日韓の印刷比較 その2
- 2012/12/6
- 日本語・印刷
日本の総合印刷会社は、顧客の要望に応えるため、印刷用紙の在庫を抱えています。
上質紙やコート紙、アート紙、色上質紙など、さまざまな紙質や厚さの紙を取り揃えています。印刷用紙以外にも、フィルムや刷版なども在庫しています。
ソウルの印刷団地には用紙問屋もあります。
注文すれば、すぐに届けられるので、在庫を持つ必要はありません。
言い方を替えれば、在庫するスペースも必要ありません。
建物と設備、それと100%稼働に備えたスタッフの人件費、印刷用紙などの在庫を抱えています。
すべての機器が限りなく100%に近い稼働だと、余剰設備も余剰在庫もなくなり、コストは下がるのですが、いまの時代、100%稼働というのは滅多になく、そのコストも発注価格に上乗せされています。
韓国の印刷会社は、各工程が完全分業の独立採算で、しかも専門特化しているので、稼働率は高くなります。
また、在庫を持つ必要がないので、大きい建物は必要ありません。
建物は必要なく、余剰機器も余剰人員も不要のため、コストをギリギリまで下げることができますし、Aグループが、BグループやCグループに発注することもありえることから、競争原理も働きます。
さらに、代金は前払いか納品時決済が一般的で、代金回収リスクもありません。
ただし、品質に関しては注意が必要です。
全般的に良くなってはいるのですが、値段が安いかわりに、仕上がりがよくない業者があることも事実です。
どこが安くて、品質が良いかを見分けることは困難です。
見極める方法は現場を見に行くか、経験しかありません。