進出形態
韓国への進出形態は、法律上、現地法人、支店、連絡事務所の3種類となっています。現地法人は、その名の通り、会社設立です。外国人投資企業として登録すると、査証の取得や地域によっては税制優遇もあります。外国人投資企業の最低投資額は、いまは1億KRWですが、今年、2013年に3億Wに引き上げられることになっています。支店はいうまでもなく、出先の営業拠点で、出先の営業拠点には、支社、支店、営業所がありますが、いずれも、法律上は、支店となります。連絡事務所は、事業を営んで収益を上げることはできません。業務は情報収集や代理店サポートなどとなります。法律上は、この3つですが、実際の進出形態は100%、0%、JVの3つのパターンでしょう。100%の場合は、すべての人材や販路を独自に開拓する必要があります。立ち上げ当初は、販売等のリスクがありますが、運営や販売方針を自社の裁量で決められます。進出形態は、現地法人か支店となります。まずは、支店を設立して、規模が拡大したら法人にする方法もありますが、現地法人にしか認められていない事業もあります。0%とは、代理店にお任せする形態です。運営や販売方針は、代理店次第です。スタート時点では、マニュアルに従っていても、次第にかわってくることは、よくあります。なかには、思いっきり方針がかわってしまい、提携を解除した例もあります。業種によっては、代理店が複数のこともあるでしょう。連絡事務所を設置して、代理店をサポートする人員を置いている企業もあります。JVには、日本側が少数となるケース、50%—50%、日本側が過半を持つケースがあります。JVは、販路、人材などをJV相手が用意してくれるので、初期リスクを軽減できるメリットがあります。ただし、運営や販売方針に関して、JVの意向も加味しなければならないので、すべてにおいて自由意志で運営することができません。日本社の方針や意向をどこまで実現できるかは、JV先次第です。…
クラウドサービス その2
先々週の続きDropboxなどのクラウドサービスが注目を浴びています。クラウドサービスというのは、インターネット上にあるサーバで、インターネットで繋ぐ外付けHDD(ハードディスク)をイメージするとわかりやすいでしょう。インターネット上にあるHDDですから、インターネットに繋がっていれば、世界中、どこからでもデータにアクセスできます。Dropboxは、サイトにアクセスして登録すると、2GBのサーバを無償で使うことができます。サイトにアクセスしてログインし、データをPCからドラッグします。Dropboxのフォルダをインストールして、そのインストールしたフォルダにドラッグする方法もあり、この方が簡単です。PCはもちろん、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、またiPadなどの携帯端末にフォルダを設置すると、スマートフォンや携帯端末からもデータにアクセスして、閲覧や編集ができます。Googleドライブは、gmailのメールアドレスを取得してログインし、「ドライブ」をクリックします。あとはDropboxと同じように、PCやスマートフォン、携帯端末にフォルダをインストールして使う方法があります。Appleは、2000年にMacユーザーを対象に、mac.com…
韓国のフランチャイズ
昨年までのウォン安で韓国の内需が落ち込んでいます。韓国経済は輸出で支えられていますので、ウォン安になると輸出が拡大し、景気がよくなるはずです。実際、輸出を主体にしている企業は、輸出が増えて売上が伸びましたが、韓国は資源が少なく、資源や材料、また、食料など輸入に頼っている分野が多々あります。ウォン安の恩恵で輸出が増えて良くなったのは財閥系など一部の企業で、中小企業の多くは輸入品に頼っています。ウォン安で輸入価格が高騰して経営に打撃となり、リストラも増えました。韓国は世界一社長が多い国といわれるくらい、個人事業者が多い国です。55歳で定年という会社も多く、定年後には再就職をせずに、独立する人が少なくありません。リストラにあった人のなかにも、独立をしようとする人がたくさんいます。ノウハウをもたない人が独立する手段として、フランチャイズを選ぶ人も少なからずいます。韓国のフランチャイズは、日本のフランチャイズほど本部の統率力は大きくありません。日本のフランチャイズ本部は、直営店をアンテナショップとして運営し、その直営店で得た情報やノウハウを加盟店にフィードバックします。日本では、不動産をもっている人が土地活用で加盟するなど、社員やアルバイトを雇って店舗を運営するケースも少なくありませんので、本部の指示や助言に従います。一方、韓国のフランチャイズは、前述の通り、独立する手段としてフランチャイズを利用する人が多く、また、なかには直営店をもたないフランチャイズもあり、十分なフィードバックがありません。本部に従わない加盟店が少なくありません。同じ飲食チェーン店でもメニューがかわったり、味がかわったりしますし、コンビニチェーン店も扱っている商品は、店ごとにかわってきます。…
