ソウルに春を告げるもの
- 2010/4/24
- コラム
今年の天候は異常で、日本では大雪や強風の被害が多かったと思います。
韓国でも今年は大雪での被害が深刻で、いまだに気温が上がらず春と言うには、
まだまだ肌寒い日々が続いています。
例年より遅れて開花している桜は今が真っ盛りですが、天気が悪いため花見で
気分爽快とはいかないようです。
さて日本人は異常なほどの桜好きですが、韓国では花見でフィーバーする風習はありません。
韓国に一番に春を告げるのは「ケナリ(レンギョウ)」の黄色い花。
韓国人は、この花をこよなく愛しているように見えます。
ただ、その表現方法は日本人とはまた違って「密かに愛でる」といった感じでしょうか。
韓国人の豪快な性格を思えば、この花は小さくて可憐で、韓国人にそぐわない印象があります。
しかし豪快で性急で、という一方で静かに悲しみを忍耐し受け入れようとする「恨(ハン)の心」という性格も持ち合わせているのが韓国人です。
私はそんな韓国人の性格の一端をこのケナリが象徴しているように感じるのです。
一方ではまた、国花の「ムグンファ(無窮花/むくげ)」。
この花は7〜9月に咲き、雨が降っても風が吹いてもしぶとく咲き続ける花で、
韓国人の性格を象徴すると一般に言われ、パッと咲いて潔く散る桜が日本人の象徴とし、
この2つは国民性の違いとしてよく比較されます。
ケナリとムグンファ。相反する2つの花ではありますが、私にはケナリ的性格が、
古き良き韓国人の本質ではないかと思っているのです。