危機管理
- 2015/6/10
- 韓国ビジネス
MERSは2012年に初めて確認され、2014年に感染者が急増した新型のコロナウイルスです。
このMERS関連で興味をひいたポイントを整理してみましょう。
まずは、事故原因と事故後の対応について見てみたいと思いますが、
韓国では昨年来、さまざまな事故・事件が起きています。
セウォル号転覆事故、上往十里駅地下鉄追突事故、盆唐の換気口崩落事故、道路陥没等々。
これらは、いずれも重過失による事故といえると思います。
今回のMERSの1次感染者は過失によるものか、不可抗力かは不明です。
この1次感染者は中東諸国を訪問後、到着時には無症状だったのが、11日に発症し、3箇所の病院で受診して、検査した結果、5月20日にMERS感染が確認されたということです。
検査で1週間程度かかるのはともかく、感染者の訪問先が多いほど拡散します。
適切な対応をしていれば、訪問先=2次感染を少なくすることができたかもしれません。
発見から2週間以上経過した6月6日昼頃、国民安全処が緊急災難メッセージを発信しました。
内容はMERSの予防で、(1)よく手を洗うこと、(2)咳やくしゃみは口と鼻をかくすこと、(3)発熱・呼吸器症状の人には接触しないことなど。
出さないよりはマシかもしれませんが、タイミングを失したと思える内容ですね。
また、7日になって、感染者が発生したり立ち寄ったりした病院と対策を公表しました。
MERSコロナウイルスに対する韓国政府の対策措置
http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/safety/safety_150607.html
MERSコロナウイルスに関する韓国保健福祉部HP掲載資料
http://www.kr.emb-japan.go.jp/people/safety/safety_150607_02.html
公表前からインターネット上で、感染者の確認場所に関する情報が飛び交っていて、リストを見ると20日の発見以降も2次感染や3次感染が広がっていったと想像できます。
この他にも、ラクダの生肉を食べないよう呼びかけたり、動物園のラクダを隔離したり、航空会社に防疫に努めるよう要請したものの具体的な防疫を回答できなかったりなど。
個人の対策を見てみると、市内では多くの人がマスクをしています。
PMの多い時期、日本は花粉症と重なることもあり、多くの人がマスクをしていますが、PMが深刻なはずの韓国で、マスクをしている人はごく僅かです。
ところが、今回のMERSでは、多くの人がマスクをしています。
このマスクが増えた理由として、2つの見方があります。
まずは、韓国でもマスクに対する認識が広がったという見方ができるかもしれません。
認識が広がったのであれば、今後も普及していくことと思います。
一方で、PMはMERSと比べて、怖いと思う人が少ないという見方もあると思います。
「PM2.5」「PM10」という呼び方は、「MERS」も同じですが、なにか得体が知れない印象を与えるのに対し、韓国でのPMの呼び名は「微細埃(미세먼지/ミセモンジ)」
なんとなく得体がわかりそうな印象を与えかねない呼び名です。
このマスクに対する認識の変化なのか、それとも語感イメージなのかは、来春のPMシーズンになるとわかると思います。
過失にせよ不可抗力にせよ、事故を完全になくすことはできませんが、事故が起こったあと、被害を最小限にとどめることは可能です。
危機管理意識が高っている今、政府等に頼らず、シミュレーションやマニュアル整備など、会社や個人でリスクマネージメントに取り組むタイミングなのかもしれません。
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■ イベント情報;韓国国際観光展
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今週まで、韓国国際観光展が開催されます。
興味がある方は観覧してみてはいかがでしょうか。
イベント名;韓国国際観光展(제30회 한국국제관광전)
期間;6月11日(木)~14日(日)
場所;COEX 1F A Hall
http://en.kotfa.net/?c=2/13
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■ あとがき
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先日、在韓日本人の間で米の話題がでました。
安全というと、日本では原発のように、国がどこまで公開しているのか、隠蔽しているのではないかという疑問が、たびたび提起されます。
韓国の対応を見ていると、国がどこまで把握しているのか、きちんと調べて対応しているのかとう疑問が湧いてきます。
何故なんでしょうか。