日韓スワップ再開? その2
- 2016/11/12
- 韓国ビジネス
韓国政府がここにきて提案したのは、中国との関係でしょう。
韓国の通貨スワップは、約半分が中国元で、表向きは中国の景気の鈍化と中国元安の懸念ですが、政治問題がありそうです。
北朝鮮の軍事行動が増えたことで韓国国防省と在韓米軍は、2016年7月に、米最新鋭ミサイル防衛システム「THAAD」の在韓米軍への配備を決定していますが、中国はこの韓国内へのTHAAD配置に反対しています。
韓国と中国の通貨スワップは2017年10月に満期を迎え、延長には合意していますが、THAADへの反発で、中国が金額を減らす可能性があります。
ちなみに、2015年の韓国の日本向け輸出は255億7700万ドルで、多くが米ドルまたはウォン決済。
一方、日本の韓国向け輸出は458億5400万ドルで、米ドルまたは円決済が大半。韓国が外貨不足に陥れば、日本企業が受け取るドルや円が少なくなる懸念があります。
日韓スワップが、米ドルーウォンではなく、円ーウォンになれば、いざというときに日本企業を救済する制度という要素が深まりそうです。
韓国は米ドルのスワップを望んでいますが、アメリカが協議する応じる気配はありません。
日韓両政府は、通貨スワップ取極について議論を開始することに合意しただけで、時期(スタートと期限)、通貨、上限など、具体的には何も決まっていません。
日韓スワップ再開の是非に関心が集まっていますが、通貨はどうなるかも興味深いところです。