ワンコイン
- 2014/10/21
- 韓国生活と文化
皆様の職場周辺はいかがでしょうか。
東京はここ数年、昼食代はもとより、値上がりしている消費材は少ないのですが、ソウルは値上がりしているものが多く、多くの消費材が東京の物価を上回っています。
経済に詳しい人だと、デフレ基調とインフレ基調というかもしれませんが、500円硬貨もその要因のひとつと考えます。
1982年に登場した500円硬貨は、いまは世界で2番目に高額な硬貨で、100円均一と並んで、ワンコインブームの火付け役となりました。
日本では昼食や日用品など、硬貨で払う機会が多く、100円ショップや1皿100円の回転寿司、さらには500円ランチなど、ワンコインがブームとなっています。
ワンコインを提供する飲食店や小売店など、ワンコインの値段に合わせるため、仕入れはもちろん、人件費、運営費など円単位のコスト管理に取り組んでいます。
ワンコインサービスを提供しない店も、多くがワンコイン店より質が落ちないよう、「金額に見合うサービスや品質」に取り組んでいます。
日本の消費者は、500円硬貨でお釣りがくれば、多少のことは目をつぶりますが、500円硬貨1個を超えると、味やサービスにシビアになります。
片や韓国はというと、最高額硬貨である500Wで買えるモノは限られます。
カード払いが普及しており、5000W以下、あるいは1万W以下なら現金で、超えたらカードで払うことが多いのではないでしょうか。
5000Wで買えたものが5500Wに値上げしてもカードで払うので、現金払いに比べて値上げの実感は少ないのです。
日本では100円や500円が消費代金を測る基準になっているのに対し、韓国では100Wや500Wは値上げ幅の基準になっています。
また韓国では、値段を確認せずに払う人も多いので、サービスを提供する側は、コスト削減に取り組むことなく、
原価があがったり、あるいは従業員の不満がでたりすると、そのコストアップに便乗して代金に上乗せをするだけ。
いとも簡単に値上げします。
つまりは、コスト意識が高い東京を、コストにルーズなソウルが上回っているという点も見逃せないと思います。
それにしても、6000~8000Wのランチを食べたあとに、5000~6000Wのコーヒーを飲む感覚には、いまだに違和感を感じます。