日中対立の狭間で揺れる韓国 ── 李在明の「二股外交」は成功するか
日本と中国の対立が深まるなか、韓国の李在明(イ・ジェミョン)政権が難しい舵取りを迫られている。中国は韓国にとって最大の貿易相手国であり、輸出全体に占める割合は約19.5%に達する。一方で安全保障は米韓同盟を基軸とし、日本とも協力を深めざるを得ない。李在明政権はこの構造のなかで、どちらか一方に肩入れせず利益を最大化する「二股外交」を志向している。
歴代政権の対中・対日スタンスは振り子のように揺れてきた。朴槿恵(パク・クネ)政権は米中双方に、文在寅(ムン・ジェイン)政権は中国寄りに、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は日米重視に傾いた。李在明政権は「国益中心の実用外交」を掲げ、日中双方との等距離を保とうとしている。中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)には参加する一方、TPP(環太平洋パートナーシップ)には慎重な姿勢を取るなど、経済圏をめぐる選択にもその特徴が表れている。
韓国が最も避けたいのが台湾有事への巻き込まれだ。米韓同盟やNATOグローバルパートナーとしての立場上、米国が参戦すれば協力を迫られる可能性がある一方、日本と異なり台湾有事を対岸の火事と捉える向きも強い。さらに電子入国申告書で台湾が「China(Taiwan)」と表記された問題を巡り台湾側が抗議し、頼清徳総統も韓国を批判するなど、対中融和の余波は対台湾関係にも及んでいる。「二股外交」が現実主義的な生き残り戦略となるか、双方の信頼を失う結果を招くか、李在明政権の外交手腕が問われている。
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日中対立の狭間で揺れる韓国 ── 李在明の「二股外交」は成功するか(外信記者・佐々木和義)



