韓国の個人所得税ガイド ― 183日ルール・税率表・外国人の単一税率19%【2026年版】
韓国で働く日本人がまず押さえるべきは、自分がどちらの国の「居住者」になるかです。それが決まれば、どの所得にどの税率がかかるかが決まります。ここでは所得税・地方所得税の仕組みと、外国人だけが選べる単一税率まで整理します。
まず「居住者」かどうかで決まる
所得税は暦年課税(1月1日〜12月31日)です。原則としてその年に183日以上滞在した国が居住国になります。
判断の基準は住民登録などの外形ではなく、実際にどこに居たかです。したがって駐在員でなくても、長期出張などで韓国滞在が183日以上になれば韓国で納税義務が生じます。逆に駐在員が日本への出張を重ねて日本滞在が183日以上になれば、日本が居住国になります。
居住者は全世界所得が課税対象、非居住者は韓国内で生じた所得のみが対象、という違いがあります。
総合所得の範囲
総合課税の対象は、利子所得・配当所得・事業所得(不動産賃貸所得を含む)・給与所得・年金所得・その他所得です。
総収入金額から必要経費や所得控除を差し引いて課税標準を出し、それに応じた税率がかかります。
日本と同じく給与支払者が源泉徴収して毎月納税しますが、源泉徴収されていない所得がある人は確定申告が必要です。逆に、源泉分離課税の利子・配当・その他所得と給与所得だけで年末調整を済ませた人は、申告義務が免除されます。
総合所得税の基本税率(2026年時点)
計算式は 個人所得税 =(所得 − 所得控除)× 税率 − 累進控除 − 税額控除 です。
| 課税標準 | 税率 | 累進控除 |
|---|---|---|
| 1,400万ウォン以下 | 6% | — |
| 1,400万〜5,000万ウォン | 15% | 126万ウォン |
| 5,000万〜8,800万ウォン | 24% | 576万ウォン |
| 8,800万〜1億5,000万ウォン | 35% | 1,544万ウォン |
| 1億5,000万〜3億ウォン | 38% | 1,994万ウォン |
| 3億〜5億ウォン | 40% | 2,594万ウォン |
| 5億〜10億ウォン | 42% | 3,594万ウォン |
| 10億ウォン超 | 45% | 6,594万ウォン |
最高税率は45%で、課税標準の区分は8段階です。日本の所得税(5〜45%・7段階)と最高税率は同じですが、区分の刻み方が違うため、同じ年収でも税額は一致しません。
主な所得控除
- 人的控除(本人) ── 150万ウォン
- 人的控除(配偶者・20歳以下の直系卑属) ── 各150万ウォン(年間所得100万ウォン以下であること)
- 勤労所得控除 ── 年間給与額に応じて段階的に決まる
日本にいる配偶者や子も、要件を満たせば所得控除の対象になります。帯同していない家族がいる場合は確認する価値があります。
税額控除には外国税額控除、勤労所得税額控除、出産・養子税額控除、子女税額控除、教育費税額控除、標準税額控除などがあります。
地方所得税は「同時課税」
地方所得税の税率は所得税額の10%です。
ここが日本と大きく違います。日本の住民税は前年の所得に対して翌年課税されますが、韓国の地方所得税は所得税と同じ年に同時に課税されます。
この違いは帰任のタイミングで効いてきます。日本では「辞めた翌年に住民税の請求が来る」ことがありますが、韓国ではその構造がありません。なお地方所得税は居住者・非居住者を問わず納税義務があります。
外国人だけが選べる「単一税率19%」
外国人労働者には、累進税率の代わりに一律19%を選べる特例があります。
- 対象は外国人の役員または使用人(日雇い労働者を除く)
- 国内で最初に勤労を提供した日から5年以内に終わる課税期間まで適用できる
- 選んだ場合、非課税・所得控除・減免・税額控除の規定は一切適用されない
つまり控除をすべて捨てる代わりに19%で確定させる制度です。所得が高く控除が少ない人ほど有利になり、逆に扶養家族が多く控除が積み上がる人は累進税率のほうが安くなることがあります。
どちらが得かはケースによって変わるため、年末調整の際に両方で試算するのが確実です。
よくある質問
Q. 何日いたら韓国で税金を払うことになりますか。
A. 原則としてその年に183日以上滞在した国が居住国になります。住民登録の有無ではなく、実際の滞在日数で判断されます。
Q. 韓国の所得税率は何%ですか。
A. 6〜45%の8段階です(2026年時点)。課税標準1,400万ウォン以下が6%、10億ウォン超が45%です。
Q. 日本にいる家族を扶養控除に入れられますか。
A. 要件(年間所得100万ウォン以下など)を満たせば対象になりえます。帯同していない配偶者や子も含まれます。
Q. 単一税率19%を選んだほうが得ですか。
A. 一概には言えません。控除がすべて使えなくなるため、扶養家族が多い人は累進税率のほうが安くなることがあります。両方で試算してください。
Q. 帰任した翌年に住民税の請求が来ますか。
A. 来ません。韓国の地方所得税は所得税と同時課税で、日本のような前年所得課税ではないためです。
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