価格と品質 その2
日本の自治体ー市区町村では「広報」を発行しています。自治体から住民に対する公式な伝達手段で、毎月、全世帯に配布します。年度はじめに入札を行いますが、町村内に受託できる業者がなかったり、限られるなどで近隣市町村の印刷業者が請け負うこともあります。ある年、某市の印刷会社が隣接する村の広報をダンピング価格で受注しました。印刷や広報は、建設などと違って最低価格がないため、極端なダンピング価格での落札もありえます。この印刷会社はダンピング価格を繰り返し、複数年に渡って受注しましたが、数年後、限界に達して入札への参加を断念しました。困ったのは発注者です。ダンピング価格に合わせて予算を組んでいたため、落札する業者が現れず、入札を繰り返しても不調に終わります。村の広報担当は予算を見直すことにしましたが、補正予算は議会の承認が必要で、住民への公式な伝達手段である「広報」が発行されない異常な事態となりましたが、担当者が相場を知っていれば回避できたはずです。格安価格は、得をしたように思っても、前回書いたように品質低下を招くか、品質に比して安い価格は長続きはしません。結局、困るのは発注者です。質が低いと言いながら、実は相場とは離れた価格で発注していたり、安いと思って発注していたはずなのに徐々に値段が上がっていたりということも往々にしてあります。品質に比して高い価格で発注・購入する必要は毛頭ありませんが、品質と比べて価格が妥当かどうか判断する目を持つことが大切です。品質に見合う妥当な価格を維持することは、自社や発注先はもちろん、自社や発注先を取り巻く業界全体の健全な事業運営につながります。「価格競争」はダンピングを招き、「品質低下」につながる。「適正価格」による品質競争で「品質向上」を図ると自社にもプラスになる。…
価格と品質
日本では100円ショップやディスカウントショップをはじめ、安くて良いものがたくさんあります。韓国はというと、品質が良いモノは高く、安いモノは品質が良くないのが普通で、安くて良いモノは、滅多にありません。せいぜい、在庫処分品かロットが多いまとめ買いくらいです。この良いモノは高く、安いモノは品質が良くないのは、各種製品はもちろん、役務や特注品も同様です。たとえば、建築。つい先月にも、建築中の建物が傾斜したというニュースがありましたが、見積額を比較して安い業者に発注した結果、追加工事の費用が発生したり、あるいは、完成・引渡しから短期間で改修が必要となることがあります。傾斜や崩壊は滅多にありませんが、飲食店など、開店から比較的短期間で、大幅な改装工事を行っている事例をいくつか見てきました。この低価格=低品質、高品質=高品質は、PLUXの業務である看板製作や印刷などでは茶飯事です。ある日系企業は、会社の顔となる看板を格安で発注しました。格安業者は、発注元の会社の指定のロゴカラーや指定フォントを使わずに製作し、弊社が再製作を請け負いました。指定カラーは弊社の得意分野です。指定の英語社名は一般フォントではなかったため、米国のサイトから購入しました。また、印刷物でもコストを下げる手法がいくつかあります。日本の印刷会社では、品質低下を招くことから使ってはいけない手法として、研修などで指導を受けることがあります。韓国の印刷現場を回ると、それらを行っている場面をよく目にします。多くの看板業者や印刷業者などが、品質を二の次にして、価格競争を行い、その結果、低価格・低品質となっている事例が少なくありません。あらゆる分野において、日本では低価格でも最低限のレベルをクリアしているのが普通です。一方、韓国では、低価格=低品質、高品質=高価格が普通です。消費者はわかっています。日本と同じ感覚で、最低限の品質をクリアしているだろうと期待し、見積額のみを比較して発注。結果、出来上がりを見て韓国は品質が悪いと妥協する例がよくあります。韓国には品質にこだわっている事業者や技術者やがたくさんいます。日本の平均レベルを上回る技術者も少なくありません。サプライヤーとなる取引先には、価格競争の前に、品質で競わせること。一定の品質をクリアできる事業者のなかから見積額を比較して発注する。韓国では高品質・高価格は当たり前。誰もがそう認識しています。看板やカタログなど、製品やサービスとは直接関係ない部分でも低品質は発注者の製品やサービスの質に対する不信ともなりかねません。品質に妥協して価格を重視していないか、いま一度、見直してみましょう。おまけ;…
訪韓日本人と韓国投資
2013年の訪韓日本人は対前年比22%減。日韓の政治問題に起因して減少したという報道がありますが、どうなのでしょうか。…
韓国ビジネス便利帖より
