オフセット印刷・デジタル印刷・マスター印刷

いままで、個々に説明してきましたが、書籍や事務用印刷には、オフセット印刷、デジタル印刷、マスター印刷の3種類があります。

オフセット印刷は、高速多ロットに向く印刷で、3種類のなかで、最も高品質な印刷です。
印刷するデータをPS版という版に焼き付け、インクを転写して印刷します。
PS版は、1色(1種類のインク)につき1枚、必要となります。

枚葉印刷機と輪転印刷機の2種類あり、枚葉印刷機は1枚ものの印刷用紙を送りながら印刷します。
印刷機と印刷用紙のサイズは、菊全版、菊半裁版、菊四裁版、四六版、四六半裁版などがあり、もっとも小さいのは菊四裁版というA3判に余白を付けたサイズですが、持っている印刷所は少なく、とくにソウルでは、A1判に余白を加えた菊全版か、A2判に菊半裁が一般的です。
A4を印刷する場合、菊全版で8面を、菊半裁版で4面を一緒に印刷することができます。
書籍だと8ページまたは4ページを一緒に、チラシやリーフレットは4枚または8枚を一緒に印刷します。
この4ページまたは8ページをPS版に並べて転写する作業を、日本では面付け、韓国では「ハリコミ」といいます。

オフセット輪転機は、ロール紙を使って印刷します。
トイレットペーパーを大きくしたような形状の印刷用紙です。
枚葉印刷機よりも格段に高速で印刷できますので、新聞など5〜10万部以上の大量印刷で使います。

枚葉機も輪転機も、刷り色ごとにドラムがあり、1色ずつ順に印刷します。
印刷する順番には特に決まりがなく、オペレーターによって異なります。

デジタル印刷は、オフィス用プリンターを高速、高品質にした印刷機をイメージすると良いでしょう。
オフィスプリンターと同じように、トナー方式とインクジェット方式が有り、データを色別に分けて、トナーやインクを印刷用紙に噴射して印刷します。
オフィスプリンターと比べて、細密な印刷が可能で、オフセット印刷に近い仕上がりもできますが、オフセット印刷と比べてランニングコストが高いことから、1部〜数百部程度の小ロット印刷で使います。

マスター印刷は、昔よくあったガリ版を機械にセットした印刷です。
まず、データをマスターという版に転写し、そのマスターにトナーを転写して印刷します。
報告書をはじめとする品質よりも価格を重視する数十部から数百部程度の1色刷の小冊子の印刷に向きます。

kazNewsweek記者

投稿者プロフィール

広告プランナー兼フォトグラファー。広告印刷とWEBプランニングに従事して早20年。日系企業の韓国ビジネスに詳しい。韓国経済や社会文化情報の発信を行い、外国人生活モニターとしてソウル市に改善提案を行っている。
週末には日韓米豪いろんな国の人たちと趣味の音楽を愉しんだり、カメラ片手にソウルや近隣をここかしこ徘徊したりしています。

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