十字架とカネと票 ── 旧統一教会から広がる韓国「教団=小財閥」の構図
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の韓鶴子(ハン・ハクジャ)総裁が2025年9月23日、ソウル中央地裁の拘束令状発付を受けて身柄を拘束された。総裁の容疑は、教団幹部を通じた政治資金の提供、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領夫人・金建希(キム・ゴニ)氏への高級品贈与にまつわる請託禁止法違反、業務上横領、証拠隠滅教唆など多岐にわたる。教団の資金と信者を動員して政治に影響を及ぼそうとした構図が問題視されている。
韓国の旧統一教会をめぐる問題は、日本のそれとは性質が異なる。日本で問題とされたのは信者の過剰な献金と生活破綻だったが、韓国で焦点となっているのは教団の政治的影響力だ。とりわけ、前政権の与党「国民の力」の党代表選挙を前に信者を大量入党させたとされる疑惑が注目されている。資本と票を束ねて国家の意思決定に影を落とす──「政教分離」の原則に反するとの批判が強い。
こうした構図は旧統一教会に限らない。韓国では一部の新興宗教が不動産、メディア、教育などの事業体を抱え、「教団=小財閥」と呼べるような経済的・政治的影響力を持つ例が見られる。信仰と資本と政治が結びつく構造は、韓国社会の一つの断面を映している。総裁の逮捕は、その氷山の一角を可視化したにすぎないのかもしれない。
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十字架とカネと票 ── 旧統一教会から広がる韓国「教団=小財閥」の構図(外信記者・佐々木和義)