韓国の概要面積;99,720km2人口;51,047,880人人口密度;511.9人/km2ソウルはというと、面積;605.28km2人口;10,176,560人で、女性が50.5%と僅かに男性を上回っていますが、大体半々とみてよいでしょう。人口密度;16,812人/km2ちなみに、東京23区の面積が621km2で人口約900万人。密度が13,000人/km2ですから、東京23区とほぼ同じ面積のなかにより多くの人がひしめいていることになります。この本のタイトルは「韓国進出日系企業…
韓国ビジネス便利帖
お待たせしました。韓国ビジネス便利帖ができました。在韓日系企業にとって、日本企業のアイデンティティを理解し、日本語でサービスを提供する企業や団体の協力は有り難いものです。これから韓国に進出する企業向けの進出ガイドを作成・発行している機関はいくつかありますが、進出後に必要となる各種情報は先達者の紹介に頼っている事例が少なくありません。在韓日系企業や駐在員を対象に日本語でサービスを提供する企業等の情報をまとめたイエローページがあると便利だろうと考えていましたが、誰もつくってくれそうにないので、PLUXで出版免許を取得し、「韓国進出日系企業;韓国ビジネス便利帖」を作成・発行しました。創刊号の内容は、SJC、ジェトロ、領事部などが日系企業や在韓日本人に提供するサービス。金融・法律・特許・リース・人材紹介・派遣・オフィス機器・オフィス用品・不動産・国内外引越・広告・印刷・販促・ギフト・医療機関・韓国語などのビジネスサービス駐在生活お役立ち情報。在韓日系企業に日本語でサービスを提供する企業や団体情報と駐在員向けの役立ち情報です。定価は8000KRW韓国内の書店で販売しますが、PLUXでも直接販売します。表紙の写真は「韓国の今昔」「韓国の色彩」「韓国の食」です。…
在韓日系企業
韓国に進出している日系企業は、知識経済部のデータによると約2000社となっています。韓国のビジネスでは、完全に日本のやり方を押し通そうとしても通用しません。日本ではないので当然です。そうかといって、100%韓国式が良いかというと、完全に韓国式で事業を行うなら、韓国の代理店に任せてもよいわけで、進出する必要の有無を考える必要があります。どこまで、日本人、日本企業のアイデンティティを守り日本のやり方を通すか、どこまで韓国のやり方に合わせるのか、答えはありません。日本企業の共通の課題です。はじめに韓国に来ると「日系企業なのだから、日本のやり方で」やろうとする企業がありますが、すぐに壁にぶつかります。また、欧米人は日本人とは外見が違うので、現地に合わせようとするのですが、韓国人は日本人とそっくりなので、つい、日本式にしてしまいます。日本企業の良いところ、日本人の良いところもありますし、韓国企業の良いところ、韓国人の良いところもあります。韓国企業、韓国人の良いところを見いだして、日本企業、日本人の良いところと融合させることが重要です。ところで、韓国にいる日本人が共通で認識する韓国企業の特徴は、何と言ってもスピード感です。韓国のスピード感は、かならずしも良いことばかりではありませんが、慣れてしまうと、日本が遅く感じてしまいます。問題が起きないように石橋を叩いて渡る日本式に比べると、まずははじめてみて、問題が起きたら修正を加えるのが韓国式で、この点は、日本企業も学んで良いように思います。そうはいっても、問題をできるだけ回避すべきこともあります。ですから、この2つを上手く使い分けるのがベストです。日本と韓国は隣同士で、日本人と韓国人は顔がそっくりですが、国民性は多いに違っています。どちらに合わせるかよりも、それぞれの良いところを引き出して、うまく融合させることは、韓国の日系企業にとって、共通のテーマであり、共通の課題となっています。…
税金の話し
韓国の付加価値税は、電子税金計算書を発行し、国税庁のサーバへの送信が義務付けられています。データに基づいて、3ヶ月に一度、納税(または還付)を行います。所得税の確定申告=年末調整は、いたって簡単です。保険料控除やカード所得控除、医療費控除などの所得控除は、住民登録番号や外国人登録番号ごとに、国税庁のサーバで管理されています。国税庁のサイトにアクセスして、内容を確認し、確認ボタンをクリックすると年末調整は完結します。なぜ簡便にできるのか。考えてみると、韓国の事業所には事業者登録番号があり、個人も住民登録番号(または外国人登録番号)があるので、データベース化しやすいのでしょう。日本は事業者を特定する番号はありません。法務局や税務署、都道府県、社会保険事務所などでは、各事業所に管理上の番号を登録していますが、それぞれの役所の都合で付与しただけで、他の役所などの機関や事業者間では通用しない番号です。個人には、住民基本台帳という制度がありますが、登録は任意で、公的機関が発行する身分証明書は、住基カードのほか、免許証、パスポート、年金手帳、保険証などがあり、同じ人でも、発行機関によって証明書の番号も記号も異なります。