往年の名機

往年の名機といえば、人によって違うと思いますが、主観的名機を紹介します。

まず、1位はNikon Fです。
「ニコン初の一眼レフファインダー式カメラ」というより、35mm判フィルムを使った初の日本製プロユース機と云っても良いでしょう。
1959年に発売で、東京オリンピックで活躍して不動の地位を得ました。
アメリカ航空宇宙局向けの特殊モデルもあって、アポロ15号とスカイラブ計画に採用されました。

50〜60年代は、日本製は安かろう悪かろうというイメージがありましたが、Nikon Fによって日本製カメラの品質が世界で認められました。
いまデジタル一眼レフは、日本メーカーで90%を超えるシェアとなっていますが、その第一歩がこのNikon Fだったと云っても過言ではないでしょう。

主観的第2位はCanon A-1です。
シャッタースピード優先オート、絞り優先オートに加えて、はじめてプログラムオート、つまり、シャッタースピードも絞りもカメラが自動で検出してくれて撮影ができる機能が搭載された一眼レフで、1978年発売です。
写真を撮るとき、まずはISO感度を設定し、次に露出を合わせます。
それから構図やピントを合わせてシャッターを切ります。
この露出は光源によっても変わるので、ことに一眼レフで写真を撮る人にとって、一番、わかりづらいハードルだと云えます。
この露出をカメラが自動で合わせてくれる機能は、いまのデジタル一眼レフでは当たり前となっていますが撮影者にとって画期的なことなのです。

主観的第3位は、PENTAX ME-Fです。
世界ではじめて量産されたオートフォーカス一眼レフで、1981年に発売されました。
ただ、合焦精度が高すぎて、被写体のごく微妙な動きすら検知してしまい、慣れた人であれば、マニュアルで合わせる方が早かったのと、AFに対応しているレンズが35mm—70mmの標準ズームが一本だけで、しかもレンズを動かすモーターと電池がレンズの下部に入っていたため、レンズサイズが大きく普及しませんでした。

一位のNikon Fは異論がないと思います。
はじめてプログラムオートが搭載されたCanon A-1とはじめてオートフォーカスが搭載されたPENTAX ME-Fは意見が分かれるところですが、実用面で、Canonを上位としました。

かつて、この画期的な一眼レフを産み出した3社だけが、現在、デジタル一眼レフを量産しているというのはたまたまなのか、それとも必然なのか、興味があるところです。

なお、写真はCanon A-1は著作権上、使用可能な写真がないので、NikonとPENTAXのみ紹介します。

800px-Nikon_F_DSC_6498_(2).jpg
NikonF

800px-Pentax_ME-F.jpg
PENTAX ME-F

kazNewsweek記者

投稿者プロフィール

広告プランナー兼フォトグラファー。広告印刷とWEBプランニングに従事して早20年。日系企業の韓国ビジネスに詳しい。韓国経済や社会文化情報の発信を行い、外国人生活モニターとしてソウル市に改善提案を行っている。
週末には日韓米豪いろんな国の人たちと趣味の音楽を愉しんだり、カメラ片手にソウルや近隣をここかしこ徘徊したりしています。

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