クラウドサービス
クラウドサービスが注目を浴びています。クラウドというのは、インターネット上に設置された外部ストレージで、外付けHDD(ハードディスクドライブ)をイメージするとわかりやすいでしょう。企業などを対象に有料でサービスを提供するサイトは、以前からありますが、主に個人を対象に無料で提供しているサービスもあります。いずれも一定容量まで無料で、容量追加は有料です。AppleのiCloudは、MacやiPhone、iPadユーザー向けに提供されているクラウドサービスで、5GBまで無料、最大50GBまで契約可能です。Macの「システム環境設定」やiPhone、iPadの「設定」からiCloudを開いてIDを登録し、バックアップしたいアプリケーションを選択します。手動でバックアップもできますが、それぞれの端末がWi-Fiなどでインターネットに接続しているときに、自動的にバックアップする設定もできます。SkyDriveはMicrosoftのサービスで7GBまで無料で、最大100GBまで追加できます。Windows、Mac、Android、iPhoneで使うことができます。無料枠は大きいのですが、フォルダごとのアップができず、PCのフォルダをまとめて保存しようと思うとSkyDriveにもフォルダを作成し、1ファイルずつアップしてから、フォルダに移動します。手間がかかるので、ちょっと面倒です。会社のPCと自宅のPCのデータ共有など、PC間のデータ共有に便利なクラウドサービスです。Google…
販促品&記念品展示会
ソウル江南にあるCOEXで販促品・記念品展示会がありました。PLUXモールには、2万アイテムの販促品や記念品などがありますが、新たな商材を求めて行ってきました。興味を引いた商品に、オリジナルのUSBメモリがあります。好きな形を作ることができるUSBメモリです。4GBで2〜3万Wですので、USBメモリとしては割高ですが、既存のメモリはロゴやブランド名などを印刷するのに対し、ロゴや商品模型など、さまざまな形のオリジナルUSBメモリをつくることができるので、価格以上のインパクトがある商品です。携帯グッズもいろいろあります。オリジナルの携帯電話クリーナーや携帯電話ケースなどです。携帯電話ケースは、さまざまなサイズの携帯電話があり、一時期流行ったストラップもiPhoneなど、ストラップを付けることができない携帯電話が増えているので、販促品としては難しいのですが、クリーナーやスタンドなど、デザインと使い勝手が良いと喜ばれるアイテムです。ゴルフ用品は、ボールなど販促品として根強い人気があり、いくつか出展されていましたが、帽子のツバにつけるボールの軌跡を見る商品や空気抵抗を減らしてまっすぐ飛ぶボールがあり、面白いアイテムと感心しました。ほかに、キャラクター、ボールペン、メモ用紙、ポストイットなどの文具や傘も出展されていました。キャラクターは、そのキャラクターと商品をどう組み合わせるか、商品やブランドイメージとの整合性に問題があります。文具は定番中の定番なので、モールでは相当数のアイテムがありますし、傘も予算に合わせて、ひと通り揃えていますので、今回は特に注目していません。食器も喜ばれるアイテムですので、ガラスロックという食品の保存容器やマグカップ、鍋なども出展されていました。出展はありませんでしたが、ある会社に救急箱(구급함)を提案しています。絆創膏や包帯、ガーゼ、綿棒など2千W台から4万W台まで、中身によって様々な種類があります。…
従業員の採用と報連相
商談だけではなく、社員採用でも即決が求められます。面接をして、一週間後に採用通知を出したときには、もう他社に勤務しているということは珍しくありません。新規に進出する企業だと、面接から採否の決定まで、数週間を要するケースも少なくありませんが、韓国企業の多くは、面接時か翌日には採否の結論を出します。某韓国企業の面接シートの勤務開始可能日の欄は、翌日か翌日以外の2択でした。採否を決定した数週間後には、その人材はもう他で働いているのです。韓国の法律では、試用期間は最大3ヶ月ですので、良いと思ったら1〜3日以内に採用通知をして、ダメなら3ヶ月以内に辞めてもらうという選択肢もあります。なんとなく非情なようにも感じますが、問題になりません。報連相を嫌がる傾向があり、営業マンなど、契約が取れた、あるいは、取れそうなど、都合の良い話しかしません。営業という仕事は、外れが多いものですが、良い話しかしない傾向があります。