価格と品質その3
- 2014/7/1
- 韓国ビジネス
対応・サービスは良くないけど味が良い店。
どちらが良いでしょうか。
日本人は良い接客をサービスと考え、韓国人はモノをサービスと考える傾向がありますが、商売におけるサービスとは「適正な対価と引き替えに提供する付加価値」です。
ファーストフードのメニューにあるスマイル0円などは原価がかかりませんが、モノであれば提供する側に経費が生じます。
適正な対価を伴わないサービスには限界があり、知らぬ間に価格に転嫁されたり、また、従業員の待遇に転嫁されることも珍しくありません。
最近のニュースによると、日本のある飲食チェーン店が、新メニューで増加したコストを圧縮するため夜間のアルバイトを減らしました。
負担が増えたことから辞めていったアルバイトの補充が間に合わず、休業に追い込まれた店舗が相当数になりました。
サービス向上のはずのメニューのしわ寄せで、とんだ結果になったのです。
韓国でも収益圧迫によるしわ寄せは、ときとして従業員に行きます。
顧客第一の日本では、待遇への不満は会社―直接の上司や同僚にぶつける傾向があります。
社長第一の韓国では、待遇への不満はときとして、接客態度にあらわれます。
はじめの質問にある「味はそれなりだけど、対応・サービスが良い店」と「対応・サービスは良くないけど、味が良い店」を比べると、対応・サービスが良い店の方が好まれる傾向があり、接客態度が悪い店は、ますます客が離れてしまって待遇が悪化し、接客がさらに悪くなる悪循環に陥りがちです。
適正な対価を伴わないサービスは、どこかにしわ寄せがいきかねません。
接客態度であれば、売上げに影響します。
安全など本業にしわ寄せがいってしまうと取り返しがつきません。
サービスを提供する側はもちろん、受ける側も注意したいものです。