印刷業界用語 その2
- 2012/12/25
- 日本語・印刷
小森、三菱、RYOBIなど、印刷機メーカーのサイトを見ると、菊全版や菊半裁などの機械はありますが、A4判の機械はありません。
菊四裁というA3判+余白の機械はありますが。
では、A4判はどうやって印刷するのかというと、例えば菊半裁の印刷機で印刷する場合、A4を4面並べて印刷します。
この並べる工程を「面付け」といいます。
書籍印刷でも、8ページまたは16ページを1枚の用紙に印刷して、折ってから裁断します。
この並べる工程も面付けです。
チラシなどは並べるだけですが、書籍は面付けを間違えるとページ順にならないので、面付け作業はベテランでも記憶に頼らず、確認しながら行います。
オフセット印刷では、デザインデータを刷り色ごとにプラスチックのフィルムで出力して、そのフィルムをPS版というアルミ板に転写します。
カラー印刷は4色なので、フィルムもPS版も4枚ずつ必要になります。
チラシなど、1枚もののリーフレットでは、A4判(+余白)の大きさのフィルムを出力してから、フィルムをPS版に焼き付ける「刷版」工程で面付けをします。
書籍は、面付けをしてからフィルムを出力します。
最近は、デジタル印刷も普及しています。
オフセット印刷は、4つのインクをそれぞれの色のドラムで印刷します。
印刷機を動かしながら、4つの色の位置や色の濃度を合わせるので、予備紙が必要になります。
デジタル印刷は、基本的な仕組みは家庭や事務所で使っているプリンターと同じで、1枚目からそれぞれの色合いも位置も合った状態で印刷できます。
オフセット印刷は大量印刷、デジタル印刷は小ロットの印刷に適しています。
デジタル印刷は、オフセットに比べると用紙の選択の幅が小さいのですが、仕上がりが早く、1枚からでも印刷できる利便性があります。
デジタル印刷は、日本ではオンデマンド印刷、韓国ではインディゴ印刷と呼びます。
オンデマンドは「要求があり次第迅速に対応」という意で、インディゴは、HPのデジタル印刷機のブランド名から来ています。
1枚の紙に16ページを面付けする事例を掲載します。
印刷したあと折って裁断すると、ページ順に並びます。