
Newsweek ぼったくりはソウルの”文化”?「隙あらば狙う」外国人相手の悪質商法が根絶できない理由
観光客が集まるソウルで、外国人を狙った「ぼったくり」がなぜ根絶できないのか。旅行者を標的にした悪質商法の実態と、その構造的な背景を特派員が現地から報告する。

韓国の石油危機「守るべきものを守れなかった」── 緊急備蓄90万バレルがベトナムへ流出した真相とは
ホルムズ海峡の封鎖でタンカーが足止めされ、石油の9割をホルムズ経由に頼る韓国では価格の高騰が続いている。4月6日時点で韓国関連の船舶26隻がペルシャ湾内に留まり、政府には海峡通過を交渉する手段がない。そのさなか、蔚山の備蓄基地にあった緊急用の備蓄原油90万バレルが海外へ流出していたことが判明した。韓国石油公社が優先購入権を行使しなかったため、所有者のクウェート国営石油会社がベトナムの精油会社と販売契約を結んでいたのだ。流出量は韓国の消費の半日分にあたる。

韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
韓国政府が、所得や年齢に関わらず生理用ナプキンを無償支給する制度を導入すると発表した。年齢や所得を問わない普遍的な配布は、アジアでは韓国が初となる。今年度予算30億ウォンを計上し、7月から12月まで住民センターなどで試験運用、2027年度から本格実施する計画だ。背景にあるのは、諸外国と比べて39.6%高いという価格。メーカーの寡占と安全性問題が高額の理由とされる。生理用品を買えずに靴の中敷きで代用していた少女たちの存在が報じられてから、ちょうど10年での制度化である。

韓国・週4.5日労働制が問いかけるもの ──「月曜病」解消の一方、空洞化と失業が進む隣国の苦悩
週のうち4日をフル稼働、1日を半休とする週4.5日労働制は、李在明大統領が掲げた公約の一つだ。京畿道の試験事業では、参加企業へコンサルティング費や勤怠管理システムの構築費が支援され、労働者1人当たり月最大26万ウォンの賃金も補填される。導入企業の一つは売上が前年比20%増、参加企業の社員の52%が生産性の向上を実感したと回答した。一方で取引先が週5日制のため金曜の対応が難しく、隔週4日制へ切り替えた例もある。「月曜病」の解消という光の裏で、空洞化と失業という影も同時に進んでいる。

韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
中東の戦場で初の実戦投入を果たした韓国製の地対空誘導ミサイル「天弓-II」が注目を集めている。UAE軍の部隊が発射したおよそ60発のうち、96%がイランのミサイルの迎撃に成功したという。ルーツは1999年にロシアの支援を受けて始まったKM-SAMの開発で、LIGネクスワンやハンファなど韓国の防衛産業が総力を挙げた兵器だ。ところが当の韓国国内では、輸出が優先されて自国防衛が後回しになりかねないとの懸念が上がる。加えて在韓米軍の防空兵器の一部も中東へ移送されたとみられ、二重の弱体化が指摘されている。

日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
日韓の往来は盛んになったが、韓国に在留する日本人は2024年末時点で3万7274人と、コロナ禍前より5904人減っている。ワーキングホリデーや留学が大きく伸びる一方、代表的な就労ビザである特定活動の保有者は183人にとどまる。憧れて渡ってくる日本の若者の前には、新卒就職率60〜65%で事前内定の制度がないという雇用環境と、専攻・職種の一致を求められるビザという二つの壁が立ちはだかる。募集職種と専攻、タイミング、企業側の事情——そのすべてが合致しなければ、韓国就職は成り立たない。