失敗は成功のもとといいますが、失敗は隠したがる傾向があり、追求しても、なかなか答えないので、あまり突っ込まずに、自然に報連相ができる環境を作ることが大切です。日報を書かせても、報連相にはつながりません。自然に報連相ができる週報を作成し、報告の場も設けたこともありましたが、マイナスの報告については、隠したがる傾向があります。日本では、経過を重視します。どのような経過を辿って、その結果に結びついたかを重要視します。成功であれ、失敗であれ、その結果をもたらした原因を追求します。とくに失敗のときには、同じ失敗を繰り返さないために、なぜ、失敗したのかを明らかにします。韓国では、経過は考慮せず、結果のみを重視するのが一般的です。大学や大企業などの研究部門でも、成功のない研究は評価されません。失敗は成功のもとではなく、失敗なしの成功を評価する傾向があります。失敗のなしの成功などあり得ないのですが、通常の業務でも失敗は隠すことになり、失敗の原因が明らかになりことはありません。あまり報連相を強要すると、それだけで辞めて行ってしまう若者もいます。問題が大きくなる前に、いかに報連相を受けるか、いかに早くマイナス情報を得るか、とても大切です。…
即決と肩書き
韓国企業との商談では、即決を求められる場面に多く出会います。日系企業の駐在員は、日本での職位に関わらず、現地子会社に理事として赴任する人が多くなります。商談相手は最終的な決済権を持った人であることが多くなり、理事の肩書きをもつ駐在員に対しても決済権者であることを期待します。即決できない場合も、「日本に相談する」という言葉は厳禁です。肩書きが代表理事でなくても、上司に相談するという言葉も避けたいものです。日系の現地法人の理事が韓国企業との折衝で、日本本社に問い合わせると回答した途端に、商談が打ち切りになった例もあるとききます。ところで、韓国企業との商談では、よくわからない肩書きに出会うことが多々あります。韓国人の多くは肩書きを重視する傾向が強いです。たとえば、韓国人の従業員に、給与と肩書とどちらか選ばせると、肩書きを要望する人が少なくありません。ある韓国企業の面接シートには、本人の希望欄に「給与」欄と並んで、「肩書」という欄がありました。主な肩書きをみてみます。会長は会社のオーナーです。会社の規模にかかわらず、会長は絶対的な権限をもっています。代表理事社長は、基本的には会社の総責任者ですが、会長が出勤する会社では、会長が実質的な経営者で、社長は表見代理に過ぎないこともあります。理事には、副社長、専務、常務、平理事がいて、このあたりは、日本企業の取締役と同じようなものと判断して差し支えありません。但し、なかには非登記の理事もいます。対外的には理事を名乗っていますが、社内の職掌は理事でありません。取引先や友人に対する見栄で要求するケースがあり、理事の肩書きを与えていますが、法律上は従業員です。名刺を見ただけではわかりませんが、大きな取引では注意が必要です。部長や課長は、そのまま部長、あるいは、課長として判断して差し支えありません。チーム長というのは、よくわからない肩書きで、課長より上のチーム長もいれば、課長より下のチーム長がいますし、部下がいないチーム長もいます。室長もチーム長と同様、わかりづらい肩書きで、部長より上だったり、課長より下だったりします。…
社長第一主義
土曜日は韓国情報;ビジネス編です。ソウルを訪問すると、日本語を話す韓国人が多いことに気づきます。韓国は教育熱が高く、高校に入ると英語に加えて、第二外国語も学びますが、一番人気が日本語だそうです。ちなみに、2番人気は、かつては独語と仏語だったのが、最近は中国語が多いようです。韓国人のなかには、自分の経験や自分の主観を「韓国では〜」とあたかも、一般論のように話す人が少なくありません。一人の意見に耳を傾けるのではなく、一人でも多くの意見を求めて判断する必要があります。日本には「お客様第一主義」を掲げる会社が多いのですが、韓国は「社長第一主義」の国柄です。ある企業の日本人社長を親しい日本人が訪ねたときのこと。お茶をもってきた秘書は、まず、社長にお茶を出し、そのあとで客に茶を出したといいます。お客様より上司、上司より社長、社長より会長が優先します。韓国は世界で最も社長の割合が高い国といわれるくらい個人事業者が多いのですが、大企業といえども、大抵が財閥系でオーナーがいます。オーナーの肩書きが会長です。近世の韓国は絶対王政で、「上には絶対服従」の文化があり、さらに、男子は徴兵制度がありますので、軍隊で上司には絶対服従を植え付けられていることに由来するのでしょう。上司の指示に異論があっても反論せず、諾々と従いますが、ストレスを感じてノイローゼになる人も多く、早期退職の一因にもなっています。