リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上 ── 韓国政府機関の火災が示した「デジタル先進国」の脆さ
2025年9月26日午後8時20分ごろ、韓国中西部の大田(テジョン)市にある国家情報資源管理院の電算室で、リチウムイオンバッテリーから火災が発生した。消防約170人と63台が投入され、約10時間後に鎮圧されたが、バッテリー384個が焼失し、同院が管理・運営する政府の647件の行政オンラインシステムに影響が及んだ。政府メール、証明書発給、郵便、一部の救急関連機能など、国民生活に直結するサービスが広範に停止・低下した。
被害の象徴となったのが、公務員の業務用クラウドストレージ「G-Drive」の消失だ。バックアップが存在しなかったこのシステムは焼失し、約858TBの業務データが失われた。約12万5千人の中央省庁職員が利用していたとされる。政府は2018年の指針で「PCに保存せず必ずG-Driveに保存する」よう命じていたが、その唯一のシステムにバックアップがなかったことが被害を決定的にした。
「デジタル政府世界1位」「IT先進国」を自称してきた韓国にとって、今回の火災は看板の実態を露呈させるものとなった。災害復旧の基本であるバックアップ体制の不備、老朽化した設備、安全基準を逸脱した運用──構造的な問題が重なっていた。さらに復旧作業を担った公務員が自ら命を絶つという痛ましい事態にも発展し、責任の所在をめぐる議論が続いている。
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リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上 ── 韓国政府機関の火災が示した「デジタル先進国」の脆さ(外信記者・佐々木和義)



