価格と品質 その2
- 2014/6/24
- 韓国ビジネス
自治体から住民に対する公式な伝達手段で、毎月、全世帯に配布します。年度はじめに入札を行いますが、町村内に受託できる業者がなかったり、限られるなどで近隣市町村の印刷業者が請け負うこともあります。
ある年、某市の印刷会社が隣接する村の広報をダンピング価格で受注しました。
印刷や広報は、建設などと違って最低価格がないため、極端なダンピング価格での落札もありえます。
この印刷会社はダンピング価格を繰り返し、複数年に渡って受注しましたが、数年後、限界に達して入札への参加を断念しました。
困ったのは発注者です。
ダンピング価格に合わせて予算を組んでいたため、落札する業者が現れず、入札を繰り返しても不調に終わります。
村の広報担当は予算を見直すことにしましたが、補正予算は議会の承認が必要で、住民への公式な伝達手段である「広報」が発行されない異常な事態となりましたが、担当者が相場を知っていれば回避できたはずです。
格安価格は、得をしたように思っても、前回書いたように品質低下を招くか、品質に比して安い価格は長続きはしません。
結局、困るのは発注者です。
質が低いと言いながら、実は相場とは離れた価格で発注していたり、安いと思って発注していたはずなのに徐々に値段が上がっていたりということも往々にしてあります。
品質に比して高い価格で発注・購入する必要は毛頭ありませんが、品質と比べて価格が妥当かどうか判断する目を持つことが大切です。
品質に見合う妥当な価格を維持することは、自社や発注先はもちろん、自社や発注先を取り巻く業界全体の健全な事業運営につながります。
「価格競争」はダンピングを招き、「品質低下」につながる。
「適正価格」による品質競争で「品質向上」を図ると自社にもプラスになる。
理屈ではわかっていても、常に実践できているのか。
定期的な検証は大切なことです。
おまけ:日本の味 In Seoul
仁寺洞の隠れ家「みやび家」
大阪出身で京都で包丁を学んだ宝蔵シェフのおすすめは、京都風しめさばと大阪新世界の味を再現した串カツ。
狭い路地裏のこじんまりとした店は、まさに「隠れ家」という言葉が似合います。