1+1(ワンプラスワン)
- 2014/11/5
- 韓国ビジネス
キャンペーンの+1もありますが、はじめから+1を前提に企画されている商品も少なくありません。
たとえば、
パック入りご飯は、5個パック、4+1、3+2があり、どれも値段は同じ。
豆腐もマートに行くと、1+1をよく見ますが、はじめから1+1で価格を設定している(と思われる)商品もあります。
客単価が大きいと、少ない客で売り上げを稼ぐことができます。
値段を高めに設定するために、+1の名目で量を増やして、あたかも買い得品のように見せています。
京東市場などの在来市場も、価格はマートと比べるとはるかに安いものの最低単位が多くて、大家族でないと食べきれません。
ソウルは、一人暮らしやDINKSなど少量ニーズも少なくありませんが、少ない大手が市場を独占している「売り手市場」で消費者のニーズは後回し。
もし、日本の大手がこのような売り方をすれば、地場の中堅スーパーが客のニーズを捉えた商売を行います。
地場のスーパーといってもそれなりの規模があり、十分な価格競争力をもっています。
韓国にはそういう大手マートに対抗できる中堅スーパーがほとんどなく、大手による売り手側の市場となっています。
韓国は少数メーカーやサプライヤーが市場を独占している分野が多々あり、この売り手側=つまりはサプライヤー本位の市場は、マートだけはなく、韓国全体でみられる傾向です。
日本やアメリカなどでは、少数の大手が競合する市場に、3番手、4番手などの中堅企業が参入し、この新規参入で消費者本位の市場が形成されることがありますが、韓国は少数の大手が独占する市場が多い傾向があります。
日本やアメリカは人口が多く内需が大きいので中小企業が参入しやすく、韓国は内需が限られるので、参入余地が少ないといわれています。
実態はというと、
日本やアメリカの消費者はブランドチェンジへの抵抗がさほどありません。
サプライヤーの大小とか知名度に関係なくブランドを比較して選びます。
消費者本位のメーカーや店舗を選択するので、中小企業が参入する余地も十分にあります。
一方の韓国は、日米と比べてブランドチェンジが少ない傾向があり、さらには、名前が知られているブランドを選ぶ傾向もあります。
新しいブランドは、大々的な宣伝で知名度を一気に高めます。
資金力に劣る中小企業の参入を阻み、大手の寡占がさらに進む要因となっています。
とはいえ、最近の若者は名のあるブランドにこだわらなくなっています。
ブランドよりも、カカオやFBなどSNSによるバイラルで選ぶ傾向が見受けられます。
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