韓国政府は海外からの入国者に2週間の隔離を義務付けています。
日本に出張で一時帰国をしている間に入国制限が発令され、入国後の2週間、自宅で隔離生活を送ったY氏の体験を紹介します。
■仁川空港から麻浦の自宅(隔離場所)へ移動
空港から隔離場所へのアクセスは、自家用車、入国者専用タクシー、入国者専用バスのいずれかを選択し、自己隔離先となる外国人登録証に記載された自宅に移動します。
専用バスを利用しました。行き先は居住している区の区庁で、隔離場所となる自宅はソウル市麻浦区ですので、麻浦区庁行きの専用バスです。
仁川空港14時発のバスに乗りたかったのですが、ぎりぎり間に合わず。。次のバスは17時30分発で、空港ロビーの指定待機場所と行動が認められていたエリアにあるカフェで過ごしました。
バスの運転手は白い防護服の完全防備。乗客は8~9人ほどで、座席指定はなく自由に着席。ただ、一人一人が意識的に離れて着席しました。
18時30分過ぎに麻浦区庁に到着して、バスを降りたら担当者が待機しており、専用車で自宅前まで送ってくれました。
ちなみに同じ車両に乗車したのは3人で、1人はシンガポール、1人はオーストラリアからの帰国者です。19時過ぎに自宅に到着、14日間の隔離生活が始まりました。
到着した日に麻浦区庁の隣にある保健所で検査を受けられると思っていたら、どうやら18時までらしくて、その日は受けられず、翌日、保健所の担当者の指示に従って、麻浦保健所に出向いて検査を受けました。
余談ですが、同時期に入国して専用タクシーを利用した駐在員の話によると、空港→管轄区保健所(PCR検査)→自宅までタクシーの運転手が面倒をみてくれたそうです。
■隔離生活
≪外出禁止≫
まず、隔離期間中は家から一歩も外に出ることはできません。私は帰国した日にPCR検査を受けられなかったので、保健所の許可を得て、検査を受けるために麻浦区庁に出向きましたが、それ以外は自宅で14日間を過ごしました。
≪PCR検査の結果通知≫
麻浦区は検査の時に「陽性の場合のみ連絡をします」という対応でした。他の区は直ぐに結果通知がメッセージで届いたと聞いていたので少し驚きました。
私は心配だったので、検査2日後に保健所に電話をかけて結果を確認しました(しっかり陰性)
≪監視≫
事前にダウンロードした自己診断アプリで、毎日朝と夕方の2回、体温と簡単な健康状態を報告します。どういうシステムなのか詳しくはわかりませんが、うっかり報告が遅れると、警告ブザーが鳴ります。
自宅にいるかを確認する電話は1度だけ。もちろん、支援物資やゴミ出し方法の確認、PCR検査結果の照会など、何度か保健所とやり取りしましたが、区によっては毎日のように電話がかかってくるケースもあると聞きます。
≪区の支援物資≫
麻浦区の主な支援は2つあります。
まずは防疫グッズで、5日後に自宅に届きました。隔離生活中に捨てたゴミを入れる専用ゴミ袋と消毒用スプレー(主にゴミに吹きかけました)、簡易体温計2セット、マスク2枚です。
もう一つは支援金10万ウォン。区によっては食料品が支給されると聞きましたが、麻浦区は支援金の支給のみでした。居住エリアの住民センターから「支援金を支給するので口座番号をこれから送るメッセージに書かれたメールアドレスに返信してください」という電話がきました。
支援金はメールを返信した2~3日後に支給されました。
≪食料調達≫
食料支援はなかったので、日本から持ち帰った食べ物に加えて、出前アプリやEマートのネットショップで調達しました。出前やネットショップは、配達時に玄関前に置くようにお願いして、配達員との接触を避けます。
≪ゴミ出し≫
隔離生活終了の2日前、区から隔離終了日とゴミ出し方法の連絡がメッセージで届きました。指定ゴミ袋と一緒に入っていたマニュアルに従って出せば良いと思いますが、分別が気になったので、一応、区に電話で確認し、ごちゃ混ぜでOKという回答をもらいました。
自己隔離中に特別のトラブルはありませんでした。不明な点は直接区や保健所の担当者に電話等で聞いたことも、ストレスの軽減になっただろうと思います。
韓国語を勉強しておいてよかった!
PCR検査の結果報告や支援、隔離義務遵守の確認方法など、自己隔離者への対応は区によって異なるようですが、空港から自宅までの送迎や隔離生活中の支援は本当に有難く、感謝しています。
また、海外帰国者からの感染を未然に防ごうとする本気度も伝わってきました。
これから入国される方々のご参考になりましたら幸いです。
入国日・2020年4月18日/自己隔離期間・4月18日〜5月2日
ソウル麻浦区在住・駐在員 Y氏