旧ソウル駅舎(文化駅ソウル284)── 1925年竣工の赤レンガ駅舎
ソウル駅前に建つ赤レンガの建物は、1925年に竣工した旧ソウル駅舎(旧・京城駅舎)です。設計したのは東京帝国大学教授の塚本靖。2003年に駅としての役割を終えたあと、2011年から「文化駅ソウル284」という名前の展示施設として公開されており、入場は無料です。ソウル駅の目の前にあるので、空港鉄道やKTXの乗り換えの合間にも立ち寄れます。
目次
いま行くと何が見られるか
建物の内部は、開業当時の姿に復元されたうえで展示空間として使われています。1階の待合室だった大空間、2階の貴賓室や食堂といった部屋がそのまま残っており、企画展の会場として公開されます。建物そのものが展示物である、という見方がいちばん近いでしょう。
| 入場料 | 無料 |
|---|---|
| 開館時間 | 11:00〜19:00(入場は閉館30分前まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日 |
| 住所 | ソウル特別市中区統一路1 ソウル駅(本屋)文化駅ソウル284 |
| 電話 | 02-3407-3500 |
訪問前に必ず公式サイトで開催中の展示を確認してください。ここは常設展示のある博物館ではなく、企画展ごとに開いたり閉じたりする施設です。展示や行事がない期間は休館になりますし、開館時間も展示によって変わります(10:00〜18:00で運営される会期もあります)。「ソウル駅前まで来たのに閉まっていた」という空振りは、この確認だけで防げます。
行き方は難しくありません。地下鉄1号線・4号線、空港鉄道、京義中央線のいずれもソウル駅で降り、駅舎の外に出て新駅舎の北側に回れば、赤レンガの建物がすぐ目に入ります。予約制の「空間ツアー」プログラムが別途組まれることもあります。
設計は東京帝国大学教授・塚本靖
この駅舎を設計したのは、当時東京帝国大学の教授だった塚本靖です。工事は1922年6月に始まり、当初は1924年の完成予定でした。しかし1923年の関東大震災の影響で資材や人員の手当てが滞り、工期が延びて1925年9月30日の竣工となります。営業開始は同年10月15日でした。
完成した駅舎は、当時、東京駅に次ぐ規模を持つ駅舎として知られました。ソウル駅前に立って建物を眺めると、鉄道の起点にこれだけの建築を置いたという当時の位置づけが、規模から伝わってきます。
建物のつくり ── ビザンチン風のドームと半円アーチ
構造は鉄筋コンクリートにレンガを組んだもので、屋根は鉄骨造。仕上げには天然スレートと銅板が使われています。外観の特徴は、中央に載るビザンチン風のドームと、壁面に並ぶ半円アーチの窓です。
規模は地上2階・地下1階、延床面積6,631平方メートル。1階に待合室、2階に貴賓室と食堂、地下に駅事務室が置かれていました。ドーム側面の窓からホームへ自然光を落とす設計など、当時の意匠が随所に残っています。
南大門駅から京城駅、そしてソウル駅へ
この場所の駅名は三度変わっています。順を追うと分かりやすくなります。
- 1899年 ── 韓国初の鉄道として、京仁線が仁川-鷺梁津間で開通
- 1900年 ── 漢江の橋梁が完成してソウル都心まで延伸し、南大門駅が開業
- 1923年1月1日 ── 南大門駅が京城駅に改称
- 1925年9月30日 ── 現在も残る赤レンガの駅舎が竣工
- 1947年11月1日 ── 京城駅からソウル駅に改称
なお「京城駅」という駅名は、1905年まで別の場所にあった駅が名乗っていたことがあり(のちの西大門駅)、この建物の駅名とは別物です。年表を読むときに混同しやすい点です。
駅舎から文化施設へ ── 「284」の意味
施設名の「284」は、この建物が史跡第284号に指定されていることに由来します。指定は1981年です。
KTX開業を控えた2003年、駅舎の南側にガラス張りの新駅舎が完成し、赤レンガの旧駅舎は現役の駅としての役目を終えました。その後、所有は韓国鉄道公社から文化財庁(現・国家遺産庁)へ、さらに文化体育観光部へと移されます。復元工事を経て2011年8月9日、複合文化空間「文化駅ソウル284」として一般に公開されました。
そして2017年11月28日からは、京義・中央線の駅舎機能がこの建物に移っています。展示施設でありながら、いまも一部は現役の駅として使われているわけです。
よくある質問
入場料はかかりますか
無料です。ただし企画展によって開館時間が変わることがあり、展示や行事のない期間は休館になります。訪問前に公式サイトで会期を確認してください。
旧ソウル駅舎の設計者は誰ですか
東京帝国大学教授の塚本靖です。1922年6月に着工し、関東大震災で工期が延びたため、竣工は1925年9月30日となりました。
いまの新しいソウル駅とは別の建物ですか
別の建物です。現在の駅機能は2003年にできたガラス張りの新駅舎にあり、赤レンガの旧駅舎はその北側に建っています。歩いてすぐの距離です。
写真撮影はできますか
展示によって撮影の可否や条件が異なります。会場の掲示や公式サイトの案内に従ってください。
どのくらい時間がかかりますか
企画展の規模によりますが、建物を一巡りするだけなら30分から1時間ほどが目安です。ソウル駅前という立地なので、列車やバスの待ち時間に合わせて組み込みやすい場所です。