中間管理職は、自分の権限を誇示する傾向があり、前任者からの引き継ぎは全くありません。担当者、あるいは、部署の責任者が代わると、方針もすっかり代わってしまい、前任者との約束が反故になることも珍しくありません。取引先の担当者や担当部署の責任者が代わったときは要注意です。韓国の現代、サムスン、LGなど大企業といえども財閥系の同族会社で、オーナー家は絶対です。重役といえども、オーナー家には逆らえませんし、まして会長に逆らうことはできません。担当レベルで協議した内容がトップのひと言で反故にされることも珍しくありません。役所もトップダウンの傾向があり、いまの上司はもちろん、かつての上司だったOBのひと言で決定が覆ることもあります。…
ウォンツと感動商品・感動サービス
顕在ニーズ、潜在ニーズ、ウォンツについて書きました。よくあるノック式のボールペンを例に説明します。インクがなくなるまで書けることと、書き味が良くて、安いことが顕在ニーズです。仕事柄、黒いインクと赤インクを使うので、一本で黒と赤ともう1〜2色があるボールペンは、潜在ニーズ品といえます。ところで、いま、使っているボールペンは、「BLACK」の表示を上にしてノックすると黒インク、「RED」の表示を上にしてノックすると赤インク、ほかに、シャープペンシルと字の上にマーカーを引くことができるインクもあります。ボールペンの本来の目的である字を書くために、必要ない機能がついて、値段も割高なのですが、使う楽しさがあります。ボールペンでも、顕在ニーズ・潜在ニーズ・ウォンツを使いわけることができますが、このように、顕在よりは潜在、潜在よりはウォンツが値段も高くなります。顕在ニーズ商品・サービスは、同じ機能、同じ品質であれば、消費者は安いものを求めます。いかにコストをかけずに安く売るかがポイントです。潜在ニーズ商品・サービスは、機能や品質レベルが高い商品で、その分、価格も割高になります。価格が高い理由を伝え、ファンとなって、リピーターになってもらう工夫がポイントです。ニーズがないウォンツ商品・ウォンツサービスの究極は、感動商品・感動サービスです。感動というと大袈裟ですが、消費者の期待を超える商品やサービスです。はじめてiPhoneを買ったときは、スケジュール管理と出先でPCメールの送受信が主目的だったのですが、PCとの連動やビジネスや趣味でも役立つアプリは、当初の期待を超える魅力です。韓国に住んでいる日本人にとっては、言語対応の柔軟性も助かっています。また、韓国に来る前、よく利用していた運転代行会社がありました。タクシーや運転代行に期待するサービスは、目的地まで安全に載せてくれることですが、この運転代行は他社にないサービスを提供しています。はじめて利用するときは、普通に行き先を伝えて、家まで道案内をしますので、他社とかわりませんが、この会社は、一度、載せた客の家をすべて記憶するサービスを提供しています。2回目以降の利用の際には、何も言わなくても、家まで載せて行ってくれるのです。…
ニーズ商品
商品やサービスは3つに分類されます。(1)顕在ニーズ商品・サービス(2)潜在ニーズ商品・サービス(3)ウォンツ商品・サービス(1)の顕在ニーズは、購入者が、必要としている商品やサービスをはっきりと認識していて、何ら説明がなくても、消費者が自分で選んで購入します。百貨店やマートの棚に並んでいる商品から消費者が選んで購入しますし、飲食店で表記しているメニューから、消費者が選んで注文します。消耗品=大量消費材に適した販売方法で、品質と価格のバランスがポイントです。(2)の潜在ニーズ商品は、購入者は必要であることは認識していますが、どれを買ったら良いか選択基準がわからない商品やサービスです。百貨店など、コンサルティングをしながら販売している化粧品があります。化粧品を買いたい人のなかには、どんな化粧品が良いか、ある程度判っている人も少なくありませんが、商品について、コンサルティングを加えることで、より理解が深まります。また、自動車や保険も、この部類に入ります。自動車は、購入者が欲しい車種をある程度、決めていますが、説明を加えることで、たとえば同じ車種でも、どのグレードが良いか、購入者が選びやすいように詳しく説明します。最近の保険は、いろいろ細分化されていて、一般消費者には判りにくくなっています。損害保険は1年更新なので、1年後に見直しができますが、生命保険は長期契約なので、一度、契約すると、当分、見直すことはありません。コンサルティングが必要な商品です。(3)のウォンツ商品は、元々ニーズがない商品で、販売するポイントはプレゼンテーションです。なくても困らないが、購入するとメリットがある品で、どんなメリットがあるか訴求して販売します。ウォンツ商品・サービスは、販売当初はニーズがありませんが、ある程度、普及してくると、潜在ニーズ品になり、顕在ニーズ品になる特性をもっています。カーナビは、15年前にはニーズがなかった商品ですが、製造メーカーが増えたことで、潜在ニーズ商品になり、いまでは顕在ニーズ商品です。スマートフォンも、Appleがはじめて販売した当時は、電話とメールだけで十分だったので、ウォンツ商品でしたが、Windows…
