ソウルの自転車利用ガイド ― 公共自転車タルンイの料金と使い方【2026年版】
ソウルの自転車事情は、この10年ほどで大きく変わった。かつては「危ないから」と敬遠され日常の足として定着していなかったが、ソウル市の公共自転車「タルンイ(따릉이)」が普及し、地下鉄駅からの短い距離を埋める移動手段として使われるようになった。外国人観光客も利用でき、アプリは日本語に対応している。ここでは料金と使い方、そして知っておきたいソウル特有の事情を整理する。
タルンイの料金 ── 1日券は1,000ウォンから
利用券は「1日券」と「定期券」に分かれる。1日券は非会員でも購入でき、定期券は会員登録が必要だ。
1日券(会員・非会員とも可)
- 1時間券:1,000ウォン
- 2時間券:2,000ウォン
- 3時間券:3,000ウォン
定期券(会員のみ/1時間券・2時間券の順)
- 7日券:3,000/4,000ウォン
- 30日券:5,000/7,000ウォン
- 180日券:15,000/20,000ウォン
- 365日券:30,000/40,000ウォン
ここでいう「1時間券」「2時間券」は1回あたりの基本貸出時間を指す。30日券を買えば期間中は何度でも乗れるが、1回の走行が基本時間を超えると追加料金がかかる、という仕組みだ。
基本時間を超えると5分ごとに200ウォンが加算される。ただし基本時間内にいったん返却して借り直せば、追加料金は発生しない。長く移動するときは、途中の返却所で一度返してすぐ借り直すのが定石になっている。
借り方 ── アプリで完結する
貸出は「ソウル自転車(서울자전거)」アプリから行う。自転車にはLCD画面が付いたタイプとQRコードのタイプがあり、いずれもアプリで操作する。
外国人観光客向けの案内も用意されている。アプリは英語・中国語・日本語に対応し、海外発行のクレジットカードでも決済できる。短期の出張や旅行でも使えるということだ。
返却場所は自由で、借りた場所に戻す必要はない。返却所(貸出所)は地下鉄の出入口、バス停、団地、官公庁、学校などに置かれており、公共交通との接続を意識した配置になっている。なお満12歳以下は利用できない。
ソウルは坂が多い ── 使いどころを選ぶ
便利になった一方で、地形の制約は変わっていない。ソウルは坂の多い街だ。南山の周辺や江南の一部などは勾配がきつく、自転車を押して歩く場面が出てくる。
自転車が日常の足として根づかなかった背景には、交通量の多さだけでなくこの起伏があったと考えられる。坂を上れないぶん、先に普及したのがバイクだった、という見方もできる。
したがってタルンイは、平坦な区間の短い移動——地下鉄駅から目的地までの1〜2キロ、漢江沿いの移動——に向く。目的地までの経路に急な坂があるかどうかは、事前に地図で見ておくと失敗が少ない。
漢江の自転車道とサイクリング
漢江沿いの河川敷には自転車専用道が整備されており、休日にはスポーツとして走る人が多い。信号がなく車も入らないため、長い距離を走るならここが快適だ。
ただし河川敷という性格上、日常の通勤経路としては使いにくい。レジャーとしてのサイクリングと、移動手段としてのタルンイは、用途が分かれていると考えるとよい。
地下鉄への自転車持ち込み
自分の自転車を持っている場合、地下鉄への持ち込みができる時間帯がある。ラッシュアワーを外せば可能という運用で、路線や曜日によって条件が異なるため、乗る前に確認しておきたい。折りたたみ式であれば制限は緩やかだ。
よくある質問
Q. 外国人でもタルンイを使えますか。
A. 使えます。アプリが日本語に対応しており、海外発行のクレジットカードで決済できます。1日券は非会員でも購入できます。
Q. 30日券を買えば乗り放題ですか。
A. 期間中は何度でも借りられますが、1回の走行が基本時間(1時間または2時間)を超えると5分ごとに200ウォンかかります。基本時間内に一度返却して借り直せば追加料金は発生しません。
Q. 借りた場所に返さないといけませんか。
A. いいえ。どの返却所に返してもかまいません。地下鉄駅やバス停の近くに多く設置されています。
Q. ソウルは自転車で走りやすいですか。
A. 場所によります。坂が多く、南山周辺や江南の一部は勾配がきついため、平坦な区間の短距離移動に向きます。漢江沿いの自転車道は走りやすい環境です。
Q. 自分の自転車を地下鉄に持ち込めますか。
A. ラッシュアワーを外せば持ち込める運用ですが、路線や曜日で条件が異なります。折りたたみ式なら制限は緩やかです。


