広告業界 ハウスエージェンシー

ハウスエージェンシーと呼ばれている広告会社があります。
企業グループに属し、親会社の広告宣伝を扱う広告会社です。
韓国のSamsung、現代、ロッテなど財閥系企業は、グループ内にハウスエージェンシーをもっています。

ハウスエージェンシーは、鉄道会社系のように、もともと親会社である鉄道広告の管理からスタートした会社もあれば、代理店手数料を目的としてスタートした会社もあります。
広告の出稿が多い会社や企業グループは、その手数料もバカになりません。

近頃の広告会社は、広告の取り扱いだけではなく、スポンサー企業のマーケティング戦略会議にもメンバーとして参画しています。
同じ企業グループに属すハウスエージェンシーは、機密が漏洩する心配が少ないメリットがあります。
韓国でハウスエージェンシーが多い理由のひとつかもしれません。

欧米の広告業界では「一業種一社制」の原則があります。
マクドナルドの広告を扱う会社は、他のハンバーガーチェーンの広告は扱いません。
「広告代理店が競合社の製品の購買も促進する」という矛盾が生まれないためですが、マーケティング戦略に深く関わるので、機密漏洩を回避するためでもあります。

例外が、日本と韓国です。
たとえばSamsungのハウスエージェンシーはLGの広告は扱いませんが、ハウスエージェンシーではない広告会社だと、同じ広告会社がトヨタとホンダの広告を扱うなど、1つの広告会社が競合社の広告を扱うことも珍しくありません。

大手の広告会社には、大口スポンサーの専門チームがあるので、漏洩の心配はありませんが、中小の広告会社のなかには、企業モラルとして競合社の仕事を受けない会社もあります。
不動産や求人など、専門に特化している広告会社は、当然ながら、同業の広告を多く扱っています。

また、欧米ではマーケティング戦略を企画し、また、広告制作を担当するPR会社と広告媒体を扱う広告代理店は別というのが一般的です。
一方で、日本と韓国は、広告会社がマーケティング戦略から広告制作、広告媒体の手配まで、一括で扱う特徴があります。

kazNewsweek記者

投稿者プロフィール

広告プランナー兼フォトグラファー。広告印刷とWEBプランニングに従事して早20年。日系企業の韓国ビジネスに詳しい。韓国経済や社会文化情報の発信を行い、外国人生活モニターとしてソウル市に改善提案を行っている。
週末には日韓米豪いろんな国の人たちと趣味の音楽を愉しんだり、カメラ片手にソウルや近隣をここかしこ徘徊したりしています。

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