ニーズを捉える
マーケティングもセールスも、「まずはニーズを捉えること」と教わった人は少なくないと思います。間違ってはいませんが、ニーズに拘るビジネスには限界があります。外食のニーズは、美味しくて、身体に良く、そして安いことです。文具でいえば、ボールペンのニーズは、書きやすくて、最後まで書くことができて、安いこと。その他の、機械器具も、性能が安定していて安いこと。消費者のニーズは、同じ機能、同じ使い勝手、同じサービスであれば、安い方が良いということになります。あくまで、ニーズに拘るのであれば、価格も重要な要素になります。新たに誕生した製品やサービスには、そもそもニーズがありませんし、どれほど、よい商品やサービスでも、その良さを十分に伝えることができなければ、マーケットは安い方に流れていきます。日本ブランドを韓国など、海外で売る場合、流通コストや関税などがあるので、’安い’ニーズには対抗できませんので、価格以外の要素=品質で訴求する必要があります。その良さをどうやって伝えるかがビジネスにとって大切です。つまり、単にニーズを捉えて売るだけではなく、ニーズを喚起する売り方も重要なのです。新たな商品やサービスであれば、ニーズを掘り起こす必要があります。いまから、つい20年前まで、パソコンはニッチ商品でした。一般には必要ないものだったのです。それが、会社はもちろん、家庭でもPCを持つニーズが起こりました。はじめのうち、ニーズはオールインワン、つまり、1台で何でもできるパソコンで、一家に一台が当たり前になり、やがて、1人1台の時代になると、2台目以降は機能を最小限に絞ったパソコンのニーズが大きくなりました。インターネットの普及と合わせて、一気にニーズが広がったのです。携帯電話も同じです。普及しはじめたのは、たかだか15年ほどです。90年代前半までは、なくても良いものだったのが、いま、1人1台は当たり前で、なかには2台以上持っている人もいます。パソコンも携帯電話も、また、カーナビも、つい20年前までは、まったくと言っていいほどニーズがなかったものが、性能が良くなり、機能=できることが増え、普及によって、さらに便利になり、僅か20年足らずで、必需品になったのです。この3つは、ニーズを捉えた商品ではありません。ニーズの掘り起こしに成功した商品です。…
マーケット分類
マーケット(市場)は4つに分類できます。まずは、ニッチ(隙間)マーケット。小さい市場です。大きく伸びる可能性を秘めていますが、一方、伸びることなく消滅してしまう可能性もあります。なかなか大きくなれない場合、マーケット自体に需要がないケースもあれば、タイミングが合わないケースもあります。マツダが、ロードスターを販売した頃、小型の2人乗りオープンカーは存在しませんでした。当初、大きな販売は期待しなかったのですが、蓋を開けてみたら、想像以上にニーズがあり、いまではロングセラーとなっています。日本で成長過程にあった牛丼チェーンが韓国に進出したことがありますが、早々の撤退を余儀なくされました。牛丼は、日本ではファストフードですが、韓国では立派な食事です。はじめから食事としてメニューを用意すれば、新たなマーケットを生み出せた可能性もあります。最近はファストフードに近い丼もあるので、いまのタイミングなら、成功できるかもしれません。ニッチマーケットは、ビジネスとして成り立つ大きさになるまで努力するか、それとも、撤退するのか見極めが肝心です。2つ目は成長期にある市場です。ニッチでスタートした商品やサービスが、ある程度の規模になってくると、市場参入が増えてきます。大手の参入で、値崩れが起こることもあります。この市場は、資本が鍵になってきます。3つ目は成熟した市場です。この市場は、参入は容易ですが、競争も多く、差別化が重要な鍵になってきます。テレビや白物家電は成熟した市場で、技術もある程度、確立されています。最後、4つめはピークを過ぎて縮小期にある市場です。縮小期といっても、依然としてニーズがある商品もあります。差別化や技術革新によって、ある程度の市場を維持するか、撤退するか、判断が求められます。多くの商品やサービスが、ニッチから成長、成熟、減衰の過程をたどります。いま、扱っている商品やサービスが、どの段階にあるかを把握し、段階に合わせた商品・サービスの投入や、販売戦略を考えることが大切です。…
