コンサートと国際化
- 2012/12/16
- 韓国生活と文化
オーケストラ、合唱、ソリストなど100人足らずですので、規模は普通ですが、プログラムによると、40カ国以上のメンバーで構成しています。
ソウルに住む40カ国以上のメンバーが、2ヶ月半の間、韓国の大学で教鞭をとるアメリカ人指導者のもと、ひとつになって、音楽を作りあげています。
聴衆の国籍も多彩です。
このメサイアを作曲したヘンデルもドイツで生まれで、イギリスに帰化しています。
ドイツのハノーファー選定侯の宮廷音楽家をしているときに、イギリスに渡って、ドイツに帰らずに、イギリスに滞在していました。
イギリスのアン王女が亡くなり、ヘンデルがドイツで仕えていたハノーファー選定侯が、ジョージ1世として、イギリス国王に迎えられ、宮廷で音楽活動を続けました。
このジョージ1世も子のジョージ2世もイギリス国王とハノーファー選定侯を兼ねていたので、両国を行ったり来たりしていたため、国王の代わりに政務を執る首相を置きました。
「君臨すれども統治せず」といわれる制度は、このジョージ1世、ジョージ2世のときに、端を発しています。
話を戻すと、昨日のコンサートは、アメリカ、カナダ、フランス、もちろん韓国などソウルに住む40カ国以上のメンバーで構成されています。
韓国は内需が小さく、貿易、特に輸出が国の経済を支えています。
自動車や造船、家電、携帯電話など、日本をはじめとする各国の技術を取り入れ、国内で生産•加工し、アジアや欧米に輸出しています。
外国の文化や外国人に対して寛容である以上に、積極的に取り入れています。
日本では、大企業は以前から海外に出ていますが、最近は、中小企業でもグローバル化などと言って、英語を学んだり、いろいろな国に視察に行ったりすることが流行っていますが、出て行くだけではなく、呼んで来て、一緒に何かをすると、その人が育った国や国民性に接することもできます。
自国を離れて海外で暮らす人々は、自分の国を客観的に見ているものです。