社長第一主義
- 2013/2/23
- 韓国ビジネス
ソウルを訪問すると、日本語を話す韓国人が多いことに気づきます。
韓国は教育熱が高く、高校に入ると英語に加えて、第二外国語も学びますが、一番人気が日本語だそうです。
ちなみに、2番人気は、かつては独語と仏語だったのが、最近は中国語が多いようです。
韓国人のなかには、自分の経験や自分の主観を「韓国では〜」とあたかも、一般論のように話す人が少なくありません。
一人の意見に耳を傾けるのではなく、一人でも多くの意見を求めて判断する必要があります。
日本には「お客様第一主義」を掲げる会社が多いのですが、韓国は「社長第一主義」の国柄です。
ある企業の日本人社長を親しい日本人が訪ねたときのこと。
お茶をもってきた秘書は、まず、社長にお茶を出し、そのあとで客に茶を出したといいます。
お客様より上司、上司より社長、社長より会長が優先します。
韓国は世界で最も社長の割合が高い国といわれるくらい個人事業者が多いのですが、大企業といえども、大抵が財閥系でオーナーがいます。
オーナーの肩書きが会長です。
近世の韓国は絶対王政で、「上には絶対服従」の文化があり、さらに、男子は徴兵制度がありますので、軍隊で上司には絶対服従を植え付けられていることに由来するのでしょう。
上司の指示に異論があっても反論せず、諾々と従いますが、ストレスを感じてノイローゼになる人も多く、早期退職の一因にもなっています。
中間管理職は、自分の権限を誇示する傾向があり、前任者からの引き継ぎは全くありません。
担当者、あるいは、部署の責任者が代わると、方針もすっかり代わってしまい、前任者との約束が反故になることも珍しくありません。
取引先の担当者や担当部署の責任者が代わったときは要注意です。
韓国の現代、サムスン、LGなど大企業といえども財閥系の同族会社で、オーナー家は絶対です。
重役といえども、オーナー家には逆らえませんし、まして会長に逆らうことはできません。
担当レベルで協議した内容がトップのひと言で反故にされることも珍しくありません。
役所もトップダウンの傾向があり、いまの上司はもちろん、かつての上司だったOBのひと言で決定が覆ることもあります。