韓国・青瓦台再移転の舞台裏 ── シャーマン、盗聴器、そして失われる高麗遺跡
李在明(イ・ジェミョン)政権が発足して約半年経った12月8日、韓国大統領府を龍山(ヨンサン)からもともとの青瓦台(チョンワデ)に戻す再移転作業が始まった。わずか3年で2度目の移転となる。前任の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は「帝王的大統領府」の象徴とされた青瓦台を離れ、警備上の理由から国防部庁舎へ移転していた。李在明大統領は「龍山は尹政権のイメージが強い」として、再び青瓦台に戻すことを決めた。
この再移転には多額の費用がかかる。政府は移転費用として259億ウォンを計上し、国防部ももともと龍山にあった機能を戻すため238億ウォンの再移転費用を要求している。青瓦台周辺は高麗時代に王族が住んでいたとされる歴史的な土地で、朝鮮王朝の始祖・李成桂(イ・ソンゲ)が景福宮を創建した場所でもある。日本統治時代には朝鮮総督府庁舎や総督官邸が建てられ、大韓民国成立後は歴代大統領の官邸として使われてきた。
移転の背景には別の噂もある。長年使われてきた青瓦台には内外の盗聴器が仕掛けられている可能性が拭えず、検察出身の尹錫悦前大統領は歴代大統領を摘発してきた検察の教訓からこれを警戒したとされる。加えて弾劾後にシャーマンとの関係が取り沙汰された尹氏は、歴代大統領が不遇な最期を迎えたのは青瓦台の風水のせいだとする助言に従い移転を決めたとの見方もある。一方、青瓦台一帯では高麗時代の遺物が確認されており、再移転によって発掘調査は事実上不可能になったほか、施設管理を担ってきた約200人の雇用問題も浮上している。
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韓国・青瓦台再移転の舞台裏 ── シャーマン、盗聴器、そして失われる高麗遺跡(外信記者・佐々木和義)



