ソウル日本人学校とスクールバス ― 子どもの通学で住む場所が決まる理由【2026年版】
子どもを帯同する駐在員にとって、住む場所を決めるのは実質的に通学手段である。ソウル日本人学校に通う方法は二つしかなく、そのうちスクールバスが発着するのは東部二村洞だけだからだ。半世紀にわたって日本人がこのエリアに集まり続けている、いちばん現実的な理由がこれである。
ソウル日本人学校はどこにあるか
学校があるのは麻浦区・上岩洞(サンアムドン)のDMC地区で、東部二村洞からは漢江を挟んで北西にあたる。放送局やIT企業が集まる新しい街区である。
ここで取り違えやすいのが行政区だ。学校は麻浦区にあるが、麻浦の中心部(孔徳など)から通学する手段はない。同じ区内でもスクールバスの発着地は東部二村洞だけなので、「麻浦区に住めば学校が近い」とはならない。
通学手段は二つしかない
- 上岩洞の学校まで保護者が送迎する
- 東部二村洞から発着するスクールバスに乗る
この二択である。そのため「毎日送迎できるか」が住む場所の条件になる。実際には、離れた場所に住みながら毎朝東部二村洞のバス乗り場まで子どもを送っていく家庭もある。それでも通えるが、負担は小さくない。
だから東部二村洞に集まる
携帯電話がなかった時代、東部二村洞が選ばれた理由は南山から発信される無線が届くことだった。その事情はとうに解消し、日本人の居住地はソウル各地に分散している。
それでも学齢期の子どもがいる世帯だけは東部二村洞に集まり続けている。理由が「電波」から「通学」に入れ替わったわけである。経緯は東部二村洞はなぜ日本人の街になったのかで詳しく整理している。
日本人を受け入れる幼稚園も同エリアにあるため、幼稚園児から中学生までを帯同する世帯がここに重なる。
上岩洞の近くに住む選択肢はあるか
徒歩通学圏である上岩洞周辺に住めば送迎もバスも要らない。ただしそこから通勤しやすい日系企業は限られる。日系企業の事務所は市庁・乙支路・江南・汝矣島に集中しており、上岩洞からだと通勤方向が合わないことが多い。
結果として、親の通勤と子の通学の両方が成り立つ場所を探すと、東部二村洞が有力な選択肢として残る。単身赴任や子どもがいない世帯であればこの制約はないため、選べるエリアはぐっと広がる。
ちなみに ── 「東部二村洞」という地名はない
正確にいえば、東部二村洞という行政上の地名は存在しない。二村洞は二村1洞と二村2洞に分かれており、二村1洞の通称が東部二村洞、二村2洞が西部二村洞である。
住宅地として人気が出たのは交通の整備が大きい。1978年に京元線(現・京義中央線)の駅ができ、1985年には地下鉄4号線も開通した。現在の二村駅はこの2路線が使える。
よくある質問
Q. ソウル日本人学校はどこにありますか。
A. 麻浦区・上岩洞のDMC地区にあります。東部二村洞からは漢江を渡って北西の方向です。
Q. スクールバスはどこから出ていますか。
A. 東部二村洞が唯一の発着地です。学校と同じ麻浦区であっても、孔徳など他の地域からバスに乗ることはできません。
Q. 東部二村洞以外に住むと通学できませんか。
A. 通学は可能ですが、保護者が上岩洞の学校まで送迎するか、東部二村洞のバス乗り場まで毎日送ることになります。離れた場所から送迎している家庭もありますが、負担は大きくなります。
Q. 学校の近く(上岩洞)に住むのはどうですか。
A. 徒歩通学圏なので通学は楽になります。ただし上岩洞から通勤しやすい日系企業は限られるため、親の勤務先との兼ね合いで判断してください。
Q. 子どもがいない場合もこのエリアを選ぶべきですか。
A. その必要はありません。通学の制約がなければ選択肢は広がります。エリアごとの特徴はソウルで日本人が多く住むエリアを参考にしてください。
