在韓外国人が受けられる韓国の公的支援 ── 在留資格で変わる範囲【2026年版】
韓国の公的支援制度は、原則として「国民」を対象に設計されています。そのため在韓外国人は多くの制度で対象外になりますが、すべてが受けられないわけではありません。何が受けられるかは、収入や居住年数よりも在留資格によって大きく変わります。
この記事では、在留資格ごとに受けられる範囲を整理し、日本人が実際に関わる制度を中心にまとめます。
大原則 ── 「国民」向け制度が基本
韓国の公的な給付制度の多くは、法律上の対象が「大韓民国国民」と定められています。外国人が対象になるのは、法律に外国人特例が置かれている場合か、制度の性質上、居住者全体に適用される場合に限られます。
したがって「韓国に長く住んでいるから受けられるはず」という考え方は通用しません。まず自分の在留資格を確認するのが出発点です。
在留資格で3つに分かれる
| グループ | 主な在留資格 | 受けられる範囲 |
|---|---|---|
| 結婚移民・帰化 | F-6、帰化者 | 最も広い。多文化家族支援、基礎生活保障の特例なども対象になりうる |
| 永住 | F-5 | 制度により異なる。自治体独自の支援で対象になることがある |
| 駐在・就労・留学 | D-7、D-8、E各号、D-2など | 社会保険が中心。生活支援の給付は多くが対象外 |
日本人駐在員の多くは3番目にあたります。健康保険や国民年金といった社会保険には加入する一方、生活支援の給付は基本的に対象外という位置づけです。
在留資格を問わず関わるもの ── 健康保険
これは給付制度ではなく社会保険ですが、実生活で最も影響が大きい制度です。
韓国に6か月以上滞在する外国人は、原則として国民健康保険への加入が義務づけられています。勤務先で職場加入者にならない場合、入国日から6か月が過ぎた翌日に地域加入者として自動的に適用されます。
家族を扶養家族(被扶養者)として登録する場合は注意が必要です。2024年4月3日から、被扶養者にも原則6か月以上の国内居住要件が加わりました。ただし職場加入者の配偶者と19歳未満の子は、この6か月要件が免除されます。帯同家族がいる駐在員にとっては重要な例外です。
保険料や日韓社会保障協定による年金の扱いは、別記事で詳しく扱っています。
結婚移民の方が使えるもの ── 多文化家族支援
日本人が韓国人の配偶者として暮らしている場合、「多文化家族」として支援制度の対象になります。多文化家族支援法は、結婚移民者または帰化許可を受けた人と大韓民国国民で構成される家族を対象と定めています。
⚠️ 駐在員・留学生とその家族は、この枠には入りません。「外国人だから多文化家族」ではなく、韓国国民との家族関係が要件である点が分かれ目です。
代表的な支援として、家族センターに通うのが難しい家庭に指導士が自宅を訪問して韓国語や子育てを支援するサービスや、子どもの言語発達支援があります。いずれも費用がかからない、あるいは所得に応じた負担で利用できます。
📚 制度の詳細と申請方法(姉妹サイト・日本語対応)
▶ 多文化家族訪問教育サービス
自宅で無料の韓国語・子育て支援を受ける方法
▶ 多文化家族の子どもの言語発達支援
バイリンガル環境づくりまでを支える制度
※ 韓国語のサイトですが、ページ右上の言語メニューから日本語表示に切り替えられます(英語・中国語・ベトナム語・スペイン語にも対応)。
生活が苦しくなったとき ── 基礎生活保障の外国人特例
生活困窮者への給付である国民基礎生活保障は、原則として国民が対象です。ただし国民基礎生活保障法に外国人特例が置かれており、韓国国民と婚姻している外国人のうち、次のいずれかに該当する場合は受給者になりうるとされています。
- 本人または配偶者が妊娠中である
- 韓国国籍の未成年の子を養育している
- 配偶者の韓国国籍の直系尊属と生計・住居を共にしている
離婚・死別した場合でも、韓国国籍の未成年の子を養育しているときなどは対象に含まれます。所得・財産の基準を満たすことが前提である点は国民と同じです。
対象にならないもの ── 児童手当の例
混同されやすい例として児童手当があります。児童手当は満7歳未満で、大韓民国国籍と住民登録番号を持つ児童が対象です(月10万ウォン)。難民認定を受けた児童は例外として含まれます。
📌 ここで重要なのは「親の国籍」ではなく「子の国籍」で判断される点です。日韓の国際結婚で生まれた子が韓国国籍(重国籍を含む)であれば、親が日本人でも対象になりえます。一方、両親とも外国籍で子も外国籍の場合は対象外です。
関連記事:韓国の社会保険(4大保険)完全ガイド ― 健康保険・国民年金と、日本人が必ず知るべき日韓社会保障協定【2026年版】/韓国の就労・駐在員ビザ完全ガイド ― D-7(企業内転勤)・D-8(企業投資)・D-9(貿易経営)【2026年版】
よくある質問
Q. 韓国に長く住んでいれば公的支援を受けられますか。
A. 居住年数ではなく在留資格が基準です。駐在・就労・留学の資格では、社会保険には加入する一方、生活支援の給付は基本的に対象外です。
Q. 健康保険は必ず入らなければいけませんか。
A. 6か月以上滞在する外国人は原則として加入義務があります。職場加入者にならない場合、入国日から6か月が過ぎた翌日に地域加入者として適用されます。
Q. 帯同した家族を扶養に入れられますか。
A. 被扶養者には原則6か月の国内居住要件がありますが、職場加入者の配偶者と19歳未満の子は免除されます。所得・財産の基準は別途あります。
Q. 駐在員も「多文化家族」の支援を受けられますか。
A. 受けられません。多文化家族は結婚移民者・帰化者と韓国国民で構成される家族が要件です。外国人であること自体は要件になりません。
Q. 子どもの児童手当は申請できますか。
A. 子が大韓民国国籍(重国籍を含む)で住民登録番号があれば対象になりえます。親の国籍ではなく子の国籍で判断されます。
Q. どこに問い合わせればいいですか。
A. 住所地の住民センター(行政福祉センター)が窓口です。多文化家族関連は家族センター、健康保険は国民健康保険公団の支社が担当します。
韓国の公的支援をもっと詳しく
韓国の支援金・給付制度を制度別にまとめた姉妹サイト 「알잘딱 복지」(日本語表示対応) でも、申請条件や手続きを継続的に更新しています。


