退職金と積立
- 2018/10/24
- 人事と労務
平均賃金・通常賃金と退職金
退職金
勤労者の退職や死亡で雇用関係が終了したときに雇用主が支払う金銭で、韓国は最低退職金が定められています。
対象者;雇用期間1年以上の勤労者
支給時期;原則として退職日から14日以内
支給額;雇用期間1年につき、30日分以上の平均賃金
退職金の時効;退職日から3年以内
退職金の支給額
退職日を起点に3か月(92日)分遡って1日当たりの平均賃金を算定し、この1日当たり平均額に雇用期間に応じた日数分を乗じた額を支給します。退職金の算定基準は、基本給のほか、定期的に支給する手当を含めた平均賃金で、残業代や休日手当、皆勤手当、勤続手当、家族手当等、定期賞与等を含みます。賞与は退職時から遡って12か月以内に支給した定期賞与の3/12を3か月間の賃金総額に含めて計算します。また、過去1年間に支給した年次休暇の未使用分も算入します。
日本社から派遣された駐在員は退職金の対象外とすることができます。対象者か否かは査証の種別にかかわらず、日本社等との実質的な雇用関係によります。駐在(D-7)査証は海外企業との雇用関係がある人に発給される前提ですので、対象外とみなすことができます。投資(D-8)査証で日本社との雇用関係が客観的に把握できる人は対象外にできますが、日本社との実質的な雇用関係がない人は支給対象です。満期保険金を退職金に充当するケースで、保険金額が法定の最低退職金を下回る場合、差額は雇用主が負担します。
通常賃金と平均賃金
韓国の賃金体系に、通常賃金と平均賃金があります。
通常賃金は、解雇予告手当、休業手当、延長勤労手当、夜間勤労手当、休日勤労手当、年次休暇手当等の算定で適用する賃金で、平均賃金は退職金、休業手当、災害補償等の算定基準です。
通常賃金:定期的・一律的に所定勤労に対して支給する賃金
時給、日給、週給、月給、その他勤労時間に対して一律的・固定的に支給される賃金
平均賃金:算定事由が発生した日以前の3か月間に支給した賃金総額を期間で割った金額に、過去1年間に支給した定期賞与の3/12等を加えた額
通常賃金に含まないが、平均賃金に含まれるもの
延長勤労手当、夜間勤労手当、休日勤労手当、年次・月次手当、一時的賞与金、皆勤手当、勤続手当、家族手当等
平均賃金から除外されるもの
結婚祝い金、弔意金、災害補償金等の偶発的に発生する費用、実費弁償の出張費や作業備品費、住宅設備等の福祉厚生的なもの等と成果報酬として支給した賞与