債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務処理めぐり「バッドバンク」構想で大論争
李在明(イ・ジェミョン)大統領が就任して2カ月の韓国で、経済立て直しの目玉政策として「バッドバンク」の設立が議論されている。バッドバンクは本来、金融機関の不良債権を買い取って市場から切り離し、金融システムを安定化させる資産管理会社だ。だが今回韓国で議論されているのは、李在明が大統領選の公約に掲げた、コロナ禍の緊急支援貸出の帳消し・調整を目的とするものである。
背景には切迫した数字がある。金融当局がコロナ禍で中小事業者に行った満期延長47兆4,000億ウォンと元利金償還猶予2兆5,000億ウォン、合わせて約50兆ウォン(約5兆3,000億円)が9月に満期を迎える。韓国資産管理公社(KAMCO)が把握する債務調整申請も4月末時点で20兆3,173億ウォン(12万5,738人)に達し、うち約15兆ウォンが手付かずのまま残されている。
政策の是非をめぐっては「債務者救済か、モラルハザードか」という根本的な対立がある。真面目に返済してきた人々との公平性を欠くという批判に対し、李在明は「返済能力がなければ減免すべきだ」との立場を崩さない。李在明が城南市長時代に設立した債務帳消しのための非営利法人「ジュビリー銀行」モデルの再現とも見られ、財源をめぐる議論も続いている。コロナ後遺症に苦しむ韓国経済への処方箋が、薬となるか毒となるかが問われている。
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債務者救済かモラルハザードか 韓国50兆ウォン債務処理めぐり「バッドバンク」構想で大論争(外信記者・佐々木和義)


