統的なしつらえの店内で、家庭料理をベースにした韓定食を手軽に楽しめる。 モデルコース 曹渓寺での参拝から仁寺洞の散策、楽園商街の楽器街めぐりまでを含めると、半日コースになるボリューム感だ。音楽や楽器に興味がある同行者がいれば、楽園商街もぜひコースに組み込みたい。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2013/03/insa-122.jpg 600 800 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-06-23 13:00:162026-07-31 00:30:08仁寺洞から楽園商街

曹渓寺から仁寺洞

2013-06-22
ソウルの中心部で半日ほど散策するなら、鐘閣(チョンガク)駅からほど近い曹渓寺(チョゲサ)と仁寺洞(インサドン)のコースがおすすめだ。徒歩で無理なくまわれる距離にあり、寺院・伝統文化・骨董品街と、異なる魅力を一度に楽しめる。家族や友人と半日だけ時間があるときにも組みやすい、ソウル定番の散策コースだ。 見どころ1:曹渓寺 大韓仏教曹渓宗の総本山で、ソウル中心部にありながら常に多くの参拝者でにぎわう寺院だ。本殿には釈迦仏・薬師仏・阿弥陀仏が安置されており、参拝の後は境内の売店に立ち寄る人も多い。売店では、湯を使わず水で長時間かけて抽出する「ダッチコーヒー(水出しコーヒー)」を扱っており、まろやかな味わいが人気だ。鐘閣駅・安国駅のどちらからも徒歩圏内で、日本大使館領事部からも近い立地にある。 見どころ2:仁寺洞 骨董品店が軒を連ねる通りとして知られ、外国人観光客でにぎわうソウル屈指の観光エリアだ。表通りには土産物店やカフェが並ぶ一方、一本路地を入ると、古美術品や書画を扱う昔ながらの店が今も営業を続けている。伝統と今どきの店が入り混じった独特の雰囲気が仁寺洞の魅力だ。 モデルコース まず曹渓寺で参拝し、境内の売店で一休みしてから仁寺洞へ。表通りだけでなく、脇道にも足を延ばすと、また違った表情の仁寺洞に出会える。仁寺洞から先に足を延ばす場合は、韓紙店や楽器街が集まる「楽園商街」もあわせて訪れるのがおすすめだ(別記事で紹介)。曹渓寺での参拝から仁寺洞の散策まで含めて、半日あれば無理なくまわれるボリューム感だ。 アクセス 曹渓寺の最寄り駅は地下鉄1号線・鐘閣駅、または3号線・安国駅。仁寺洞は両駅のちょうど中間あたりに位置し、徒歩でつながっている。 よくある質問 Q.…
https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2013/03/DSC_3091.jpg 543 724 外信記者・佐々木和義 https://koreabenri.com/wp-content/uploads/2026/07/koreabenri_logo.png 外信記者・佐々木和義2013-06-22 16:54:482026-07-31 00:21:33曹渓寺から仁寺洞
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