日韓の印刷比較 その1
- 2012/12/5
- 日本語・印刷
韓国の印刷価格は、日本の6〜7割。品質レベルはほぼ同等。
なぜ、同じような品質で安く提供できるのでしょうか。
まずは稼働率
日本の総合印刷会社は、DTP、製版、刷版•印刷、製本•仕上げまで、全ての工程の設備をもっています。
また、名刺や封筒からチラシ、ポスター、書籍まで、どんな受注にも対応できるように設備を取り揃えています。
A社のDTP、製版、刷版•印刷、製本•仕上げともA社の受注した仕事を処理します。
B社もC社も同様です。A社が受注した案件をB社が処理することは基本的にありません。
チラシを受注すれば、チラシの設備は稼働しますが、ポスターの機械は回転休業ということもあります。
韓国の印刷は多くが完全分業で、独立採算です。
普段A社の仕事を負っているDTP、製版、刷版•印刷、A社の仕事がないときは、B社やC社の仕事もこなします。これにより、稼働率があがります。
2つめは専門特化。
たとえば、A4のチラシを1万枚印刷する場合、一般にはA2の印刷用紙に4面付けで印刷します。
印刷機の速度が1時間3千枚だとすると1万枚÷4面付、A2判2500枚の印刷ですから、印刷機を回している時間は1時間弱ですが、これに版をセットする時間とインクをセットする時間が加わります。
2色刷だと、DICカラーの配合表に併せてインクを練り、印刷機にセットします。
1 インクを練る
2 前に印刷したインクを取り除く
3 新たなインクをセットする
4 版をセットする
2色や4色が混在すると、セットは4つの工程になりますが、すべてがカラーだと、1〜3の工程は不要で、その分、時間が短縮でき、結果、コストも下がります。