就任直後から異例の「サナエシフト」? 韓国・李在明政権が急ぐ日韓接近の「裏事情」
第104代内閣総理大臣に選出された高市早苗首相は10月30日、APEC首脳会議出席のため韓国・慶州を訪問し、李在明(イ・ジェミョン)大統領との就任後初の首脳会談に臨んだ。歴史問題で強硬な姿勢を取ってきた高市氏の就任にもかかわらず、両首脳は「シャトル外交」の継続と未来志向の関係発展を確認した。この友好姿勢は、高市内閣発足直後から始まっていた。
高市新内閣が発足した10月21日、韓国大統領室の高官・魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が訪日したことが確認された。日本で新首相が就任した際、韓国政府は大統領室か外交部が祝意を伝えるのが通例で、大統領室高官の訪日は異例中の異例である。李在明外交のブレーンとされる魏室長は翌22日、麻生太郎自民党副総裁と会談し、李在明大統領の韓日協力への意志を伝え、高市内閣への協力を要請したという。
韓国政府がこれほど高市政権を歓迎する背景には、韓国経済の苦境がある。文在寅政権下で大幅な黒字を計上していた対中貿易は赤字に転落し、コロナ禍以降は国民の嫌中感情も悪化した。さらに同盟国の米国ではトランプ氏が関税政策で不確実性をもたらしている。日韓の民間交流が過去最高水準に達しているいま、この「時流」に乗って日本との協力を安定材料とすることが、李在明政権に残された数少ない外交的選択肢となっている。歴史問題を棚上げしてでも実利を優先する「実用外交」が、対日接近を急がせている。
▸ 詳しくはニューズウィーク日本版で
就任直後から異例の「サナエシフト」? 韓国・李在明政権が急ぐ日韓接近の「裏事情」(外信記者・佐々木和義)