「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
韓国で大企業に入社した大卒1年目の年俸は日本を41%上回る。数字だけを見れば韓国の若者は恵まれている。だが高給はごく一部で、20〜34歳の若年労働者の58.6%が初任給200万ウォンを下回ったという調査もあり、新卒者を公開募集する大企業はサムスンくらいだ。一方の日本は大卒就職率が100%近く、人材不足に悩む企業が少なくない。就労ビザで日本で働く韓国人は2017年の2万人から2023年には7万人へと増えた。かつて英語圏留学で「スペックと脱韓国」を狙った裕福層の進路に、いま日本が加わりつつある。

配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本の技術も止められない韓国ソウルの道路崩壊
2025年1月、埼玉県八潮市で道路が深さ10メートル陥没し、落下したトラックの運転手が亡くなった。その2カ月後、ソウル市江東区で横18メートル・縦20メートル・深さ20メートルという大規模な陥没が発生し、穴に落下したオートバイの配達ライダーが翌日に遺体で見つかる。韓国のシンクホールは5年間で957件、2日に1件の割合だ。ソウル市は東京のジオ・サーチ社に調査を依頼し、わずか4日で41カ所の空洞が見つかった。だが問題なしと確認された3カ月後に陥没した例もあり、日本の技術協力を受けても根本的な解決には至っていない。

ドラムからピンクのスマホまで 韓国・李在明、「映える」首脳外交の成果は?
2026年1月、李在明大統領は中国、日本・奈良、イタリアと矢継ぎ早に首脳会談をこなした。伝統的なプレゼント交換に加えて展開されたのが、SNS時代ならではの「自撮り外交」である。習近平主席とはスマートフォンで自撮りしSNSに投稿——そのスマホは習主席から贈られた、ディスプレイがサムスン製のシャオミ15だった。奈良では高市首相へ韓国製ドラムを贈り、サプライズのセッションが実現している。デジタル時代の首脳外交が持つ可能性と課題を、この一連の会談は浮き彫りにした。

韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向」語る中、途方に暮れる個人旅行者たち
韓国で日本人を対象にした無料サービスが増えている。SNSでの発信と引き換えに、飲食店から観光地、化粧品店、美容整形まで広がった。始まりは韓国観光公社が2013年に実施した在住日本人向けの無料ツアーで、平昌五輪を控えた江原道を経て自治体へ、コロナ禍以降は民間へと拡大している。だが受け入れ体制は追いついていない。地方のバスターミナルは韓国語表記のみで日本語を解する職員は皆無に等しく、ツアーと違って個人旅行者はガイドも頼めない。日本語通訳を置く美容整形でも、専門用語の誤訳が深刻な事態を招きかねない。好意的な発信を狙った無料サービスが、トラブルの拡散装置になりかねないのだ。

2026年の節目に問う 「めぐみの母がうらやましい」── 韓国拉致被害者家族が見る日韓の絶望的な差
2026年は日本の拉致問題にとって重要な節目の年となる。拉致問題解決推進法の施行から20年を迎え、横田めぐみの母・早紀江は2月に90歳の卒寿を迎えた。被害者家族の高齢化が深刻さを増すなか、拉致事件をめぐる日韓両政府の対応には著しい温度差があり、韓国の被害者家族は憤りを感じている。日本政府の認定は17人。一方、韓国統一部が集計した休戦協定締結以後の被害者は522人にのぼり、朝鮮戦争時の被害者と未送還捕虜を含めれば18万人を上回る。

中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍 ── その沈黙は「抑止」か「無能」か
韓国軍が中国の軍事的挑発に沈黙を続けている。中国機による韓国防空識別圏(KADIZ)への無断進入は年々増加し、黄海での中国海警の活動も常態化しているが、韓国軍の対応は抗議にとどまる。背景には最大の貿易相手国である中国への経済的依存と、2017年のTHAAD配備で受けた経済報復の記憶がある。李在明政権は米中間の「均衡外交」を掲げ、中国を刺激することを避けたい。だがこの沈黙は抑止のための戦略的自制なのか、対応能力の欠如なのか。安全保障を経済的利益と天秤にかける構図への疑問は消えない。
