韓国赴任・駐在員の家探し ― 会社の住居規定と、日系・ローカル不動産の使い分け【2026年版】
韓国赴任が決まって最初にぶつかるのが家探しである。ただし駐在員の家探しは、自分で借りるのとは事情が違う。会社が住居費をどこまで負担するか、契約名義は誰か、高額な保証金を誰が用意するか ── そこが決まらないと物件も絞れない。ここでは駐在員特有の確認事項と、不動産会社の選び方を整理する。
物件を見る前に ── 会社の住居規定を確認する
韓国の賃貸は保証金(보증금)が高額で、日本の敷金とは桁が違う。そのため「誰がいくら出すか」が最初の分かれ目になる。赴任前に、少なくとも次の点は会社に確認しておきたい。
- 家賃(月貰)の上限 ── エリアと物件のグレードが実質ここで決まる
- 保証金を会社が出すか、立て替えか ── 個人負担なら選べる物件が大きく変わる
- 契約名義 ── 法人名義か、本人名義か
- 仲介手数料・管理費・公共料金の扱い
とくに契約名義は後から変えにくい。本人名義であれば、入居と住民登録(外国人登録)にもとづく対抗力や確定日付といった保証金を守る手続きを自分で取れる。法人名義の場合は会社の管理方針に従うことになるため、どちらになるのかは早い段階で確認しておいたほうがよい。手続きの中身は韓国の住居・家探し完全ガイドで解説している。
日系か、ローカルか ── 不動産会社の選び方
ソウルには日系の不動産会社や日本人が常駐する不動産が複数ある。加えてソウル市には、外国人対応を認定する「グローバル不動産」という制度があり、日本語対応の公認仲介士事務所が登録されている。日本人居住者が多い東部二村洞には「日本語可」の看板を出す事務所もある。
現時点の一覧は日本語が通じる不動産会社にまとめている。事務所の移転や連絡先の変更があるため、訪問前に電話で確認してほしい。
日系(日本人常駐)の強み
- 言葉の問題がない。契約書の内容を母語で確認できる
- 入居後のトラブルにも入居者の立場で対応してくれる。設備の故障、退去時の原状回復、保証金の返還交渉など、住み始めてからのほうが言葉の壁は効いてくる
ローカル(地域密着)の強み
- 物件情報が早い。理由は後述する
- 交渉力がある。保証金を上げて家賃を下げる、逆に家賃を上げて保証金を下げる、支払いのタイミングを調整する ── こうした組み替えの相談ができる
ただし立ち位置の違いは知っておいたほうがいい。ローカルの不動産会社は家主と良好な関係を築いていることが強みで、裏を返せば入居者より家主との関係を重視する傾向がある。日系はその逆で、家主よりも入居者との関係を重視する。どちらが良い悪いではなく、利害が食い違ったときにどちらを向くかの違いである。
物件情報は「公開前」に動いている
韓国は保証金が高額なため、退去が確定する前の段階で不動産会社に相談が持ち込まれる。次の入居者が決まらないと保証金を返せない、という事情があるからだ。
そのため地域密着のローカル不動産のほうが退去情報が早く、条件のよい物件は公開前 ── 日系不動産が情報を得るより前 ── に決まってしまうこともある。「いい物件が出たら教えてほしい」と伝えておく相手を、エリアを絞ってつくっておく意味はここにある。
実務上の使い分け
実際には、赴任当初は日系の不動産会社や日系コンサルタントを通して探し、韓国での生活が長くなって転居する機会が出てきたらローカルにも当たる、という人が多い。
最初の契約は言葉と手続きの負担が大きく、失敗したときのリカバリーも難しい。一方、二度目以降は勝手がわかっているぶん、物件情報の早さと交渉余地を取りにいける。
よくある質問
Q. 赴任前に日本から契約できますか。
A. 実務上は現地での手続きが前提になります。保証金を守る対抗力や確定日付は入居と外国人登録(滞在地申告)が起点になるため、入国後の流れを想定して日程を組んでください。
Q. 日系とローカル、どちらがよいですか。
A. 一概には言えません。言葉と入居後の対応を重視するなら日系、物件情報の早さと条件交渉を重視するならローカルです。初回は日系、慣れてからローカル、という使い分けが現実的です。
Q. 保証金は会社が出してくれるのが普通ですか。
A. 会社によります。全額負担・一部負担・立て替え(帰任時に精算)など扱いが分かれるため、赴任前に規定を確認してください。個人負担になる場合、選べる物件の幅が変わります。
Q. 法人名義と本人名義でどう違いますか。
A. 本人名義なら保証金を守る手続き(対抗力・確定日付)を自分で取れます。法人名義の場合は会社の管理方針に従うことになります。契約前に確認しておくべき点です。
Q. どのエリアを選べばよいですか。
A. 子どもの帯同があるかどうかで大きく変わります。日本人学校のスクールバス発着地は東部二村洞のみです。詳しくはソウルで日本人が多く住むエリアをご覧ください。
