韓国の駐在員ビザ D-7 完全ガイド ― E-7との違いと4つの区分【2026年版】
日本の会社から韓国へ送られるとき、どの在留資格になるのか。答えは「派遣先と派遣元の資本関係」でほぼ決まります。同じ「駐在員」でも、韓国の支店・子会社へ行くのか、資本関係のない取引先へ行くのかで、申請する資格も窓口も変わります。この記事では駐在(D-7)と特定活動(E-7-1)の分かれ目を、2026年時点の公式区分で整理します。
目次
駐在(D-7)は4つに分かれています
「D-7」と一括りにされがちですが、2026年時点の公式区分では次の4コードに細分されています。日本の本社から韓国へ送られる典型的な駐在員は、このうちD-7-1です。
- D-7-1(外国企業):海外の企業から韓国の拠点へ転勤するケース。日本企業の駐在員はここ。
- D-7-2(内国企業):韓国企業が海外に置いた拠点から、韓国の本社へ呼び戻すケース。
- D-7-91(FTA転勤)・D-7-92(FTA契約):自由貿易協定にもとづく枠。
D-7-1 ― 日本本社からの駐在はここ
公式に示されている対象は、外国の公共機関・団体・会社の本社、支社、その他の事業所などで1年以上勤務した人が、韓国にあるその系列会社・子会社・支店・事務所などに必須専門人力として派遣されて勤務する場合です。
実務で引っかかりやすいのは次の3点です。
- 「1年以上」は派遣元での勤務歴:韓国での勤務予定期間ではありません。入社直後の社員をそのまま駐在に出す形は、この要件に当たらないことになります。
- 派遣先に資本関係が要る:系列会社・子会社・支店・事務所が対象です。資本関係のない取引先へ出向する形は、D-7ではなくE-7-1の話になります。
- 「必須専門人力」であること:肩書きと職務内容で判断されます。韓国拠点の規模に対して派遣人数が多い場合や、一般社員としての勤務に見える場合は、説明を求められることがあります。
D-7-2 ― 日本人にはあまり関係しません
こちらは韓国の上場法人や公共機関が設立した海外現地法人・海外支店で1年以上勤務した人が、韓国にあるその本社・本店へ派遣され、専門的な知識・技術・技能を提供または伝授するケースです。韓国企業の日本法人で働いていた人が韓国本社へ移る、といった形が想定されています。
資本関係がないならE-7-1(特定活動)
取引先への出向、あるいは韓国法人による現地採用の場合は、駐在ではなくE-7-1(特定活動)の領域になります。公式に示されている対象は、韓国内の公・私機関などとの契約にもとづき、法務部長官が国家競争力の強化などのために外国人材の導入がとくに必要と指定する分野に従事しようとする人です。
ポイントは「指定する分野」に自分の職務が入っているかどうかで、ここが最初の関門になります。職務内容と学歴・経歴の対応関係が審査されるため、D-7-1より準備に時間がかかると考えておくほうが安全です。
自分がどれに当たるか ― 見分け方
- 日本本社 → 韓国支店・子会社・系列会社へ転勤 … D-7-1
- 日本本社 → 資本関係のない韓国企業へ出向 … E-7-1
- 韓国法人に現地採用される … E-7-1
- 韓国企業の海外拠点 → 韓国本社へ … D-7-2
- 自分で韓国に法人を作る・投資する … D-8・D-9(投資・起業ビザの記事へ)
申請前に確認しておくこと
在留資格は制度改正が多く、必要書類も随時変わります。とくに次の点は、申請の直前に一次情報で確認することをおすすめします。
- 最新の必要書類:ハイコリアが体系別の案内マニュアルを公開しており、指針の変更にあわせて更新されています。
- 自分のケースの扱い:資本関係や職務が微妙な場合は、1345(外国人総合案内センター、多言語対応)か、訪問予約のうえ管轄の出入国・外国人庁での相談が確実です。
- 入国後の手続き:入国後は住居地を管轄する官署で外国人登録が必要です。
家族は一緒に行けるのか
駐在員本人の在留資格とは別に、配偶者と未成年の子はF-3(同伴)で帯同できます。最初の申請時に一緒に手続きすることも、本人が先に渡航して後から呼び寄せることもできます。
ただしF-3は「帯同」の資格であり、就労を前提としたものではありません。配偶者が韓国で働く予定がある場合は、F-3のままで良いのか、別の資格が必要になるのかを事前に確認してください。ここは家庭ごとに事情が違い、後から変更しようとすると時間がかかります。
入国前に取るか、入国してから変えるか
日本のパスポートは短期の訪問であればビザなしで入国できますが、その状態から国内で就労資格へ切り替えられるとは限りません。資格の種類によって扱いが異なり、認められない場合もあります。
就労や派遣が目的とはっきりしているなら、原則として在外公館で該当する資格を取得してから入国するのが確実です。「とりあえず入国して現地で切り替える」前提で日程を組むと、渡航のやり直しが発生することがあります。
勤務先が変わるとき
就労系の在留資格は、「申請した勤務先で、申請した業務を行う」ことを前提に許可されています。駐在期間中に派遣先が変わる、韓国法人に籍を移す、現地採用に切り替わる — こうした変化は、届け出や資格変更の対象になり得ます。
とくにD-7-1からE-7-1へ実態が移るケース(資本関係のある拠点から、資本関係のない先へ移る)は、本人の感覚では「同じ会社の中の異動」でも、制度上は別の資格になります。異動の話が出た段階で確認しておくのが安全です。
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- 韓国の投資・起業ビザ D-8・D-9 完全ガイド ― 自分で会社を作る・投資する場合はこちら。
- 就労・駐在員ビザ完全ガイド(D-7・D-8・D-9) ― 全体像をまとめて見る場合はこちら。
困ったときは
駐在員ビザは、要件そのものより「自社のケースがどの類型に当たるか」の判断でつまずきます。資本関係や職務内容の説明の仕方で結論が変わる場面もあるため、判断に迷う場合は行政書士・法律事務所への相談を検討してください。
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KOREA Benriを執筆している佐々木和義は、自身で韓国法人の設立(外国人投資申告から投資ビザ取得まで)、許認可、商標、不動産契約の一切を経験しています。日韓の広告実務20年、韓国政府機関公認 外信記者。
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