事業所にも個人にも、各機関で共通する番号や記号がないので、消費税や所得控除などの税金や、また税金以外も、本人が申告しない限り、関係機関が、すべてを把握する術はありません。ところで、日本と韓国は、租税協定を締結しています。1年のうち居住が過半、つまり183日以上、居住している国にすべての所得税を納め、他方は非課税となる協定です。駐在員の給与が、すべて韓国で払われる場合は、韓国で源泉徴収と年末調整を行えば良いので、日本での手続きはありません。韓国と日本、双方から給与が払われる場合は、日本で支払われる給与に相応する所得税も韓国で納めることになります。この場合、日本で給与を支払う都度、非課税申告を行うのが原則ですが、日本社の手続きが煩雑です。さかのぼって還付を受けることもできるので、日本で給与を払うときには、他の社員と一緒に源泉徴収を行い、年末調整時に還付手続きを行うと、会社の負担は少なく済みます。この非課税手続きも還付手続きも、給与支払者=会社が行います。…
進出形態
韓国への進出形態は、法律上、現地法人、支店、連絡事務所の3種類となっています。現地法人は、その名の通り、会社設立です。外国人投資企業として登録すると、査証の取得や地域によっては税制優遇もあります。外国人投資企業の最低投資額は、いまは1億KRWですが、今年、2013年に3億Wに引き上げられることになっています。支店はいうまでもなく、出先の営業拠点で、出先の営業拠点には、支社、支店、営業所がありますが、いずれも、法律上は、支店となります。連絡事務所は、事業を営んで収益を上げることはできません。業務は情報収集や代理店サポートなどとなります。法律上は、この3つですが、実際の進出形態は100%、0%、JVの3つのパターンでしょう。100%の場合は、すべての人材や販路を独自に開拓する必要があります。立ち上げ当初は、販売等のリスクがありますが、運営や販売方針を自社の裁量で決められます。進出形態は、現地法人か支店となります。まずは、支店を設立して、規模が拡大したら法人にする方法もありますが、現地法人にしか認められていない事業もあります。0%とは、代理店にお任せする形態です。運営や販売方針は、代理店次第です。スタート時点では、マニュアルに従っていても、次第にかわってくることは、よくあります。なかには、思いっきり方針がかわってしまい、提携を解除した例もあります。業種によっては、代理店が複数のこともあるでしょう。連絡事務所を設置して、代理店をサポートする人員を置いている企業もあります。JVには、日本側が少数となるケース、50%—50%、日本側が過半を持つケースがあります。JVは、販路、人材などをJV相手が用意してくれるので、初期リスクを軽減できるメリットがあります。ただし、運営や販売方針に関して、JVの意向も加味しなければならないので、すべてにおいて自由意志で運営することができません。日本社の方針や意向をどこまで実現できるかは、JV先次第です。…
クラウドサービス その2
先々週の続きDropboxなどのクラウドサービスが注目を浴びています。クラウドサービスというのは、インターネット上にあるサーバで、インターネットで繋ぐ外付けHDD(ハードディスク)をイメージするとわかりやすいでしょう。インターネット上にあるHDDですから、インターネットに繋がっていれば、世界中、どこからでもデータにアクセスできます。Dropboxは、サイトにアクセスして登録すると、2GBのサーバを無償で使うことができます。サイトにアクセスしてログインし、データをPCからドラッグします。Dropboxのフォルダをインストールして、そのインストールしたフォルダにドラッグする方法もあり、この方が簡単です。PCはもちろん、iPhoneやAndroidなどのスマートフォン、またiPadなどの携帯端末にフォルダを設置すると、スマートフォンや携帯端末からもデータにアクセスして、閲覧や編集ができます。Googleドライブは、gmailのメールアドレスを取得してログインし、「ドライブ」をクリックします。あとはDropboxと同じように、PCやスマートフォン、携帯端末にフォルダをインストールして使う方法があります。Appleは、2000年にMacユーザーを対象に、mac.com…
韓国のフランチャイズ
