恭順と責任回避
- 2015/7/8
- 韓国ビジネス
先週のつづき
韓国の飲食店など、片手でサービングして、もう片方を背に当てて給仕する人を目にします。
また、韓国のいわゆる時代劇を見ると、手を隠して歩いている場面がよくありますが、いずれも儒教の考え方にある手や足を隠して恭順を示す所作に由来するようです。
相手に恭順の意を示す所作は、上と下を重視する社会につながります。
職制が上位など、優位な立場の人は、(職制ではなく)自分が偉くなったと勘違いし、職制が下位となった人は、自分(という人間が)下位になったと勘違いします。
その勘違いが深刻な問題を引き起こします。まずはパワハラ。
「からくれないNo.69 パワハラ」https://pluxpr.wordpress.com/2015/03/24/
立場が優位な人が(職制等の)権限を越えたハラスメントです。
そして、例えばあるスタッフが立案した内容が、’職制’が上の人の意に沿わないと、その’内容’ではなく、立案した’個人’を問題にします。
’スタッフ’は責任を回避し、自らの考えで行動せず、上司の指示を待ちます。
重大な問題になると、上司もまたさらに上の指示を待ちます。
現場は責任を回避して上の指示を待ち、現場責任者もさらに上の指示を待つため、一向に物事が進まない事態になりかねません。
往々にして見られる現象です。
トラブルが起きたときも同様です。
たとえば、私たち企画会社がイベントを手がけるときにはトラブル対策も検討します。
大きなイベントであればマニュアルを作成します。
トラブルが起きたら、現場でマニュアルに従って処置するので早急に処理できますが、規模が大きくなればなるほど、マニュアルにない’想定外’が起こりえます。
そこで、想定外の事態が起こった場合に、どの分野のトラブルは誰が判断するのかを事前に決めておきます。
早急な対応ができ、また仮に判断を間違えても、その判断が権限の範囲内であれば、その人に委任した関係スタッフ全員の連帯責任で、個人が責任を負うことはありません。
当人は自信をもって決断することができるし、範囲外ならその範囲の責任者に委ねます。
マニュアルは、トップから下位の職制まですべてのスタッフを拘束するのが原則です。
トップが変わった途端に、マニュアルを反故にして権限を揮うようになると、マニュアルが無意味になってしまいます。
(新しいトップの)マニュアルや方針が定まらない状態でトラブルが発生すると、トップが決断を下すまで物事が進まず、どんどん被害が拡大していきます。
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