韓国の携帯電話・インターネットガイド〜滞在期間別の選び方
韓国で使う携帯電話・インターネットは、滞在期間と外国人登録証の有無でほぼ選択肢が決まる。数日〜数週間の短期滞在ならプリペイドSIMかeSIM、外国人登録証を持つ長期滞在者なら韓国人と同じ後払い契約や格安SIMが使える。ここでは滞在パターン別の選び方と、日本へ一時帰国するときの通信手段を整理する。
滞在期間で決まる3つの選択肢
大きく分けて、プリペイド(先払い)契約、後払い契約、Wi-Fiレンタルの3通りがある。判断の分かれ目は外国人登録証を持っているかどうかだ。
韓国の制度では、合法的な滞在期間の残りが60日以内の場合、通常の後払い携帯電話には加入できない。この場合はプリペイド(先払い)契約を利用することになる。また、パスポートで開通した番号は90日以内に外国人登録証で名義変更をしないと解約扱いになるため、長期滞在予定なら登録証の取得後に手続きを済ませておきたい。
短期滞在:プリペイドSIMとeSIM
出張や旅行など90日未満の滞在では、プリペイドSIMかeSIMが主流だ。SKテレコム(SKT)・KT・LG U+の3社がいずれも短期向けプランを用意しており、仁川・金浦の各空港カウンターやオンラインで購入できる。
ネットワーク品質は一般にSKTが最も安定しているとされ、KT、LG U+と続く。一方でLG U+は料金が安い傾向にあり、ソウルなど都市部での利用が中心なら実用上の差は小さい。地方の山間部まで足を延ばす予定があるかどうかが選択の目安になる。
注意したいのは電話番号の有無だ。eSIMのプランには、データ通信のみで韓国の電話番号が付かないものがある。飲食店の予約や宅配の受け取り、韓国国内のサービス登録には電話番号が必要になる場面が多いため、番号が必要かどうかを購入前に確認しておきたい。料金は日数とデータ量で幅があるので、渡航前に各社サイトで最新のプランを比べるのが確実だ。
長期滞在:後払い契約と格安SIM(アルトゥルポン)
外国人登録証があれば、韓国人と同じ条件で後払い契約ができる。大手3社の店舗のほか、近年は格安SIM(韓国では「알뜰폰/アルトゥルポン」と呼ぶ)の選択肢が広がっている。大手3社の回線を借りて提供されるサービスで、同じ通信品質のまま月額料金を大きく抑えられるのが特徴だ。
以前は外国人の申し込みに窓口来店が必要なことが多かったが、オンラインでの本人確認に対応する事業者が増え、入国後すぐに自分で開通できるサービスも登場している。ただし事業者によっては居所申告書(거소증)では申し込めない、本人確認画面で氏名をハングル入力しなければならないといった制約が残る場合もある。契約前に外国人受付の可否を確認しておくとよい。
Wi-Fiレンタルという選択肢
複数人で1台を共有する場合や、日本の端末をそのまま使いたい場合はモバイルWi-Fiのレンタルが便利だ。ただし日数に比例して費用がかさむため、滞在が長くなるほど割高になる。数週間を超える滞在なら現地のSIM契約のほうが安く済むことが多い。
なお、かつてKTやSKテレコムが提供していた「WiBro(ワイブロ)」という移動体無線通信サービスは、2018年12月末をもって完全に終了している。古い情報サイトでは今も「Eggを借りる」といった記述が残っていることがあるが、現在は利用できない。
市中Wi-Fiと通話アプリ
韓国はインターネット環境が整っているといわれるが、街なかで誰でも自由に使えるWi-Fiが豊富というわけではない。地下鉄やカフェ、デパートなどにあるWi-Fiの多くは、携帯通信会社が自社契約者向けに提供しているものか、店舗が利用客向けに出しているものだ。滞在中の通信を市中Wi-Fiだけでまかなうのは現実的ではない。
一方で通話については事情が異なる。韓国ではカカオトークの利用率が非常に高く、日本人同士ではLINEも使われる。通話アプリの無料通話機能を使えば、電話番号を持たなくても連絡は取れる。留学生や駐在員の家族など、韓国国内での通話がほとんどない場合は、データ通信だけの契約にして通話はアプリで済ませるという方法もある。
日本へ一時帰国するときの通信
日本に住民票がない状態で一時帰国する場合、選択肢は国際ローミング、レンタル、一時帰国向けSIM・eSIMの3つになる。
日本での滞在が短く、電話もほとんど使わない場合は、韓国の契約のまま国際ローミングを使うのが手軽だ。スマートフォンなら特別な手続きは不要なことが多い。ただし通話料は割高に設定されているため、長電話には向かない。データ通信は従量制と1日定額制があり、定額制を選べば使いすぎを防げる。
帰国の頻度が高い、または日本の電話番号が必要な場合は、海外在住者向けの一時帰国用SIM・eSIMが便利だ。日本の住民票がなくても契約でき、パスポートによる本人確認で開通できるサービスがある。使わない月は基本料がかからない、あるいは年額のみで同じ番号を維持できるタイプもあり、帰国のたびに番号が変わる不便を避けられる。
1か月以内の短期滞在なら、契約手続きの不要なプリペイドeSIMが手軽だ。大手キャリアの代理店は短期解約を受け付けないことが多いため、短期利用を前提とするなら最初からプリペイドを選んだほうが確実だろう。
よくある質問
Q. パスポートだけで韓国の携帯電話を契約できる?
A. プリペイド契約なら可能だ。ただしパスポートで開通した番号は90日以内に外国人登録証で名義変更しないと解約扱いになる。長期滞在なら登録証の取得後に手続きを。
Q. 滞在期間が残りわずかでも契約できる?
A. 合法的な滞在期間の残りが60日以内だと通常の後払い契約はできない。プリペイド契約を利用することになる。
Q. eSIMなら電話番号も付いてくる?
A. プランによる。データ通信のみで韓国の番号が付かないものもあるため、予約や宅配で番号が必要なら購入前に確認したい。
Q. 格安SIM(アルトゥルポン)は外国人でも使える?
A. 外国人登録証があれば申し込める事業者が多く、オンラインで自分で開通できるサービスも増えている。ただし居所申告書では不可など、事業者ごとに条件が異なる。
Q. WiBro(Egg)はまだ使える?
A. 使えない。2018年12月末にサービスが完全終了している。現在はスマートフォンのテザリングかWi-Fiレンタルで代替する。
Q. 一時帰国のたびに日本の電話番号が変わるのが不便だが?
A. 海外在住者向けの一時帰国用SIM・eSIMには、使わない月の基本料を抑えつつ同じ番号を維持できるタイプがある。


