仁川チャイナタウン
仁川チャイナタウンは、仁川駅前に広がる韓国最大級の中華街だ。1883年の仁川開港をきっかけに清国の租界(外国人居留地)が設けられ、移住してきた華僑たちが築いた街で、隣接する旧日本租界の近代建築とあわせて、韓国では珍しい多国籍な街並みが今も残っている。仁川駅から歩いてひと通りまわっても2時間ほどの規模で、ソウルから日帰りでも訪れやすい。

アクセス
最寄りは地下鉄1号線・仁川駅(1号線の終点にあたる駅)。駅を出るとすぐ「韓国鉄道発祥の碑」があり、道路を挟んだ向かい側がチャイナタウンの入口になる。ソウル市内からは1号線で1時間前後。仁川国際空港から向かう場合は、空港鉄道からの乗り継ぎが便利だ。終点駅ということもあり、平日の午前中など時間帯によっては比較的ゆったり見学しやすい。
街の成り立ち
開港当時に移り住んだ華僑の子孫は今も仁川に根を張っており、街には華僑の子どもたちが通う「仁川華僑中山学校」もある。租界制度自体はとうに廃止されているが、100年以上にわたって受け継がれてきた華僑文化が、街並みや食文化にそのまま息づいているのがこの街の特徴だ。中国大陸ではなく台湾系の華僑が多いことも、韓国の中華街ならではの特徴とされる。

見どころ1:韓国式ジャジャン麺発祥の地
韓国式ジャジャン麺(黒い甘辛ソースの焼きそば)は、このチャイナタウンで生まれたというのが定説だ。発祥の店とされる老舗「共和春」は1983年、華僑の財産権を制限する当時の政策の影響で閉店したが、その建物は2012年から「チャジャンミョン博物館」として公開されており、ジャジャンミョン誕生の歴史や当時の帳簿・食器などを見ることができる。なお、現在チャイナタウン内で営業している「共和春」は、この歴史ある店とは別の店舗なので混同しないよう注意したい。


見どころ2:旧日本租界の近代建築群
チャイナタウンのすぐ隣には、開港期に建てられた日本の銀行の旧支店建物が今も残る。
・旧第一銀行仁川支店 → 現在は「仁川開港博物館」
・旧第十八銀行仁川支店 → 現在は「仁川開港場近代建築展示館」
どちらも国の指定文化財で、開港期の資料を展示する博物館として公開中だ。街並みは一見「日本風」に見えるが、細部は実際の日本の街並みと異なり、独特の雰囲気を持つ。


見どころ3:牌楼(中華風の門)と松月洞童話村
チャイナタウンの入口には、朱色と黄色が鮮やかな中華風の門「牌楼」が立ち、街のシンボルになっている。門をくぐった先の坂道には、三国志壁画通りとは別に、世界の童話をテーマにしたカラフルな壁画が続く「松月洞童話村」もあり、写真映えするスポットとして若い旅行者やカップルに人気だ。夕方には街全体に灯りがともり、昼間とは違った雰囲気も楽しめる。
見どころ4:三国志壁画通りと自由公園
チャイナタウンの路地には、三国志の名場面を描いた壁画が続く「三国志壁画通り」がある。中華街の坂を上った丘の上には「自由公園」もあり、韓国最初の西洋式公園として知られる見晴らしの良いスポットだ。桜の名所としても知られ、春には花見客で賑わう。

グルメ
中華料理店や中国雑貨を扱う店が軒を連ね、ジャジャン麺のほか、酢豚(タンスユク)も定番メニューだ。食べ歩きグルメとしては、中はもちもち・外はサクサクの焼き菓子「空心餅(コンガルパン)」や月餅なども人気がある。日本料理店や日本関連の店舗は見当たらない。

周辺スポット:新浦市場と月尾島
チャイナタウンから徒歩15分ほどの場所には、地元で親しまれている新浦市場もある。ソウルの在来市場を見慣れた旅行者には目新しさは少ないかもしれないが、仁川に暮らす人々の日常の買い物の場だ。
また、仁川駅からバスやタクシーで10分ほどの月尾島(ウォルミド)まで足を延ばすのも定番コースだ。海辺の遊歩道や遊園地、新鮮な海鮮を出す食堂が並び、チャイナタウン観光とあわせて半日〜1日の周遊コースを組む旅行者が多い。
訪れるタイミング
週末や祝日は観光客で混み合うため、じっくり見学したいなら平日、特に午前中がおすすめだ。桜の季節は自由公園、暑い時期は月尾島の海辺と、季節によって組み合わせるスポットを変えるのも良い。
よくある質問
Q. 仁川チャイナタウンの見学にはどれくらい時間がかかる?
A. ゆっくり回っても2時間程度あれば見学できる。月尾島まで足を延ばす場合は半日〜1日みておきたい。
Q. ソウルから日帰りできる?
A. 可能。ソウルから地下鉄1号線で1時間前後の距離にある。
Q. 中華街以外の見どころは?
A. 隣接する旧日本租界の建物(仁川開港博物館・近代建築展示館)、三国志壁画通り、丘の上の自由公園、少し足を延ばして月尾島もあわせて見学するのがおすすめだ。
Q. 何を食べればいい?
A. 名物のジャジャン麺と酢豚(タンスユク)が定番。食べ歩きなら空心餅や月餅もおすすめだ。

