韓国の4大保険ガイド ― 2026年の料率と、日本企業がつまずく加入実務【2026年版】
韓国の4大保険は、2026年に国民年金が9.5%へ引き上げられました。1998年以来はじめての改定で、2033年に13%となるまで毎年0.5ポイントずつ上がります。健康保険も7.19%に上がりました。
負担の形も日本とは違います。雇用保険には事業主が全額負担する部分があり、労災保険は業種ごとに料率が変わります。そして労働者を1人でも雇えば加入義務が生じ、未加入のままだと保険料の遡及納付につながります。
この記事では、2026年の料率と、日本企業の人事担当がつまずきやすい実務を整理します。
2026年は料率が動いた年です
まず知っておいていただきたいのは、2026年に国民年金の料率が上がったことです。1998年から9%で据え置かれていたものが、年金改革によって9.5%になりました。1998年以来はじめての引き上げです。
しかも一度きりではありません。2033年に13%となるまで、毎年0.5ポイントずつ上がっていくことが決まっています。韓国に拠点を置いて人を雇うのであれば、人件費が毎年少しずつ増える前提で見ておく必要があります。
2026年の料率は次の通りです。
| 保険 | 料率 | 負担 |
|---|---|---|
| 国民年金 | 9.5% | 労使折半(各4.75%) |
| 健康保険 | 7.19% | 労使折半(各3.595%) |
| 長期療養保険 | 健康保険料の13.14% | 労使折半 |
| 雇用保険(失業給付) | 1.8% | 労使折半(各0.9%) |
| 雇用安定・職業能力開発 | 0.25〜0.85% | 事業主が全額 |
| 労災保険 | 業種別(平均1.47%) | 事業主が全額 |
健康保険も7.09%から7.19%へ上がりました。長期療養保険は健康保険料に別の率をかける仕組みなので、健康保険が上がると自動的に一緒に上がります。
一方で、雇用保険と労災保険は据え置きです。
日本と違ってつまずくところ
① 労災保険は業種で料率が変わります
日本と同じく事業主の全額負担ですが、韓国では業種ごとに料率が定められています。同じ会社でも事業の内容によって適用される料率が異なることがあるため、設立時にどの業種で登録するかは確認しておいたほうがよい項目です。
② 雇用保険は二階建てです
失業給付部分は労使折半ですが、それとは別に「雇用安定・職業能力開発事業」の保険料があり、こちらは事業主が全額負担します。しかも常時労働者数によって率が変わります。日本の感覚で「雇用保険=労使折半」とだけ考えていると、実際の負担額が想定と合いません。
③ 加入は「1人でも雇ったら」です
労働者を1人以上雇用する事業場は原則として加入義務があります。未加入のまま運用していると、過料に加えて保険料の遡及納付が発生し、政府支援金の対象からも外れると案内されています。「まだ人数が少ないから」は理由になりません。
④ 毎年精算があります
報酬総額の申告によって、実際の所得と賦課額の差を精算する仕組みです。年初や退職時に追加納付や還付が生じることがあるため、日本本社への予算報告では「毎月同額」と見込まないほうが安全です。
国民年金には上限があります
国民年金の保険料は「基準所得月額」に料率をかけて計算しますが、この基準所得月額には上限と下限が設定されています。つまり高額所得者であっても、一定額を超えた分には保険料がかかりません。駐在員のように給与水準が高い場合、この上限に当たることがあります。
上下限額は毎年7月に改定される仕組みのため、具体的な金額は国民年金公団の告示でご確認ください。
手続きは事業場単位です
4大保険は原則として事業場単位で成立させ、そこに労働者を加入させる流れになります。韓国では4つの保険の窓口が統合されており、まとめて届け出ができるようになっています。
ただし実務上は、法人設立・事業場登録・労働者の資格取得届と段階が分かれ、それぞれ期限があります。設立直後は登記や税務の手続きと重なるため、社会保険だけ後回しになりがちな部分です。
まとめ
2026年の韓国の4大保険で押さえておく点は三つです。
- 国民年金が9.5%に上がり、2033年まで毎年上がる
- 雇用保険と労災保険には事業主のみが負担する部分がある
- 1人でも雇えば加入義務があり、未加入は遡及納付につながる
料率は毎年見直されます。本記事は2026年8月時点の内容ですので、実際の計算や届け出の際は各公団の最新の告示をご確認ください。
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