昨年までのウォン安で韓国の内需が落ち込んでいます。韓国経済は輸出で支えられていますので、ウォン安になると輸出が拡大し、景気がよくなるはずです。実際、輸出を主体にしている企業は、輸出が増えて売上が伸びましたが、韓国は資源が少なく、資源や材料、また、食料など輸入に頼っている分野が多々あります。ウォン安の恩恵で輸出が増えて良くなったのは財閥系など一部の企業で、中小企業の多くは輸入品に頼っています。ウォン安で輸入価格が高騰して経営に打撃となり、リストラも増えました。韓国は世界一社長が多い国といわれるくらい、個人事業者が多い国です。55歳で定年という会社も多く、定年後には再就職をせずに、独立する人が少なくありません。リストラにあった人のなかにも、独立をしようとする人がたくさんいます。ノウハウをもたない人が独立する手段として、フランチャイズを選ぶ人も少なからずいます。韓国のフランチャイズは、日本のフランチャイズほど本部の統率力は大きくありません。日本のフランチャイズ本部は、直営店をアンテナショップとして運営し、その直営店で得た情報やノウハウを加盟店にフィードバックします。日本では、不動産をもっている人が土地活用で加盟するなど、社員やアルバイトを雇って店舗を運営するケースも少なくありませんので、本部の指示や助言に従います。一方、韓国のフランチャイズは、前述の通り、独立する手段としてフランチャイズを利用する人が多く、また、なかには直営店をもたないフランチャイズもあり、十分なフィードバックがありません。本部に従わない加盟店が少なくありません。同じ飲食チェーン店でもメニューがかわったり、味がかわったりしますし、コンビニチェーン店も扱っている商品は、店ごとにかわってきます。…
クラウドサービス
クラウドサービスが注目を浴びています。クラウドというのは、インターネット上に設置された外部ストレージで、外付けHDD(ハードディスクドライブ)をイメージするとわかりやすいでしょう。企業などを対象に有料でサービスを提供するサイトは、以前からありますが、主に個人を対象に無料で提供しているサービスもあります。いずれも一定容量まで無料で、容量追加は有料です。AppleのiCloudは、MacやiPhone、iPadユーザー向けに提供されているクラウドサービスで、5GBまで無料、最大50GBまで契約可能です。Macの「システム環境設定」やiPhone、iPadの「設定」からiCloudを開いてIDを登録し、バックアップしたいアプリケーションを選択します。手動でバックアップもできますが、それぞれの端末がWi-Fiなどでインターネットに接続しているときに、自動的にバックアップする設定もできます。SkyDriveはMicrosoftのサービスで7GBまで無料で、最大100GBまで追加できます。Windows、Mac、Android、iPhoneで使うことができます。無料枠は大きいのですが、フォルダごとのアップができず、PCのフォルダをまとめて保存しようと思うとSkyDriveにもフォルダを作成し、1ファイルずつアップしてから、フォルダに移動します。手間がかかるので、ちょっと面倒です。会社のPCと自宅のPCのデータ共有など、PC間のデータ共有に便利なクラウドサービスです。Google…
販促品&記念品展示会
ソウル江南にあるCOEXで販促品・記念品展示会がありました。PLUXモールには、2万アイテムの販促品や記念品などがありますが、新たな商材を求めて行ってきました。興味を引いた商品に、オリジナルのUSBメモリがあります。好きな形を作ることができるUSBメモリです。4GBで2〜3万Wですので、USBメモリとしては割高ですが、既存のメモリはロゴやブランド名などを印刷するのに対し、ロゴや商品模型など、さまざまな形のオリジナルUSBメモリをつくることができるので、価格以上のインパクトがある商品です。携帯グッズもいろいろあります。オリジナルの携帯電話クリーナーや携帯電話ケースなどです。携帯電話ケースは、さまざまなサイズの携帯電話があり、一時期流行ったストラップもiPhoneなど、ストラップを付けることができない携帯電話が増えているので、販促品としては難しいのですが、クリーナーやスタンドなど、デザインと使い勝手が良いと喜ばれるアイテムです。ゴルフ用品は、ボールなど販促品として根強い人気があり、いくつか出展されていましたが、帽子のツバにつけるボールの軌跡を見る商品や空気抵抗を減らしてまっすぐ飛ぶボールがあり、面白いアイテムと感心しました。ほかに、キャラクター、ボールペン、メモ用紙、ポストイットなどの文具や傘も出展されていました。キャラクターは、そのキャラクターと商品をどう組み合わせるか、商品やブランドイメージとの整合性に問題があります。文具は定番中の定番なので、モールでは相当数のアイテムがありますし、傘も予算に合わせて、ひと通り揃えていますので、今回は特に注目していません。食器も喜ばれるアイテムですので、ガラスロックという食品の保存容器やマグカップ、鍋なども出展されていました。出展はありませんでしたが、ある会社に救急箱(구급함)を提案しています。絆創膏や包帯、ガーゼ、綿棒など2千W台から4万W台まで、中身によって様々な種類があります。…
