会社法
- 2018/10/16
- 会社法と知的財産
会社関係法規
会社の分類や機関は商法に定められています。日本の制度と大きな違いはありません。
商法上の会社
1.合名会社
・ 会社債権者に対して、連帯・無限・直接の責任を負う無限責任社員でのみ構成される会社
・ 地位や持分は譲渡できない
2.合資会社
無限責任社員と有限責任社員で構成された二元的組織の会社
会社の代表権と業務執行権は無限責任社員が持つ
3.株式会社
・株主は取得した株式の限度内で会社に対し責任を負い、会社債権者に対する責任を負わない
所有と経営が分離され、株主は株主総会や監督権により経営に影響を及ぼす
特段の事情がある場合を除いて、株式会社が最も一般的な形態
4.有限会社
・社員が会社に対し出資金額限度で責任を負うのが原則
・例外的に会社設立または増資により例外的に出資金額を越えて資本を填補しうる
5.有限責任会社
・ 対外的には社員に有限責任を認めるが、内部的には組合に近く、設立・運営・機能面で私的自治を幅広く認める
・ 海外との合弁投資事業や会計法人、法務法人など専門サービスの小規模企業で活用しやすい
1人会社
狭義では社員が1人しかいない会社の持分全てが1人に帰属する会社
広義では名目上は複数人だが実態は1人という会社を含む
株式会社と有限会社は1人会社が可能
株式会社の機関
株式会社は在韓日系企業で最も一般的な形態です。
理事は日本の取締役に相当します。
株主総会
株主総会は、日本社が100%出資している独資現地法人であっても登記上の本店所在地で実施するのが原則です。
1. 株主総会の決議事項
(1) 財務諸表の承認
(2) 株式配当の決定
(3) 定款の変更
(4) 営業の全部または重要な一部の譲渡決定
(5) 他社の営業全部の譲受
(6) 会社の営業に重大な影響を及ぼす他社の営業一部の譲受
決議方法
特別決議:出席株主の議決権の2/3かつ発行株式総数の1/3以上
・株式の分割
・定款変更
・会社の解散
・会社の合併、分割
・営業の全部または重要な一部の譲渡決定
・他社の営業全部の譲受
・重大な他社の営業一部の譲受
・理事や監事の解任など重要事項
普通決議:出席株主の議決権の過半数かつ発行株式総数の1/4以上
・特別決議以外の事項
※決議に特別な利害関係ある株主は議決権を行使できない
2. 招集権者
・ 株主総会の招集は原則として理事会(日本の取締役会に相当)が決定
※例外的に少数株主または監査が招集、あるいは裁判所の命令で招集する
3. 招集時期および招集場所
※毎年1回一定の時期に定期総会を招集
・ 年2回以上の決算期を定めた会社は期ごとに総会を招集する
その他必要な場合、随時臨時総会を招集
・開催地:定款に定めがない場合、本店所在地または隣接する場所
4. 招集手続き
通知と公告:記名株主には会日の2週間前に招集通知を発送、無記名株主には3週間前に公告 ※株主全員の同意で期間の短縮が可能
議決権がない株主への通知・公告は不要
理 事
会社の理事は日本の取締役に相当します。
理事の専任
・ 株主総会の普通決議で選任
・ 株主ではない者も理事になることができる
原則3人以上
但し、資本金10億ウォン未満の小規模株式会社は1人または2人も可能
・理事報酬は定款または株主総会の決議で定める
代表理事
・理事会や株主総会で決議または委任された業務を執行する
・対外的に会社を代表する
・理事の中から1人または複数人を選任
・定款に特別な規定がある場合は株主総会で選任し、規定がない場合は理事会で選任する
理事会
会社の業務執行に関する意思決定および理事の職務執行監督を行う株式会社の常設機関で、理事全員で構成する
1. 決議事項
(1) 株主総会の招集
(2) 代表理事の選任
(3) 重要な資産の処分および譲渡
(4) 大規模資産の借入
(5) 新株発行事項の決定
(6) 社債の募集など
2.招集
原則として各理事が招集する
ただし、理事会決議で招集する理事を定めた時には、その理事が招集する
・会日を定めて1週間前に各理事と監査に通知する
3. 決議
・ 理事1人1議決権を行使
・ 理事の過半数の出席と出席した理事の過半数の賛成で決議
※決議に特別な利害関係がある理事は議決権を行使できない
監 事
資本金10億ウォン未満の会社は任意
1. 権限等
・ 業務および会計監査権
・ 理事に対して営業報告を要求できる
・ 理事会に出席して、意見を陳述できる
2. 義務等
・ 善管注意義務
・ 監事報告書の作成および提出義務
※会社および第三者に対し損害賠償責任を負う