順天と麗水
韓半島の南端に位置する順天(スンチョン)と麗水(ヨス)は、夏の旅行先として狙い目のエリアだ。海といえば済州島を思い浮かべがちだが、夏の済州は航空券もホテルも混み合う。ソウル・龍山駅からKTXで順天まで約3時間20分、麗水まで約3時間40分と、少し足を延ばすだけで混雑を避けた旅ができる。
順天湾湿地(順天湾自然生態公園)
ラムサール条約に登録された水鳥の楽園で、順天観光の一番の目玉だ。広大な湿地帯には自然を傷めないよう木道が整備され、その上を歩いて見学する。橋の下ではムツゴロウやカニを間近に観察できる。
一番奥の龍山(ヨンサン)展望台からは、湾全体を一望できる。全羅南道や順天市の観光ポスターに使われている順天湾の写真は、この展望台からの眺めだ。公園入口から展望台までは片道1時間半ほどかかるが、それだけの価値がある光景が待っている。湿地部分だけなら30分ほどでもまわれるので、体力や時間に応じてコースを選びたい。

楽安邑城(ナガンウプソン)民俗村
順天郊外にある、朝鮮時代の街並みがそのまま残る民俗村。城壁の内側では現在も住民が実際に生活している。見学は通年可能だが、夏ならではの楽しみ方が朝鮮時代の農家に泊まる民泊体験だ。宿泊者は村内の食堂で食事をとり、観光客が帰ったあとの静かな邑城や、朝の空気のなかの街並みを味わえる。

麗水:鎮南館(チンナムグァン)
麗水を代表する史跡で、文禄・慶長の役の際に李舜臣(イ・スンシン)が指揮を執った場所に建つ。役のあと焼失し、1718年に再建された。国内最大規模の単層木造建築として国宝に指定されている。
2015年12月から大規模な解体・保守工事が行われていたが、約10年をかけて2025年5月30日に一般公開が再開された。総事業費195億ウォンを投じ、柱を当初の姿である70本に復元し、屋根瓦約5万4千枚を伝統工法で葺き直すなど、日本統治期以前の原形復元に重点が置かれている。長く工事中だったため古い情報では「見学不可」となっていることがあるが、現在は問題なく見学できる。

麗水:梧桐島(オドンド)
橋で陸地とつながっている島で、歩いて渡ることができる。椿の名所として知られ、海沿いの散策路が整備されている。麗水は2012年に万博が開催された都市でもあり、その跡地周辺も整備されている。

グルメ:麗水の鱧(ハモ)
麗水は鱧の産地として知られる。京都の夏に欠かせない食材である鱧だが、麗水で獲れる鱧の多くは日本向けに輸出されているという。産地で味わう鱧は、旅の目的のひとつになり得る。

よくある質問
Q. ソウルからのアクセスは?
A. 龍山駅からKTXで順天まで約3時間20分、麗水まで約3時間40分。
Q. 順天湾の見学時間は?
A. 湿地部分だけなら30分程度、龍山展望台まで往復すると3時間ほどみておきたい。
Q. 鎮南館は見学できる?
A. 約10年の解体保守工事を終え、2025年5月に一般公開が再開された。
