韓国の公共交通・料金ガイド〜交通カードと乗り換え割引
韓国の公共交通は交通カード1枚で地下鉄・バスを乗り継げるのが最大の特徴だ。ソウルの地下鉄はカード利用で基本1,550ウォン、市内バスは1,500ウォンで、乗り換えは一定回数まで追加運賃がかからない。ここでは運賃の目安、乗り換え割引の仕組み、定期券の選択肢を整理する。
まずは交通カードを用意する
韓国で公共交通を使うなら、交通カード(T-moneyなど)の入手が最初の一歩になる。コンビニや地下鉄駅の窓口・自動販売機で購入でき、現金でチャージして使う。
紙の乗車券では地下鉄とバスの乗り換え割引が適用されない。乗り換えるたびに基本運賃が再び発生するため、2区間以上乗るなら交通カードのほうが確実に安くなる。近年はスマートフォンの交通カード機能やクレジットカードのタッチ決済に対応する路線も広がっているが、対応状況は事業者によって差があるので、滞在中の移動が多いなら実体カードを1枚持っておくと安心だ。
運賃の目安(2026年8月時点)
・ソウルの地下鉄:カード利用で基本1,550ウォン(10km以下、現金1,650ウォン)。2025年6月28日から適用
・ソウルの市内バス:カード利用で基本1,500ウォン
・いずれも距離に応じて加算される区間制
地下鉄・バスとも運賃は改定されることがあるため、長期滞在の予算を組む際は最新の告知を確認したい。都市によって運賃体系や事業者が異なる点にも注意が必要だ。
バスは種類によって運賃が違う
「市内バス1,500ウォン」は幹線・支線バスの運賃だ。ソウルのバスは役割ごとに種類が分かれていて、運賃もそれぞれ違う。とくに広域バスは幹線バスの倍、マウルバス(町内を回る小型バス)は2割安いので、同じ「バス」と思って乗ると差が出る。
| 種類 | 一般 | 青少年 | 子ども |
|---|---|---|---|
| 幹線・支線バス | 1,500 | 900(現金1,000) | 550 |
| 循環バス | 1,400 | 800 | 500 |
| マウルバス | 1,200 | 600 | 400 |
| 深夜バス | 2,500 | 1,600(現金1,800) | 1,400 |
| 広域バス | 3,000 | 1,700(現金1,800) | 1,500 |
単位はウォン、交通カード利用時の運賃。2023年8月12日の改定分が現在も適用されている。青少年は満13〜18歳、子どもは満6〜12歳が対象だ。
もうひとつ知っておくと得なのが早朝割引で、始発から朝6時30分までに最初の乗車をすると基本運賃が20%引きになる。地下鉄・バス共通の制度で、交通カード利用が条件だ。
乗り換え割引のしくみ
首都圏では地下鉄とバスが統合された運賃体系になっており、交通カードで乗り継げば最大4回まで追加の基本運賃がかからない。5回目の乗り換えから新たに基本運賃が発生する。
重要なのは降車時も必ずカードをタッチすることだ。バスで降車時のタッチを忘れると乗り換え割引が適用されず、次の乗車で基本運賃を取られることになる。地下鉄の改札を出るときも同様で、乗車記録が正しく残っていることが割引の前提になる。
定期券・割引制度は2026年9月に切り替わる
ソウルの交通定期券は2026年9月1日に制度が入れ替わる。滞在期間によって影響がまったく違うので、自分がどちらに当たるかを先に確かめたい。
旅行などの短期滞在なら、これまでどおり「気候同行カード」の短期券が使える。1日券5,000ウォン、2日券8,000ウォン、3日券10,000ウォン、5日券15,000ウォン、7日券20,000ウォンで、期間中はソウル地域の地下鉄・バスが乗り放題になる。短期券(1・2・3・5・7日券)は制度変更後も従来どおり継続するとソウル市が明言している。
一方、在住者が使ってきた30日券は終了する。チャージは2026年8月31日まで、利用は先払い式が9月29日まで、後払い式が9月30日まで。10月1日で運営終了となる。
代わりに9月1日から始まるのが「気候同行パス」で、政府の「モドゥエカード(K-パス)」を土台にしたソウル版だ。月62,000ウォンを基準に有利なほうが自動で適用され、基準額に届かなければ利用額の一定率が還付され(一般20%、青年30%)、基準額を超えればその月は62,000ウォンの負担で収まる。満19〜39歳の青年は55,000ウォンが基準になる。「先に買い切る定期券」から「使った分に応じて後から調整される」形に変わる、と理解しておけばよい。
都市間の移動:KTXと高速バス
地方都市への移動は高速鉄道KTXと高速バスが二本柱になる。KTXはソウル-釜山を最短2時間台で結び、高速バスは本数が多く運賃が抑えられているのが強みだ。
ソウルには高速バスターミナル、南部ターミナル、東ソウルバスターミナルがあり、行き先によって発着ターミナルが異なる。同じ目的地でも複数のターミナルから便が出ていることがあるため、予約時に発着地を取り違えないよう確認したい。鉄道が通っていない地域へは、バスが実質的に唯一の公共交通手段になることも多い。
地下鉄で迷わないために
ソウルの地下鉄には、路線によって左側通行と右側通行が混在しているという特徴がある。対面式ホームの駅では改札口が方向別に分かれていることが多く、間違えると一度改札を出て入り直すことになる。この見分け方は別記事で詳しく扱っている。
よくある質問
Q. 交通カードは必ず必要?
A. 紙の乗車券では乗り換え割引が適用されず、乗り換えるたびに基本運賃がかかる。2区間以上乗るなら交通カードのほうが安い。
Q. 乗り換えは何回まで無料?
A. 首都圏の統合運賃制では最大4回まで。5回目の乗り換えから新たに基本運賃が発生する。
Q. バスを降りるときもタッチが必要?
A. 必要だ。降車時のタッチを忘れると乗り換え割引が適用されない。
Q. 定期券はある?
A. 短期滞在なら「気候同行カード」の短期券(1日5,000ウォン〜7日20,000ウォン)が引き続き使える。在住者向けの30日券は2026年8月31日でチャージ終了となり、9月1日から「気候同行パス」(月62,000ウォンを基準にした還付方式)に切り替わる。
Q. 地方都市へはどう行く?
A. KTXと高速バスが中心。ソウルには発着ターミナルが複数あるため、予約時に発着地を確認したい。


