韓国の不動産保有税ガイド ― 6月1日が決める財産税・総合不動産税と取得税【2026年版】
韓国で住宅を買うと、買うときに取得税、持っているあいだ毎年,財産税(固定資産税にあたる地方税)がかかります。そして評価額が一定を超えると総合不動産税という国税が上乗せされます。
この記事でいちばん覚えていただきたいのは「6月1日」です。その日に誰が持っていたかで、その年1年分の保有税を誰が払うかが決まります。売買の日取りひとつで負担が変わる、実務に直結する日付です。
すべての起点は「6月1日」
韓国の保有税(財産税・総合不動産税)は、いずれも6月1日時点の所有者に課税されます。日割りの精算はありません。
つまりこういうことです。
- 5月31日までに引き渡しを終えれば ── その年の保有税は買主が負担
- 6月2日以降に引き渡しなら ── その年の保有税は売主が負担
そのため韓国の不動産取引では、5月末と6月頭で残金決済日を数日ずらす交渉が実際に行われます。日本から来て売買に関わる場合、この日付を知らないまま日程を決めてしまうと、思わぬ負担が生じます。
財産税(재산세)── 毎年かかる地方税
日本の固定資産税にあたるものが財産税です。市郡区が課税する地方税で、住宅の場合の標準税率は次のとおりです(地方税法第111条)。
| 課税標準 | 税率 |
|---|---|
| 6,000万ウォン以下 | 0.1% |
| 6,000万〜1億5,000万ウォン | 6万ウォン+超過分の0.15% |
| 1億5,000万〜3億ウォン | 19万5,000ウォン+超過分の0.25% |
| 3億ウォン超 | 57万ウォン+超過分の0.4% |
ここでいう課税標準は「公示価格そのもの」ではありません。公示価格に公正市場価額比率を掛けたものが課税標準になります。住宅の場合は60%が基本で、公示価格9億ウォン以下の1世帯1住宅にはさらに低い比率と特例税率(0.05〜0.35%)が適用されます。
納付は年2回に分かれるのが基本で、7月と9月に納付書が届きます。税額が少額の場合は7月にまとめて課税されます。納付書は住所地に郵送されるため、住所変更をしていないと届かないことがあります。
総合不動産税(종합부동산세)── 一定額を超えると国税が上乗せ
保有する不動産の公示価格を全国で合算し、基礎控除を超えた分に国税として課税されるのが総合不動産税です。財産税とは別に、年1回かかります。
課税標準の計算は次の形です。
課税標準 =(全国合算の公示価格 − 基礎控除)× 60%
- 基礎控除は9億ウォン
- 1世帯1住宅者は12億ウォンまで控除
- 法人は控除なし(0ウォン)
つまり公示価格12億ウォン以下の住宅を1軒だけ持っているのであれば、総合不動産税はかかりません。多くの駐在員・在韓日本人の実態では、まず財産税だけを考えれば足りることになります。
逆に法人名義で不動産を持つと控除がない点は注意が必要です。社宅を法人で購入する場合、この差は大きく効きます。
取得税 ── 買うときにかかる
住宅を取得したときは取得税がかかります。国籍や居住資格による区別はなく、外国人でも韓国人と同じ税率が適用されます。
税率は取得価額と保有件数で変わり、多住宅の取得や法人の取得には重課税率が設けられています。投機抑制を目的とした制度で、2軒目・3軒目と増えるほど負担が重くなります。
取得税には期限があり、取得日から一定期間内に申告・納付しなければ加算税がつきます。登記手続きと連動するため、通常は不動産会社や法務士(司法書士にあたる)が案内してくれますが、納税義務者は買主本人である点は変わりません。
外国人が実際につまずくところ
① 居住者かどうかは関係ない
保有税は不動産の所在地で課税されます。日本に帰国して非居住者になっても、韓国に不動産を持っている限り毎年課税されます。「住んでいないから関係ない」は通用しません。
② 納付書が届かないことがある
納付書は住所地に郵送されます。帰国・転居して住所を更新していないと届かず、知らないうちに滞納になります。滞納が続くと加算金がつきます。ウィテックス(地方税)とホームタックス(国税)でオンライン照会・納付ができるので、住所が変わる場合はそちらで管理するのが確実です。
③ 賃貸に出すと所得税も発生する
保有中の住宅を賃貸に出して家賃収入がある場合、不動産賃貸所得として総合所得税の対象になります。保有税とは別の話なので、両方を見ておく必要があります。
④ チョンセ(伝貰)で貸す場合
チョンセは家賃ではなく保証金を預かる方式ですが、一定の要件に該当するとみなし家賃として課税されることがあります。物件の数や保証金の規模によって扱いが変わるため、貸し出す前に確認しておくべき点です。
よくある質問
Q. なぜ6月1日が重要なのですか。
A. 財産税・総合不動産税とも6月1日時点の所有者に課税されるためです。日割り精算がないので、5月31日引き渡しなら買主、6月2日引き渡しなら売主がその年の保有税を負担します。
Q. 外国人でも税率は同じですか。
A. 同じです。取得税・財産税・総合不動産税とも、国籍による差はありません。保有件数や公示価格で決まります。
Q. 日本に帰国したら韓国の不動産の税金はどうなりますか。
A. 持っている限り毎年かかります。保有税は不動産の所在地で課税されるため、居住地は関係ありません。納付書が届かなくなるリスクがあるので、オンラインで管理してください。
Q. 総合不動産税は必ずかかりますか。
A. いいえ。1世帯1住宅なら公示価格12億ウォンまで控除されます。それ以下なら総合不動産税はかからず、財産税だけです。
Q. 法人名義で買うと有利ですか。
A. 保有税の面では不利になりえます。法人は総合不動産税の基礎控除がなく(0ウォン)、取得税にも重課税率があります。社宅購入を検討する際は税理士に試算を依頼してください。
Q. 税額はどこで確認できますか。
A. 地方税(財産税・取得税)はウィテックス、国税(総合不動産税)はホームタックスで照会できます。外国人登録番号で利用できます。
📗 韓国の税金シリーズ ── あわせて読みたい
- 個人にかかる税 ── 所得税・地方所得税
韓国の個人所得税ガイド ― 183日ルール・税率表・外国人の単一税率19%【2026年版 - 法人にかかる税 ── 法人税・付加価値税
韓国の法人税と付加価値税ガイド ― 2026年からの税率引き上げと申告スケジュール
在韓日本人・日系企業に関わる税制を、個人・法人・不動産の3つに分けて整理しています。
韓国で日本人向けにサービスを展開されている企業様へ ── 広告掲載のご案内


